「竈門神社」からコミュニティバス「まほろば号」に乗り込んで、今度は太宰府駅をスルー。
コミュニティバスなので、直線的に進むのではなく、
町中でお年寄りを拾いながら、のんびりと走っていきます。
「五条駅」のあたりをウロウロして、目的地に。
歩いたほうが早かったかも

でも、このあたりで今まで止んでた雨が、再度降り出しました
観世音寺


百済救援の為九州に下り、661年、朝倉橘広庭宮で亡くなった斉明天皇の菩提を弔うために、
天智天皇の発願により建立されたお寺。
764年に完成したそうで、当時は広大な七堂伽藍を有し、「府の大寺」と呼ばれたそうです。
こちらのお寺も事前情報無しで来たのですが、なんと、なんと、すごいお寺だったのです

まずは・・・
国宝の 梵鐘

奈良時代のもので京都・妙心寺、奈良・當麻寺の鐘と並ぶ、日本最古のものです。
そんな貴重な鐘が、境内にフツーに吊られておりますよ、すばらしいっ

雨の中、テンションが徐々に上ってまります

なんじゃろか、このお寺。
とてつもなくすごいお寺なのでは

で、
宝物館 で爆裂


受付のおじさん、気持ちよい状態
でおられましたので、起こして悪かったのですが、

受付けから宝物が展示されている2階にあがって、もう、最高の興奮状態に突入~

そこには平安期以降の仏像様たちが、どどーーーんと何体もおわしたのです

高さが5mくらいの仏像様も何体かおられて、それはそれは圧巻でございます。
なんか、京都の広隆寺の宝物殿みたいですね~
しかも、拝観してるのは私ひとり。
最高の贅沢やおまへんかーーー

「不空羂索観音立像」「十一面観音立像」「馬頭観音立像」
坐像では「聖観音像」「阿弥陀如来像」
「四天王像」や「吉祥天立像」「地蔵菩薩立像」などがおわします。
「大黒天立像」は袋は背負っていますが、全く太っていなくて、
忿怒の形相をし、なにやら哀愁を帯びた感じでした。
日本では福徳相であらわされる大黒天ですが、もともとは忿怒の形相で描かれるようです。
もう見る仏像、見る仏像、重文です。
いやぁ~思わず長居しちゃいましたよ~
受付のおじさんと少し話すと、先ほどの「光明禅院」のように、
ここもまだまだ知られていない穴場だとのこと。
観光客の中には、
「こんな素晴らしい文化財があるのに、何故もっと宣伝しないのか」という人や、
「これだけ素晴らしい仏像を、こんなにひっそり静かに拝めるところはない。
ぜひ、このままにして観光地化しないようにしてください」とかいう意見があるそうです。
住職さんはあんまり派手に宣伝はしたくないお考えだとか。
ほんと、超ビックリの九州随一の仏様の殿堂ですわ

そしてこの「観世音寺」のすぐ隣に、
戒壇院 があります。


761年、鑑真の開山。
「戒壇」とは、奈良時代、
出家者が正式に僧になるために必要な戒律を授ける為に設けられた施設です。
奈良の「東大寺」、下野(栃木)の「薬師寺」と共に、「天下三戒壇」といわれ、
ここ太宰府の「戒壇院」は「西戒壇」と呼ばれたのです。
またまた、そんな貴重なお寺があるなんて

さすがに昔の政庁があったところは違いますね。


鑑真和上の供養塔です。 鑑真が中国から伝えたとされる菩提樹です。
おお、ここでもゆっくりとしていたんですが、
そのうち雨足がますます強まってきました~

今日はまだまだウォーキングする予定、先を急ぎますぞ 


「戒壇院」のすぐ裏手、住宅の横に、 玄肪のお墓 がありました。
阿倍仲麻呂や吉備真備と一緒に遣唐使で中国に渡った人ですね。
帰国後権勢をふるいましたが、観世音寺に左遷され、政敵の霊に呪い殺されたそうです
ふりしきる雨の中、10分程歩いて、
太宰府政庁跡 に到着~

地元では「都府楼跡」と呼ばれています。
この地域は、アジア大陸の窓口という交通の要衝でり、
大和政権が朝鮮半島への軍事行動の要衝として、出先機関を設置しました。
660年に百済が滅亡し、663年、唐・新羅連合軍と「白村江の戦い」で敗れ、唐が倭へ攻め込んでくるのではないかという危惧から664年、大きな堤に水を貯えた水城を造りました。
水城は、東西から山地が迫っている山裾の間を塞いだ施設であり、
今日もその遺跡がこの近くに残っています。
昔はそういう場所だったのですね。
首都たる大和で失脚した貴族の左遷先となる事が多かったところです。
有名なのは菅原道真ですね。
歴史の重要な舞台であった「太宰府」。
今はその広大な土地が保存され、栄枯盛衰の歴史を静かに訴えかけているようです。


広大な土地に、碑が記されています。
この場所見る時は晴れていて欲しかった・・・_| ̄|○
古代の歴史にロマンを馳せながら、くまなく政庁跡を歩きましたので、もう ビショビショ

この雨の中観光してる人もオレしかいず・・・
晴れてて夕日の中の政庁跡なんかだと、もっと違った思いで楽しめたかも、です。
ざざぶりで、そんな余裕がなかった。

隣接する、 太宰府展示館 でしばし、雨宿り、休憩です。
雨はますます強まるばかり・・・
(つづく~)