町でいきがっていたチンピラ(綾野剛)がたまたまある暴力団の組長(舘ひろし)を助けたことで目に留まってヤクザの道に入る。そこから昭和の時代から映画やVシネなどでよく見た、切った張ったの抗争劇が始まっていくのだが、その主人公が刑務所に入って、刑期を終えて出てきた世界はそれまでとは全く異なる(ヤクザにとって)生きづらいものに変わっていた。


「ヤクザと家族 The Family」

監督・脚本:藤井道人

撮影:今村圭佑

出演:綾野剛、舘ひろし、北村有起哉、市原隼人、尾野真千子、岩松了、豊原功補、駿河太郎、磯村勇斗、寺島しのぶ、菅田俊、小宮山莉渚、前田公輝


これが今のリアリティなんだろう。映画を見た後、肩で風切って歩きたくなるような漢というか任侠の世界はもうどこにもない。


舘ひろしの抑えた芝居が良かったなあ。「あぶない刑事」シリーズのダンディ鷹山みたいな役柄とはまた違う色気があったよ。