ギアの新司法試験一発上位合格するまでの記録 -7ページ目

ギアの新司法試験一発上位合格するまでの記録

僕が新司法試験に一発で上位合格するまでの記録をつけます。
法曹の方、ロースクール生、ロースクールを目指す方、その他資格試験の受験生…などなど、みなさん叱咤激励お願いします。

ここ数日、受験前ぶり位に自室に引きこもり残念な結果だった方の添削をしていました。
さすがに、4人分の添削は辛かったですが、その方たちのために全力を注ぎました。

添削後、少し電話するとその方々はほぼ全員、開口一番口を揃え…

「演習不足だった…」

と口にします。

ですが、それは自己分析・敗因分析としては不十分であり、演習量を増やせば即合格につながるとは思いません。

演習不足…といっても、詳細に見れば、色んな敗因があります。

①論点抽出能力の欠如
②論点は抽出できたが、判例の規範・私見がなかなか思い出せず、思い出すのに時間がかかる
③論点抽出、判例の規範・私見は思い出せるが、うまく表現できない
④事案の特殊性に気づけない(判例との事案の相違、判例の立場で処理した場合の問題点、反対説による処理による方が妥当な解決につながる事案であり判例の射程が争点になりうるetc)

このうち、③については、まさに基本的な演習書を選択し演習「量」をこなせばクリアできるでしょう。「量」をこなし、③をクリアすれば、次は④に挑めばよいのです。

④については、過去問を出題趣旨・採点実感・上位合格者答案に照らし、何が問題となっていたのか(典型論点の抽出ではなく、事案の特殊性に着目し、出題趣旨が何を求め、上位合格者が何を記載し評価されたのかを採点実感をもとに検討する)を再度検討したり、複雑な問題を出す某塾の問題を解く等により解決できるでしょう。
また、①②③の問題はないのですから、知識量は十分ですし、表現力もある程度はあるはずです。だからこそ、基本書や百選解説、評釈類を読みこなし、法的思考力の更なる養成に努めれば、次年度の司法試験では上位合格につながると思います。

問題は①②の場合です。
これは単に問題演習の「量」をこなせばよいという問題ではありません。
①②に問題のある不合格者はその話を聞く限り、「答案構成40~50分の間を、論点抽出と判例の想起で時間を潰してしまい、時間ばかりが過ぎてしまっていた」という特徴があり、答案構成と言いながら、なにも答案構成できていなかったようです。

これは、基本書の読み込みの際に、本来「当該論点がどのような事実関係の下で、どのような文脈で、どの条文の適用に関し、どの文言が問題となるのか」を意識しなければならないにもかかわらず、論点名だけを覚えるといった勉強方法をしてしまったからだと思います。
条文と文言上の問題点だけを覚えているという人もいましたが、どのような事実関係の下で、どのような文脈で問題となるのか…を理解していなければ、本試験で覚えた知識を適切に活かすことはできません。

また、このような方々は百選についても、「判旨の規範部分のみを覚えた」といっていますが、それにどのような意味があるのでしょうか?択一対策にはなっても論文対策には全くなりません。
基本書だけで当該論点がどのような事実関係、文脈で問題となるのかを自分で考えるのは、勉強が進んでもなかなか難しいところがあります。
それに対し、百選は法的論点が生じた事実関係を端的にまとめ、それに対する判例の規範定立部分、あてはめを全て記載してくれています。
これは、上記意識の下に勉強する格好の素材です。
基本書と百選を併用することで、本来「当該論点がどのような事実関係の下で、どのような文脈で、どの条文の適用に関し、どの文言が問題となるのか」を意識することは、初学者であっても十分に可能になります。
だからこそ、百選は事案まで読み込み、理解する必要があるのです。

このような勉強を続けていれば、おのずと判例との相違点まで把握でき、④の問題解消にもつながるでしょう。

なお、勉強を開始したころは、百選解説が難しくなかなか頭に入らないですが、意地でも読み込んでいれば、勉強が進むにつれ、あとから百選解説はこのことを言っていたのかとわかることが多いです。なので、百選解説までよく読んでおけば、それは④の解消にもつながると思います。

今年の問題を例に話します。まだ問題を見ていない方で、先入観を持たずに解きたいという方は、ちょっと見ないでくださいね^^。

H25会社法設問2(1)では、106条に関する論点で多くの受験生は判例に従い共有物の管理に関する民法252条に基づく処理をしたと思います。しかし、他方で多くの受験生は設問3では新株発行無効事由を認め、その理由として非公開会社であることを意識した論述をしたでしょう。
しかし、非公開会社であり、かつ、株式会社の支配権に関する争いがある状況で、相続株式が支配権の帰趨に影響をもたらす恐れがあるならば、106条に関し共有者全員の合意を要求するのが江頭説であり、非常に有力な学説です。とすると、設問3で非公開会社性を強調しているのに、設問2(1)では非公開会社性を考慮せず判例にただただ従ってしまうのは、ちょっとした矛盾でが?という問題が生じると思います。
もちろん、設問2(1)のところで、全員一致を求めては会社経営上の支障が顕著であるという理由づけをしていればある程度は解消できうる問題ですが、江頭説はそれを考慮しても支配権の帰趨については慎重にすべきとの価値判断に根差すので、もう少し立ち入った検討をしなければならなかったのではないかと思います。
この点は私自身が最も悩んだ点だったのですが、会社経営上の支障以上に支配権の帰趨に関して慎重になるべきとの積極的な理由づけが思い浮かばなかったので、「会社経営が停滞してしまうことの不都合性を強調し、支配権に関する争いはそれに劣る」といったことを書いて、結局は判例の結論に従いました。


