僕は「会う」ことを躊躇していた。

 

言わずもがな、元恋人同士だ。

抵抗があった。僕からは言えなかった。

 

 

ずるい男だ。

 

 

元彼女から連絡を受けて、

最初の2ヶ月はLINEのやり取りだけだった。

 

10年も会っていなければ、

互いの近状なんて全く分からないわけで、

 

 

「結婚してるの?」

「今どこに住んでるの?」

「仕事は何してるの?」

「最近どうしてるの?」

 

 

最初は互いを確認しあう。

正直なところ、僕は歳を重ねただけで、

昔と変わらない生活を送っていたので、

自分の近状を伝える事に、少々抵抗があった。

 

けれど、

そんな事に嘘をついたってしょうがない…、、

 

 

「結婚してない。婚期逃したわ!!」

「今も〇〇に住んでるよ!!」

「コロナの影響で仕事ヤバイ!!」

「昔と変わらないよ!!」

 

 

自分で自分を「うだつの上がらない男だ」と思う。

彼女はなんて思うのだろうか、と胸が痛かった…

 

しかし、

僕の気持ちは彼女にはどうでもよかったらしく、

彼女とのLINEは弾んだ。

次第に僕の胸の痛みも消えていった。

 

 

僕と彼女は同い年。

現在、僕は未婚で、彼女は既婚。

彼女は地元に戻ってきているらしく、

今は専業主婦。

 

もちろん子供もいて、

 

「3人いるよ!」って。

 

「えぇ、3人も!?」…(;´Д`)!!!

 

僕としては軽くショックだったけど、

ちょっと、ほっとした。

 

 

今、幸せなんだろうなぁ

と思って。

 

 

“何かあったに違いない” なんて、

最初は思ってしまっていたけど、、

そんなことない様子だった……のは、

最初だけで(;´Д`)、、

 

 

 

1ヶ月程、LINEのやり取りをして

分かった事があった。

それは、、

 

・ほぼワンオペ育児

・夫が気持ちに寄り添ってくれない

・生活費が足りていない

 

LINEの文章をどっからどう読み返したって、

彼女に「今、とっても幸せだね!」とは

言えなかった。。

 

“何かあったに違いない” は

当たっていたのだった。
 

 

 

そして、その1ヶ月後、、

それなりに親密なLINEのやり取りをしていたら、

そのうち「会いたい!」って、

どちらかが言い出すに決まっていた。

 

 

 

「会いたい、会って話したい」

 

 

 

僕はずるい男だ。

元彼女と10年ぶりに会う約束をした。

 

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