あなたの父が亡くなり遺言書には
「遺産は全て長男に相続させる。」

あなたは次男で遺言書にはあなたの名前が書かれていなければ、
どう思いますか?


事務所の花2

こんにちは!
司法書士の国本美津子です。


遺言能力の有無を判断するポイントの1つとして
遺言を書く動機や遺言を書く事になった経緯が挙げられます。

どうして遺言を書こうと思ったのか、遺言を書く事になった事情や経緯が遺言時の遺言能力の判断材料の一つになるんです。

遺言書の末尾に「付言事項」といい、法律に定められていない事を書く事が認められています。

付言事項は法的効力はありませんが、付言事項に遺言書の動機や事情、経緯をに書いておけば、遺言能力の判断材料として遺言能力で問題になれば有力な証拠となるはずです。

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実際にあったケース

先ほどの例で
遺言書に自分の名前がなく遺産がもらえないとすると、

「遺言書を書いたときは、高齢で遺言を書く能力はなかったはず。
 きっと長男が父に無理やり書かせたんだ。
 そんな遺言書は認めないぞ!遺言書は無効だ」


そう思うかもしれませんよね。

でももし、あなたは生前に父から
新築の家の資金や子供の学費を援助してもらっていたら。。。

父の介護は長男が10年以上も同居して面倒をみていたら。。。

遠方で仕事も忙しいからと父の見舞いにも滅多に行かず
介護はすべて兄任せだったらどうですか。。。


父の残した遺言書の付言事項に

『次男には十分な援助をしているのに、
 長男には介護で迷惑ばかりかけてしまった。

 その分、自分亡き後は自宅と僅かに残った預金を長男に遺したい。

 これまでの事情を考えて弟には遺産を残さないが、
 父にとっては兄弟はどちらも可愛い子供だから争わないでほしい。

 遺言を書こうと思った父の気持ちを弟もよく理解をして、

 二人だけしかいない兄と弟なのだから、父亡き後も仲良く助け合い
 ながらお互いの家族が幸せに暮らしていくことを祈っている』


と書かれていたら、
まだあなたはこの遺言書が兄に無理やり書かされたと父の遺言能力を疑いますか?

父の気持ちを知ればもう疑わないですよね。

遺言書を書くときは付言事項を有効に使って
あなたと遺された家族すべての人が幸せになれますように。