偶然出会った会社のトップ営業マン黒川と一緒に、これまた偶然に営業に行くことになった佐久間耕介。売れない新人営業マンにとってこれほどありがたいことはない。

 しかし耕介は内心うかない気持ちだった。営業という仕事に対してそれほど興味がないというか、むしろやめたいと思っていたのに、いまさら勉強するなんて気分になれないのが本音だったからだ。

 そんな耕介の気持ちも知らずに黒川はクライアントの会社に向かっていった。

 

 

「今日は午前中に3件アポが入っているから、急いでまわるよ」

 そう言って黒川は、さっそく一件目の会社に入っていく。

 さっきの喫茶店から歩いて5分程度の場所だ。こんな近くにお客さんがいるなんてうらやましいと耕介は思った。自分がアポイントを取れる会社は決まって駅から遠くて、行って帰るだけで半日以上かかってしまうこともあったからだ。

 受付の人に来社を告げると、そのまま応接室に通された。

 後ろからついていく耕介はもう緊張し始めている。なんせ会社を訪問してもいつも門前払いで、まともに応接室などで商談したことなどなかったからだ。

 案内された部屋は、奥に3人掛けの黒いソファーがあり、テーブルを挟んで一人掛け用のイスがふたつ置かれていた。典型的な応接セットだ。

 黒川は迷いなく奥のソファーに座り、隣に座るように耕介に目くばせした。

 耕介は黙って従った。

 ところで、黒川は本当にしゃべらない。この会社に来る道中もほとんど話をせずに黙々と歩いていた。根っからの無口なのか、それとも緊張しているのか。その無表情な顔からは想像もできない。

 そこへ先方の担当者が入ってきた。

 黒川はスッと立ち上がりあいさつをした。耕介も遅れて立って頭を下げた。

 そしてお互いに名刺交換。

「ストロング広告の黒川です」

 そう言って自分の名刺を渡してから黒川は急に固まってしまった。

 相手の名刺をじっと見つめて考え込んでいる。どうしたんだろう、名刺交換で緊張してしまったのだろうか。

 耕介がとなりでハラハラしていると、

「これは、田中……何とお読みするのですか?」

 黒川はとんでもないことをさらりと言った。

 相手の下の名前が読めなかったらしく、それをいきなり質問しているのだ。いくらなんでも相手に失礼だろう。それに漢字が読めないことを白状しているみたいで、印象も悪くなる。本当にこの人はトップ営業マンなのだろうか?

「ああ、これは〇〇と読むんですよ」

「え、これで〇〇と読むんですか、珍しいですね~」

「はい、いままでちゃんと読めた人はいませんよ(笑)」

「そうでしょうねえ、この字はなかなか使いませんからね(笑)」

 あれ? お客さまがいきなり笑顔で話している。初対面の人は例外なく怒ったような顔をして、面倒くさそうに応対するのが通常なのになあ。このお客さまは今日は機嫌がいいのかも。これならこちらの話もすんなり聞いてくれそうだぞ。

 と思っていると、黒川はまた変なことを言いだした。

「ところで、今日こちらにうかがう途中で気になったのですが……」

「なんでしょう?」

「商店街からこちらに向かう通り沿いに、こじんまりとしたラーメン屋さんがあったのですが、朝から人が行列をつくっていてちょっと驚きました」

「ああ、△△亭ですね」

「ご存知ですか! おいしい店なんですか?」

 おいおい、せっかく相手が話を聞いてくれそうなのに、どうでもいいラーメン屋の話なんか持ち出して、何を考えているんだ、この黒川という人は。

「この辺じゃわりと有名ですよ。私も好きでときどき並んでいます(笑)」

「そうなんですか、おススメは何ですか?」

「私はいつもスタンダードなしょう油味ですが、味噌味もいけますよ」

「しょう油と味噌ですね。ありがとうございます。私、ラーメンには目がないもので」

 あらあら、仕事そっちのけでラーメンの話に夢中になっちゃっているよ、この人たち。

 

