出会う前から知っていた。
認識する前から見ていた。
相手はよく目立ち、たくさんの人を感動させるクリエーター。
優しくて、楽しくて、人当たりが良くて、お喋り上手で、でも……いつもどこか掴みどころがなくて、近づけさせてくれない人。アクリル板一つ挟んでいる感じ。いや……もっと離れているかもしれない。隣の隣の……その向かいの席の人くらい、どこか遠い。声は聞こえるし、表情も見える、こっちだって見てくれるのに。だけど、一向に縮まらない距離。
これが、私のツインレイ。
作品を見た時、心を大きく揺さぶられた。感動した。一枚の絵の中にたくさんの物語が詰まっていた。
それが透けて見えるような絵だったんだ。
「これが ”絵” というもの」なのだと心底思って、それ以降、自分が絵を描くことに抵抗を感じるようになった。自分の描いているものは「絵」ではないと。
元より、絵を捨てて「物語を書く」という創作を選んでいたため、絵に執着する理由は全くなかった。相方の絵は、私から絵という創作をきっぱり捨てさせてくれて、「小説に集中する時間」を与えてくれた。
私は作家。
相手はイラストレイター。
私たちはクリエーターだ。