小倉百人一首 | M.M日記
ひさしぶりの草書!
今回は小倉百人一首より4首を抜粋。





光孝天皇
「君がため 春の野に出て 若菜つむ
わが衣手に 雪はふりつつ」

訳:あなたに差し上げようと思い、早春の野に出て若菜を摘みました。
私の衣の袖に雪がちらちらと降りかかる中で…


蝉丸
「これやこの 行も帰るも 別れては
しるもしらぬも 相坂の関」

訳:これがまあ、都から東国へ下って行く人も都へ帰る人も、ともにここで別れる関。
そしてもともと知る人も知らない人もここで逢うという、逢坂の関なのだな。


中納言家持(ちゅうなごんやかもち)
「かさゝぎの わたせる橋に をくしもの
しろきをみれば 夜にぞふけにける」

訳:伝説に聞くかはささぎの橋。
その橋をかけた冬の天の川は霜を置いたように真っ白だ。
見上げていると、天上界の夜ももうすっかり更けたらしい。


在原業平朝臣(ありひらのなりひらあそん)
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くゞるとは」

訳:人の世はもちろんのこと、神世においても聞いたことがありません。竜田川を覆って真っ赤に染まった紅葉の下を水がくぐって流れるなどということは…。




昔はこんな想いをこの短い詠に詰め込んでいたのかあ…、としみじみ思いながら書いておりました。
 
 
ちなみに百人一首は藤原定家が選定した首です。
つまり定家の趣味がもうダダ漏れです。

小倉百人一首を分類すると『春』・『夏』・『秋』・『冬』・『恋』・『離別』・『 羈旅(きりょ)』・『雑』というものになります。

首の数を割り振ると
春:6首
夏:4首
秋:14首
冬:6首
恋:43首
離別:1首
羈旅:4首
雑:20首

圧倒的に『恋』が多いんです。
藤原定家さん恋バナめっちゃ好き。

まあ時代が時代ですからね。
初恋などの可愛らしい首から、恨みつらみをキレイな言葉に直しつつ…なものまでたくさんの首があります。

可愛らしい首はたいてい男性が詠んでいたりします。きゃわゆい…。


小学校以来目にしていないという方も、幼い頃とは違う目線で見られて楽しいのでぜひ
小倉百人一首に触れてみてください。


 
『離別』1首しかないじゃん!と気になった方、ぜひ小倉百人一首を調べてみましょう(笑)