 そうしてしばらく雑談が続くのを、耕介はとなりでぼんやり聞いていた。

 すると、お客さまが思い出したように、

「ところで、おたくは求人広告も扱ってるの?」

「はい、扱っています」と黒川。

「いまちょうど社内で人材採用を検討しているところなんだけど」

 こんなおいしい展開なんてアリなの!? お客さまのほうから相談を持ちかけてくるなんて信じられない。普通なら、聞きたくなさそうにしている相手に、半ば強引に商品説明をしないと営業にならないのに。

 それからあっという間に商談が決まった。今日最初に訪問した会社から、求人広告の注文をもらったのだ。

 ただ、これははっきり言ってラッキーである。そもそも相手にニーズがあって、そこにタイミングよく出かけて行ったから決まったようなものだから。こんなことがそうそうあるわけがない。

 

「良かったよ。商談が決まるところが見せられて」

 申込書にハンコをもらってその会社を出てから、黒川は耕介に話しかけた。

「そうですね。おめでとうございます。ラッキーでしたね」

「ラッキー?」

「だって、あのお客さまはもう広告を出すことを決めていたようでしたから」

「あ、ああ、そうだね。そういう意味ではラッキーかもね」

「それに、黒川さんがほとんど商品説明をしていないのに決まっちゃうなんて、あんなこともあるんですね~」

 事実だった。商談中もほとんどお客さまがしゃべっていて、黒川はうなずいたり、質問に答えたりするだけだった。

「ははは、説明しなくても売れるときは売れるもんだよ」

「そういうものなんですか」

 ところが、そのラッキーは1件目だけではなかった。

 次の会社でも、その次の会社でも、同じようなパターンで広告が売れたのだ。

 その日午前中のアポイント3件からすべて注文をもらったことになる。これは奇跡だ!

 相変わらず無意味な雑談から始まって、いつの間にかお客さまのほうから仕事の話をし始める。そして気が付いたときにはもう申込書にハンコをもらっているのである。

 すごい、すごすぎる。自分がどんなに必死になって駆けずり回っても、半日で3件の注文なんて取れるわけがない。いや1件ですらムリだ。

 耕介は、前を歩く黒川の背中をまじまじと見つめた。なんでこの人はあんなことができるんだろう?

 

つづく


 

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「佐久間君」

 飛び上がるくらいびっくりした。こんなところに知っている人がいるわけがないと思っていたので、油断していた。

 恐る恐る声の主を探していると、すぐ近くの席に座っている見知らぬ男がこちらを見ている。この人が自分を呼んだのか? でも会ったこともないし、人違いかもしれない。

「佐久間君、ですよね?」

 するとその人の口から再び自分の名前が出てきた。こっちを向いてるし、明らかに自分に対して声をかけている。

「そうですけど」

 気味が悪いが、呼びかけを無視することもできないので、小さな声で返事をした。

「ああ、よかった。一瞬間違えたかと思った。私は君と同じ会社の黒川というものです」

 えっ、会社の人! やばいなあ、サボっていると思われる。これが牛島課長にばれたら最悪だ~。……ん、でもまてよ。黒川って名前は知ってるぞ。いつも営業成績がダントツトップの人も同じ名前だ。

「えっ、黒川さんって、まさか営業の!?」

 黒川という名前の社員は他には知らない。だけど、この人がトップ営業だとはとても思えなかった。なぜかというと、自分と同じようなニオイを感じるからだ。静かな喫茶店にひとりでいるのが好きなタイプ。大勢での宴会やお祭り騒ぎが苦手な性格。この黒川と名乗る男からは、そんな内気なオーラが出ていた。

 超体育会系の営業会社であるストロング広告社のトップ営業マンというからには、やはり大柄で声が大きくて押しが強くて酒も強い! そんなイメージしかなかった。目の前の黒川は正反対の人だった。小柄でかなりやせている。声も穏やかでどちらかというと弱弱しい印象だ。

「そうです。営業の黒川です」

「あの、トップ営業の!?」

「まあ一応そうですね」

 黒川はちょっと照れくさそうに答えた。耕介が信じられないという風にボーっとしていると、

「ひとり? よかったら、ここに来ない?」

 と自分のテーブルの前の空いている席を指さした。

「はい」

 言われるままに耕介は座った。

 黒川は通りかかったウエイターを呼んで、飲み物を注文するように耕介に促した。

 ホットコーヒーを注文した。

 そして、耕介がメニューを所定の位置に戻すのを見て、黒川は切り出した。

「じつは、君のことは前から気になっていたんだ」

「えっ」

「よく牛島課長に怒られてるよね」

「はい、まあ」(いきなりイヤなこと聞いてくるなあ)

