指宿菜の花マラソン その7 | SHIGEMAGAZINE

指宿菜の花マラソン その7

いやぁ~、指宿菜の花マラソン、書いているだけで、
身体が痛いです。

まだまだ思い出すだけで痛い経験です。

ハッハッハ(*^_^*)

さてさて、続きを書きますか。


さて、孤独で歩き始めた俺ですけど、
辺りは急激に真っ暗になっていき、
さっきまで、辺りで「がんばってね」なんて声をかけてくれた
辺りの人たちもほとんどいなくなって

前や後ろを見てみると指宿マラソン参加者さえも
ほとんどいなくなっちゃった。

8時間を超え、僕らより遅く35キロ地点に向かっていた人は
みんなバスに収容され前を歩いていた人は、
先に行ってしまったし

本当に孤独だ・・・

孤独になってしまい、
挨拶で痛みが消える技を使いたいけど、
挨拶する相手がいない。。。

関節の節々が痛む・・・

温度も夜になり急激に冷えてきた。

海風もものすごく冷たく、
コートでも寒いであろう状態
ドラゴンボールのコスプレで半袖の俺には本当に寒い!!

動いてはいるけど、本当にスロースピードで、
身体が暖まるような動きはしてないから、
本当に寒い!!

気が付いたら、身体は冷えてきってしまった。


体中のリンパ節が痛い!!


身体の体温が下がって免疫が落ちてしまったんだろう
免疫が落ちるとリンパで抑え込んでいる、
普段は悪さをしないウイルスや菌たちが暴れ始める

体中のいたるところでリンパ節が腫れ始めた


正直やばい!!!!!


股関節の鼠系リンパ節、膝の膝窩リンパ節、
大小様々なリンパ節が一気に腫れ始めて痛みだした。

身体の深部、腰にある仙腸関節のリンパ節も騒ぎはじめ、
わきの腋窩リンパも騒ぎはじめ、
本当に全身のリンパ節が痛みだした。

全身の痛みが、僕の足取りをさらに遅くする・・・

もう、一歩を進むのが心底辛い!!

一歩が無理なら半歩だ!!!!!

とにかく、半歩ずつ進む

ぜんぜん前に進まない・・・

笑顔でどうにかしたいけど、
話す相手もいない。。。。。

前を向いて歩く力もない
ただただ、足元を見て歩くだけ・・・

でも、やめたくない。

諦めたくない。。。

みんながんばっている。。。

今の俺には着いてきてくれる仲間がいる。
諦めない姿だけでも伝えたい。

とにかく進もう・・・

とにかく進もう・・・

昔もこんなことあったよね
もう、いつの何のときかも思い出せない・・・

でも、その時も諦めずに一歩ずつでどうなかなった
今はもう、一歩も無理だけど半歩でも止まらなければ必ず
願うべきゴールにつけたはず

さぁ~、がんばるぞ、さぁ~がんばるぞ

でも、もう、足が動かない、
痛みはすごずぎる

どうしたらいい・・・

辺りは真暗だし・・・



そうだ、もう最後の手段を使おう
痛みがあるのは生きている証拠

だったら、俺はもう、死人になろう・・・

そうだ、俺はもうすでに死んで、
今、魂だけがゴールに向かっているんだ
魂とだけ会話しよう。

肉体が大好きだし、この身体が愛おしい
でも、肉体と会話をしたらもう進めない。

リタイアしか残ってない。。。

今回、俺、何かをみんなに伝えたい。

意地でもゴールを目指す!!

肉体のメッセージは切り離そう

俺はもう、死んでいる。
俺はもう、死んでいる。

俺はもう、この寒さで死んでしまったんだ。

ただ、ゴールで待ってるみんなに会いたい!!!

会いに行こう!! 愛に行こう!!

本当に最後の手段まで使って歩き続ける

でも、なかなか前に進まない。。。

まだまだ39キロ地点

後3キロ・・・

なんて、長い3キロ・・・

死人で歩けるのもう限界・・・・

魂までボロボロだ・・・


そんな時にタクシーが横に止まった。
応援隊のようだ。

でも、もう、横を見る気力も残ってない。

かすかに聞こえる言葉
「がんばって、やっしーはゴールしたよ、みんな待ってるよ。」

みんな待ってるよ・・・

この言葉が身体中に何かを起こした!!

がんばらなくちゃ、がんばらなくちゃ・・・

俺『こーたろーさん・・・』

「こーたろーさんはリタイアしてホテルに戻ったよ」

なんだか安心した。。。
無事に生きて戻ったんですね、
良かった、良かった。
みんな無事なんだ。
みんな生きているんだ。

心から“ほっと”した。

よかった、後は俺だ、
がんばるぞ!!

って、思っていたらおばさんが近づいてきて、
寒いでしょうとゴミ袋をくれた。

このゴミ袋から首だけを出すとこれが温かい。
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ゴミ袋がこんなに温かいとは知らなかった。
(てか、もっと早く欲しかったよ・・・
でも、貰えてよかった、本当に感謝してます。
僕にとってあなたは菩薩様です。
名前もわかりませんけど、ありがとうございました。)

もう少しもう少しと歩いているけど
なかなか着かない

身体中の痛み止まらない。。。。

そんな時、聞いていたi-podからある曲が流れ始めた


~美しき狼たち~

男なら戦う時が来る 誇りを守るために命をかけて

男なら旅立つ時が来る 愛する者たちに別れを告げて

足を挫けば膝で這い 指を挫けば肘で這い

涙の粒だけたくましく 傷ついてしなやかに

ああ男は走り続ける ああ人生という名のレールを

~ ~ ~ ~ ~

この曲は俺の小学1年生の時からのテーマソング!!

昔、本当に辛かった時もこの曲を聴いて前に進んだ。

どんな時も俺の辛い時は一緒にいた曲

i-podの何千曲の中からこのタイミングでこの曲!!
前奏の時点でジ~ンと来る。

あの時ももうどうしたらいいか分からなかった。
俺も本当にいろんなことがあった
多くの人を傷つけて生きてきた。

まだまだダメな男だ

でも、今もがんばってるよ・・・

そんなことを思ったら

涙がぼろぼろこぼれ始めた

足をくじけば膝で這い!!!
涙の数だけたくましく!!!!!!

おぉぉぉぉ~!!!!!

涙が止まらない。


そしたら、不思議と足が前に進み始めた。

足がどんどん進む!!

痛みが無くなった。

どういうことだ!!

そうか、泣いたからだ!!

涙は免疫を司る、
NK(ナチュラルキラー)細胞を増やしてくれる。

俺、泣いちゃったから、免疫上がったよ!!

痛みが消えた。

笑いも凄いけど、やっぱダメなときは泣けば良いんだ!!!!!!

すげぇぇぇ!!!!

身体すげぇぇ~!!!

泣いたらさっきまでの数倍の速度で歩けるようになった。

うおぉぉぉぉぉ~!!!!


見えたぁぁぁぁ~ゴールまであと少しだ!!