百選解説を読んでいれば、一見、百選掲載判例の論点を問うた問題のように思える問題でありますがが、実は非常に奥深い問題であったということに気付く可能性があります。
本試験問題は、このように奥深い問題であるからこそ、論点飛びつき型の人は点数をポロポロ落としてしまうのです。問題の全体を見ながら、全体的な答案の整合性・論理的一貫性を考慮すると、実は百選解説にある反対説の立場による方が、論理的で、説得的で、当該事案に即した解決に至ることもあるのです。

ここで、判例とは異なる結論でいいのか?という疑問が投げかけられると思うので先にお答えしますと…

「全然問題ないでしょう」

ただし、なぜ判例と異なる結論に至ったのかを示す必要があり、その際には、判例そのものを一方的に否定するのではなく、事案の特殊性=判例の事案との差異に着目しながら、「当該事案では判例と事案を異なり、~という特殊な状況にあるから当該判例の射程を及ぼすことは、~という理由から(例としては、「判例に従うと~という問題を生じさせてしまうことから」等)相当ではない。~という理由から、~という解決によるべき」というように、慎重な論述が求められます。


書いていて、最後の方は話が大分それましたね(笑)。

仕方ないのでタイトルを「+」でつなぎました、ご勘弁を><。


では、成績通知表が来るのを待ちます!




使用した問題集についての質問があったので、掲載しますね。
ちょっと、時間がないので書評はあとで追記ということにさせて下さい。申し訳ございません。

【憲法】
 事例研究
 ローインコンテクストイン憲法
 急所
【行政法】
 事例研究
 事案解析の作法
【民法】
 京大本
 事例から考える民法
 旧司過去問
【民訴】
 ロースクール民訴
 事例演習民訴法
 解析民訴
【会社法】
 京大本
 ロースクール演習会社法
 事例から考える会社法
【刑法】
 京大本
 事例から刑法を考える
【刑訴法】
 事例研究
 捜査法演習
 古江演習(興味があるところのみ)
【倒産法】
 ロースクール倒産法
 倒産法演習ノート22題
コメントが付いたので、記事にしてしまいます。
多くの方が見れるようにとの配慮なので、ご了承ください^^。

第一、採点実感の分析と答案へのフィードバック
 これは難しいです。上位評価につながる好例、下位評価につながる悪例は明確に書いてあるので、適宜自分の答案戦略術ノートにメモしていました。
 ただ、それを自身の答案にフィードバックするには、相当の時間がかかるかもしれません。というのも、自身の弱点というのは、無意識的に出てしまうもので、私自身自主ゼミで何度も何度も同じことを指摘されました。
そのような繰り返しを経て、受験記直前には無意識的に下位評価につながるミスがでないようになっていくのだと思います。つまりは、常に採点実感で+評価される点、-評価される点を念頭に置きながら答案を作成し、同じような意識で答案作成に臨む仲間とゼミを組み、お互いに問題点を指摘し合うことを繰返すことが、採点実感上+評価される答案に近づく最適な方法であり、採点実感を自身の答案にフィードバックする方法なのではないでしょうか。

第二、上位合格者答案集
 私は、100番以内の答案、500番台の答案、1000番台の答案、1500番台の答案、2000番台の答案には、それぞれそのような評価に至った『理由』が必ず存在すると思います。100番以内の答案と2000番台の答案は天と地ほどの差があるのは誰でも明白だと思いますが、100番台の答案と500番台の答案の間にも大きな差異があり、これは1000番と1500番の間にも同様だと思います。

例えば、

①問題の事実関係に照らした問題提起をしているか-問題提起の具体性
②問題の特殊性に気付いているか-典型事案との違いを意識しているか
③法解釈が正確か
④規範定立に至る論理が明白か-条文から出発しているか、明快な理由づけか、冗長ではないか
⑤事案の本質に気付いているか-論点同士の分量配分、一般論に終始した規範定立に至っていないか
⑥事実を適宜評価しあてはめているか-事実の列挙でないか、意味ある事実を確実に引用した上評価しているか
⑦事案解決の妥当性が図れているか
⑧判例・裁判例を意識しているか-判例の射程からの議論ができているか否か
⑨表現力が豊かか-稚拙な文章ではないか、接続詞は適切か
⑩事実関係に照らし、深い考察をしているか-典型論点の抜き出し論証貼り付けに終始しているか、事案の本質を見極めた議論を展開しているか

といった要素がざっと挙げられます。
これらの要素を赤や青で色付けして読んでいたわけではないですが、常にこのような点にどの程度配慮しているのかを意識して上位合格者答案を読んでいました。
すると、『なぜそのような順位に至ったのか』が徐々に見えてきます。
そうすれば、出題趣旨、採点実感の読み込みにより得た知識が、自身の答案にフィードバックしやすくなると思います。
ここまで分析できれば、問題文を見たとき、この事実関係は出題者が何らかの意味を持って記載したものだ→こういうことではないか→典型論点・判例とは違うぞ→違いに注目した論理を展開しなければ…という思考に至り、結果的に採点実感で+評価される答案に近づくと思います。

私自身、ルーティン的な作業が好きではないので、かなりアバウトな視点で分析をしてきました。そのため、少々わかりづらい部分が多いかもしれません。
そのときは、是非ご質問ください。

また合格者の方で、なにかご指摘があればコメントにてご指摘してください、よろしくお願いします。