「やっぱり。あの人は君みたいなタイプをみると目の敵にするからなあ」

「……」(なんと答えていいのかわからないので、黙っている)

「僕も昔はよく怒られていたからわかるんだ」

「え、黒川さんも!」

「そう、僕も目の敵にされるタイプだからね、君と同じように」

「そうだったんですか!」

「うん、入社当時は何度も会社を辞めようと思ったけど、売れるようになってからは何も言われなくなったんだ」

 耕介は、黒川の会社を辞めるというセリフに少し反応した。

「で、君も同じことを考えるんじゃないかと思って心配していたんだ」

 ドキッとした。図星だった。それに対してどう答えていいのかわからずに黙っていると、次の黒川のセリフに耳を疑った。

「そうなったらもったいないなと思ってね。だって君は営業に向いているんだから」

「そんな、まさか……」

「まさかと思うのもムリはないけど、いまだからわかるんだ。君は間違いなく営業に向いているよ」

 小さい声だが確かな自信を感じられる黒川の態度に、その言葉がウソやごまかしではないことはわかった。でも信じられない気持ちに変わりはない。

 

「ですが、実際にはまったく売れていないですし、牛島課長からはいつもおまえは営業に向いてないと言われてます」

「まあ、あの人ならそう言うだろうね。でも課長が言うからそうだと言い切れる?」

「それは……」

「課長の言うことと、僕が言うこととどっちが信じられる?」

「え~と、そう言われましても……」

 どう答えていいのか悩んでしまう。こういう状況になると耕介はいつも軽いパニックになってしまい、全身が火照ってくる。すぐに緊張してあがってしまう性質なのだ。

 一方で黒川はこのやりとりを楽しんでいるように、余裕の表情をしている。

 そして耕介が答えに困っていると、

「ごめん、ごめん。いじわるな質問だったね。でもそんな質問にも真剣に答えようとしているところが、君の良いところなんだよ」

 なんだかはぐらかされている感じだ。

  ただ、黒川の表情を見ていると、自分をからかおうとしているとは思えなかった。むしろ好意的に接してくれているように思えた。

 その証拠に、こうして二人でいることに、いつもなら感じる切迫感がなく、しばらく黙っていてもなぜか落ち着いていられた。

「ところで提案があるんだけど」

 コーヒーをゆっくりと飲んで、静かにカップを置いてから黒川はこう切り出した。

「なんでしょう」

「今日、これから僕と一緒に営業に行かないか?」

「は?」

 いきなり何を言い出すんだろう、この人は。

「もちろん、予定があるならしかたないけど」

「いえ、とくに予定は……」

「そう、じゃあ決まりだ」

 そういうと、黒川は伝票を持ってさっさとレジに向かった。

 耕介もあわてて残りのコーヒーを飲みほしてから追いかけた。

 物静かそうに見えて、行動するとなると素早い人だなと思った。

 外に出ると、初夏の日差しがまぶしかった。

 そして、このあと、耕介の人生が大きく変わる体験をすることになる。

 

 

ポイント)営業に向いている人は、必ずしも体育会系ではない

 

つづく


 

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「いいか! 注文取れるまで帰って来るんじゃねえぞ!」

「わかりました」

「声が小さい!」

「わかりました~っ!!!」

「ようし、行って来い!」

 それを合図に20名の営業マン全員が一斉に動き出す。無言で書類をカバンに詰め込んで、みんな争うように出かけていく。今日もまた地獄の一日が始まろうとしていた。

 自分も早く出かけないと、また課長に怒鳴られるぞ。しかし、資料をかき集めながら、こんなときに限って携帯が見当たらない。

「おい、佐久間! いつまでグズグズしてるんだ!」

 やばい! 見つかった! どこだ携帯? ああもうどうしよう。机の引き出しのなかを必死に探しているところへ、課長の牛島が真っ赤な形相で近づいてきた。

「お前、今日売れなかったら本当にクビだからな、わかってるのか!」

「わかってます。わかってますけど携帯が見つからなくて……」

「そんなのいいから、さっさと行って来い!」

「はい~~~っ」

 ああもう、こんな仕事はイヤだ~!!!

