東京電力と中部電力は9日、火力発電分野の包括的な提携で最終合意したと発表した。燃料調達や発電所の新設などを行う新会社を、4月中に折半出資で設立する。両社合計で世界最大規模となる液化天然ガス(LNG)の調達量をてこに交渉力を高め、燃料コストの削減と安定調達を狙う。
地域独占体制が戦後から続く電力業界で、主力部門を対象とした本格提携の実現は初めてとなる。両社は昨年10月に提携で基本合意していた。
最終合意によると、統合効果が得やすいとみられる燃料部門については、4月の新会社設立時に両社の新規調達事業を統合。9月末までに輸送事業を統合し、2016年夏をめどに既存の調達事業も統合を終える。火力発電所に関しては、新設と建て替えの事業は新会社設立時に統合する。
しかし、既存の火力発電所を統合対象とするかどうかは検討を継続する。両社が保有する発電所を切り離すことに対する一部株主の懸念に配慮した結果とみられる。東電側が「17年春ごろに方向性を判断したい」とする一方、中部電側は「顧客や投資家の利益や従業員の視点を検証し、最終判断する」との立場だ。
東電は同日、改定作業を進めている新総合特別事業計画(再建計画)の骨子も公表。14年度のコスト削減額が目標を上回ることから、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が遅れても15年は、政府認可が必要な電気料金の本格値上げは行わない方針を明記した。