 

 これが佐久間耕介が勤めるストロング広告社のいつもの朝の光景である。

 広告代理店というと聞こえはいいが、与えられた仕事はタウン誌の広告をお店に訪問して売ることだった。朝礼でその日の売り上げ目標を全員の前に立って大声で言わされる。売れずに帰れば厳しく責められる。お客さまに喜んでもらうというよりも、上司に怒られないために仕事をしていた。

 そのなかで耕介は売れない営業マンだった。もちろん自分なりに頑張っている。決してサボっているわけでもなく、日々言われた業務をきちんとこなしているのだがどうしても結果が出ない。来週こそはなんとか目標を達成したいと思いながら売れない毎日が続いて、入社して3ヶ月が経ってしまった。

 最初のうちは新人だからと大目に見てもらっていたが、この時期になるともう一人前の営業マンとして評価される。

 同期入社でも明暗がはっきりと分かれて、売れない者は半月もたずに辞めて行った。どうりで新人を大量に採用するわけだ。こうして売れる人間だけ残っていくという会社のしくみに気づいたときは遅かった。

「やっぱり自分は営業に向いてないんだ」

 もともと人を押しのけてまで前に出るタイプではなく、どちらかというとおとなしい性格の耕介は、実際に営業をやってみてそれを実感していた。

 

 急いで会社を飛び出したものの、今日も行くあてなどない。電車で隣の駅まで移動して、そこの商店街で飛び込み営業をやるつもりだった。たぶん断られまくるのだろうけど……。

 自分がこれだけ頑張っても売れないのなら、売れている人はもっともっと頑張っているんだろうなあ。でもこれ以上どうやれっていうんだろう。

 訪問するたびにお客さまから冷たく断られ、それでもねばると怒鳴られて、結局何も売れずに会社に帰ると今度は課長から大目玉を食らう。この状況が一生続くのかと考えただけで、朝から気分が暗くなってしまい、やる気もなくなってくる。

「こんな冴えない顔で営業に行っても、お客さんが会ってくれるわけないよな」

 と勝手に自分で言い訳をして、駅前通りの路地を曲がったところにひっそりとある小さな喫茶店のドアを開けた。先週の仕事帰りにのどが渇いたので、ふと立ち寄った店だ。決してサボろうとしているのではない。少しだけ気持ちを落ち着かせたいと思っただけだ。そう仕事のためである。

 そう自分に言い聞かせてはいたものの、根が真面目な性格なので、どうしても後ろめたい気持ちがある。あたりを見渡してから急いで店の扉を開けた。

 薄暗い店内には静かにクラシック音楽が流れている。全部で30席くらいだろうか。二人用の小さなテーブルがそれぞれ木製の壁で仕切られているので、ひとりでじっくりと時間を使うにはもってこいの場所だった。

 店に入って扉を閉めると、カウンターの中にいるマスターがこちらを見て無言で会釈をした。「いらっしゃいませ!」などと明るい声で出迎えて来ないところもいい。

 どこか隅の目立たない席はないかと、店の奥へとゆっくりと歩き始めたときに、いきなり自分の名前を呼ばれた。

「佐久間君」

 飛び上がるくらいびっくりした。こんなところに知っている人がいるわけがないと思っていたので、油断していた。

 

つづく。

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あらすじ)

 超体育会系の営業会社に勤める主人公の成長ストーリー。
 

 入社3か月の売れない営業マン佐久間耕介は、いつも上司から怒鳴られていた。というのもどちらかというと彼は気が弱いタイプで、気合と根性をモットーとする上司からみると、どうしても腹が立つ存在だったからだ。

 しかも成績が全く上がらない。言うことを聞かない上に、成果もあげられない部下を叱咤するのは上司として当然である。ことあるごとに目の敵にされていた。

 耕介も限界に来ていた。精神的にも体力的にもキツイ仕事。もう辞めようと何度思ったことか。
 

 そんなある日、その会社のトップ営業マンの座をずっと守っている先輩社員と話をする機会があった。耕介がなにより驚いたのは、その先輩があまりにもイメージと違ったということだ。この会社のトップ営業なのだから、どれほどのスーパーな人物かと思いきや、とても物静かな人だったのである。

 いつもうつむき加減でボソボソと小声で話すし、押しも弱いし笑顔も頼りない感じ。

 普段から目立たない存在で、内気な性格だということが一目でわかった。

 それでも、営業成績はいつもトップで、あの鬼上司ですら何も文句を言えなかった。
 

 そこから、先輩によるマンツーマン指導が始まる。

 先輩の営業方法は、いままでの営業とは真逆と言っていいほど違っていた。

 そのギャップに驚いたり納得したりしながら、徐々にコツをつかんでいき、結果的に、耕介はトップ営業の仲間入りを果たすことになる。

 既存の営業と新しい営業との対比を通して、真の営業スタイルとは何かを導いていく。

自分のことは強制的に!

テーマ:

 今日は自分に対するグチです。


 どうも悪いクセだ。

 自分のことを後回しにしてしまうクセ。


 自分のことはプライベートなことなのか?
 仕事よりランクが低いのか?

 いやそうじゃない。 
 むしろ一番優先したほうがいいことだ。


 たとえば、ホームページ。

 何ヶ月も前からホームページを作り直すと、
 このメルマガでも言ってきた。


 しかし、現状ではまったく手がついていない。

 普段の仕事を優先したり、
 時間が空いたときでも「疲れている」を理由にサボったり。


 朝早く起きてやろうと心に決めても、
 起きると頭痛になっていたりするともうその時点で断念だ。

 どうしても、後回しになってしまう。


 その理由は、

 ・納期がない
 ・誰からも文句を言われない
 ・すぐに利益にならない

 それと、
 ・自分のことだと納得した結果になりにくい

 というのがある。


 でも一方では、重要性もわかっている。


 ホームページを作り直せば、
 もっと仕事の依頼が来るかもしれない。
 もっとメルマガの読者が増えるかもしれない。
 いやきっとそうなるはずだ。


 それが最重要なことだということは、
 自分でもわかっている。

 わかっているクセにできない自分に腹が立つのだ。


 で、どうしたらいいのかを考えた。


 以前、私が定期コンサルをやっているクライアントに言われたことがある。   


「定期的に日時を決めて来てもらえると、
 こちらもそれに合わせて準備をしなければならない。 
 この強制力がありがたい」


 このクライアントも自社のコンセプトやその表現の仕方で悩んでいた。
 自分でいくら考えてもなかなか答えが出てこない。
 それどころがいつも後回しになっていた。

 そこで、外部のコンサルを入れて
 強制的に進めることにしたのである。


 私は毎回宿題を出すので、
 その答えを考える時間も強制的に作られる。

 結果、少しずつだが確実に前進できている。

 これだな、と思った。


 自分のことというのは、
 「重要だけど急ぎではない」というものが多い。 


 日々のスケジュールというのは、
 どうしても「急ぎ」の案件を優先しがちになる。

 しかし本当に優先すべきことは、「重要」な案件なのだ。


 そこで、こんなことを初めてみた。

 自分にアポをとるのだ。


 日時を決めて、その時間は、自分との約束の時間とする。

 例えば、来週の水曜日の10時から12時までは、
 ホームページの構成について考える。


 その時間帯はアポが入っている状態なので、
 他の案件が入りそうになっても断る。

 それをしっかりとスケジュール帳にも記入する。

 
 空き時間にやればいいと思っていることほど、
 ズルズルとやらないでいることが多い。

 だったら、それをスケジュール化してしまえばいいのだ。


 重要な案件ならなおのこと、
 しっかりと予定を組んで進めたほうがいいに決まっている。


 さらに、「場所」も決めるとより効果的だ。

 自宅や会社で考えるよりも、
 近所の喫茶店などへ行ったほうがより集中できたりする。


 私の家からクルマで20分くらいのところに、
 小田原ヒルトンホテルがあるのだが、
 そこにライブラリコーナーがある。

 いくらかの料金を払えば、そこで作業をすることができる。


「水曜日、小田原ヒルトンにて10時から12時まで
 ホームページの構成を練る」

 こんなふうにアポを自分にとって
 強制的に仕事を進めるようにしようと決めた。


 なまじスケジュール帳が空いているから、
 そこに他のアポを入れてしまうのだ。


 自分にアポをとって
 しっかりとスケジュールに組み込んでしまうことが、
 結果的に仕事を効率的に動かすことになると思う。


 また、そうすることで、
 それまで心のなかにモヤモヤと溜まっていた
「いつかやらなきゃ」というものが、
 消えてくれるので気持ちもスッキリする。


 ヒマになったらやる。

 そう言い続けて延々とできてないことこそ、
 強制的にやらざるを得ない状況を作ってみてはいかがだろう。


 そしてこうして書くことで、
 私自身への強制力としているのだ。


 今日は自戒を込めて書きました。

いよいよ書店に並び始めました!


私の新刊本(15冊目)


 『あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣』 


※最近、やたらとタイトルが長くなっている気がする……


あなたの評価をガラッと変える たった3秒の声がけ習慣/渡瀬 謙
¥1,470
Amazon.co.jp


これは、じつは出版編集者からのアプローチで始まった企画です。


私の本(内向型のための雑談術)を読んだ担当者が、

私ならこのテーマを書くのにピッタリだと判断して、

お声がけいただいたもの。


もともと、口数が少ない私は、

最低限の言葉で最大級の効果を出すことを心がけてきました。


ひと言で、2度も3度もおいしいような、

そんなことばかりを考えていたのです。


この本のタイトルも、

「ひと言習慣」にしようかと最後まで迷っていました。


でもこのタイトルをいろんな人に見せて、

その第一印象を聞いてみましたが、

「わかる!」という意見が圧倒的に多かったので、

こちらに決まりました。


まあ、ひと言よりも声がけのほうが、

より「行動」的なイメージがしますしね。



先日も、クライアントの社長がこの本をパラパラとめくりながら、


「そうなんだよ、そういうことなんだよ!」


としきりにうなずいていました。



私もそうでしたが、

部下からの声がけが欲しい場面というのがあります。


・仕事の進み具合はどうなのか?

・きちんと正しい方向に向かって作業しているのか?

・どこに出かけるのか?

・何を考えているのか?


そんなことを社長はいつも気にしています。


でも、口に出してまで言うことでもない場合もあります。


そんなとき、

部下のほうからひと声かけてもらえると、

社長はとても助かるし安心できるのもなのです。


もちろん社長じゃなくても上司でも、まわりの人にでも、

心配や不安を与える前に、ひと言伝えておくことで、

仕事が思いのほかスムーズにまわります。


そしてそれが、自分自身への評価につながります。


仕事そのものの能力も大事ですが、

こうした人づきあいでのちょっとした声がけができると、

上司からの信頼が高まります。


いわば仕事をスムーズに動かすための

コミュニケーション能力ともいえるでしょう。



なにもたくさんしゃべる必要はありません。


そんなに楽しい話ができなくてもいいんです。



それよりも、必要な場面で最低限の言葉があれば、

それで十分なのです。


ぜひ、声がけ習慣を身につけてください!!!










 やりたくないこと、
 というのはおそらく誰もが持っていると思う。


 でもとくに私のような内向型の人は、
 この「やりたくない」ことの数が人より多いはずだ。


 集団で行動したくない。
 大勢の飲み会に行きたくない。
 立食パーティに行きたくない。
 二次会のカラオケに行きたくない。 
 人前でしゃべりたくない。
 会社に行きたくない。

 もっというと、
 営業職にはなりたくない。
 管理職にはなりたくない。


 とにかくやりたくないことというのは、
 仕事でも遊びでもプライベートでも、
 何かしらあるものだ。


 さて、やりたくないことに直面したときどうするか?

 逃げる?
 イヤイヤやる?
 ガンバル?

 


 私は日頃からセミナーなどで、
「苦手なことをガンバルのはやめよう」
 と言っている。


 ガンバって苦手を克服したとしても、
 せいぜい他人と同じレベル止まりだろう。


 そこに時間をとられるくらいなら、
 もっと別の自分の得意分野を伸ばしたほうがいい、
 という考えだ。


 これ、ドラッカーも言っている。


 「不得手なことに時間を使ってはならない。
  自らの強みに集中すべきである」


 まあ、私のほうが彼の受け売りなのだが。

 
 ガンバルのは否定はしないが、
 ガンバル方向性をきちんと見極めたほうがいい。

 
 と、この論調からいうと、
 やりたくないことはやらないほうがいい、
 ということになる?


 でも、私はそうじゃない。

 やりたくないことでもやるときもあるのだ。 


 
 私がやりたくないことに直面したときには、
 2つの選択肢から選ぶようにしている。


 1)やりたくないけど、将来自分のためになること

 2)やりたくないし、将来も役に立たないこと 


 このどちらかを考えてみる。

 そして、1)だと思ったら迷わずやることにしている。

 
 どんな行動でもイヤイヤやるのは避けたいものだ。
 どうせなら、前向きに行動したい。

 やりたくないことでも、将来自分のためになると思えば、
 こんな私でも積極的(!)になれるのである。

 
 これは、仕事を請けるときの判断基準にもなっていて、
 おいしそうな仕事だけど、やりたくないなあと感じたら、
 この基準にあてはめてみる。


 すると、やるかやらないかを即決できるのだ。


 この仕事は安くてお金にならないけど、
 将来的に経験を積むためには役に立つ。

 この仕事はギャラはいいけど、
 本来自分がやるべき仕事じゃないし、
 今後にもつながりそうもない。

 そんなことを考えて決めている。

 
 やりたくないことだけではなく、
 何かに迷ったら、
 この基準を使うと決断しやすくなるのだ。

 何かにぶつかったときの、
 自分なりの判断の軸を持っていると、
 ジャッジも早いし後悔もしなくて済む。

 なによりブレない自分でいられる。


 そうやって考えると、
 最初はやりたくなかったことでも、
 やってみると案外楽しくできたりするから不思議だ。


 あなたの目の前にある、やりたくないことは、
 どっちですか?



無料メルマガ

「サイレントセールスのススメ」400号より抜粋



 お客さまのニーズに答える!


 まあ、口で言うのは簡単だが、
 営業なら
 それの難しさはわかっているだろう。


 そもそもニーズが何なのかを探るのが一苦労。


 「すみません、この商品のニーズはありますか?」


 と聞いても、当然ながら素直に答えてはくれない。

 営業マンのそんな問いに答えていたら、
 その都度うるさく売り込まれることになるからだ。

 
 ではどうするか?


 とその前に、ニーズってどんなものなのかを考えてみたい。

 営業マンはどんなニーズが欲しいのだろうか?


 たとえば、健康シューズのニーズについて。

 今わりと機能性シューズが流行っている。

 足をスリムにしたり、ヒップアップ効果があったり。

 歩くというのは日常の行動なので、
 手軽にできるというのも人気の理由だ。


 そんななかで、
 足ツボを刺激くれる靴についてはどうか。

 
 まずそもそも靴なので、
 「靴が欲しい人」というニーズが考えられる。


 ただ健康シューズの場合は、
 単に靴が欲しいというものではない。

 やはりその機能が欲しいのだ。


 ということは、
 「足ツボを刺激してくれる機能」というニーズが出てくる。


 こうなると、
 この商品は「靴」ではなくて「足ツボ刺激グッズ」になってくる。

 これがいわゆる裏ニーズというやつだ。

 
 お客さまは靴が欲しいのではなくて、
 足ツボを刺激してくれるグッズが欲しいのである。


 ここでさらにもう一段掘り下げてみよう。


 なぜ、お客さまは足ツボを刺激したいのか?


 そう考えていくと、
 今度は「ヒザの痛みをやわらげたい」というニーズが見えてくる。


 足ツボを刺激したい理由は、
 ヒザの痛みを無くしたいということだ。


 つまり、この商品は「靴」ではなく、
 「ヒザの痛みをやわらげてくれる装置」となる。

 


 どうだろう。

 ここまでくると、
 営業が商品をすすめるトークも変化してくるはずだ。


 「健康シューズはいかがですか」
  ↓
 「ヒザの痛みをやわらげてくれる靴はいかがですか」


 ヒザに痛みを抱えている人なら、興味を持ってもらえるだろう。



 でも、ここで終わりではない。

 さらにもう一段深く掘ってみる。


 なぜ、ヒザの痛みをやわらげたいのか?

 これを追求していくと、


 ・いままで普通に歩けていた
  ↓
 ・ヒザが痛くなってきた
  ↓
 ・歩くのがきつくなってきた
  ↓
 ・友だちと気軽に旅行に行けない
  ↓
 ・孫の走りに追いつけない

 
 当然、痛みを消したいという気持ちもある。

 ただそれ以上に、
 ヒザが痛いことによってできなくなってきたことを、
 もう一度やりたいという気持ちがあるのだ。


 歩くのが遅くなってしまい、
 まわりの人に迷惑をかけている。


 それを解消したいという気持ちが強いから、
 病院に行ったりクスリを飲んだりし始めるのである。

 
 つまり、この商品は「靴」ではなくて、
 「友だちと気軽に旅行に行くことができる商品」なのだ。


 セールストークも進化してくる。


 「これを履けば、今までのように、
  気軽に旅行に行けるようになりますよ」


 「家族と一緒に出かけるときにも、
  歩くのが遅いと気を使われないで済みますよ」


 より響くトークになってくるだろう。

 これを私は裏の裏ニーズと呼んでいる。


 この商品が欲しい、と思った背景には、
 必ずなんらかのきっかけがある。


 そのきっかけは何なのか?


 それを聞き出すことができれば、
 相手の心に刺さるトークが見えてくるのだ。


 あなたの扱っている商品の裏ニーズは何だろう?


 そして裏の裏ニーズまで探ってみて欲しい。

 きっと売り方が変わってくるはずだ。



無料メールマガジン「サイレントセールスのススメ」 399号より


大人の美学!?

テーマ:

私が監修した本が、コンビニに並んでいる。


これだ↓


サイレントセールスの日常


基本的にはマナー本なのだが、ちょっと面白い味付けになっている。


それは「空気を読むマニュアル」が付いていることだ。


タクシーの運転手がおしゃべりなときどうする?


電車のなかでの恥ずかしくない振る舞い方など


ふつうのマナー本にはないものまで、面白イラストで解説している。



コンビニで見かけたら、ペラペラとめくってみてね。



大人の美学 究極編/著者不明
¥500
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大人の美学 至高編/著者不明
¥500
Amazon.co.jp


今日の時点ではまだアマゾンには写真がないみたい。


ちなみに私が監修しているのは、黒い表紙の「究極編」です。








もう書店に並んでいて、

出だしも好調のようです。


私の15冊目の新刊本が出ました。


『「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣』


「あがり症営業マン」がラクに売るための6つの習慣 (DO BOOKS)/渡瀬 謙
¥1,575
Amazon.co.jp


徹底的にあがり症の営業マンに特化した本です。


私もそうなのですが、

あがり症というのは、自分で自分をコントロールできなくなるので、

つらいものです。


しかも心だけでなく身体に症状が出てしまうので、

人前で顔が赤くなったり汗だくになったり震えたりと、

相手に見られることでさらに恥ずかしくてあがるという、

悪循環を生んだりします。



お客様の前でそうなってしまうと、

もう商談どころではありません。


一刻も早くその場を立ち去りたい気持ちになって、

商機を逃してしまうこともあります。


営業マンにとっては深刻な問題なのです。



そんなあがり症の営業マンでも成績をあげるためには

どうしたらいいのかを1冊まるごと解説しています。


そして最後にはあがり症自体を克服するための、

近道は何かについてもお話しています。



私はこれに気づくまでに何10年もかかりました。


でも今では人前でしゃべるときも、あがることはありません。

何百人の前でも大丈夫になりました。


いま、あがり症で悩んでいる人には、

ぜひ知って欲しいと思っています。


よろしくお願いします。