「貸し株サービス」の話をしたけれども…
年金は「原則やらない」のに対し、日銀は流動性確保のために始めたということである。
外人は、景気後退を先読みして大きな売りポジションを築いていたが、日々解消中である。
年金と日銀が買い、企業が自社株買いで買い、いまや売り株不足である。
金融オンチのアホどもは、日銀や年金が買い支えているから上げているだけだから、それがなくなれば急落すると考えている。
「買い支えている」と言うよりは、「買占め」てしまっており、しかも「売る気」がない…
これが何を意味するか…ということだ…
また、中央銀行の思惑は、「買い支え」ではなく、「インフレ環境の維持」に主眼がある…
これがまた、何を意味するのか……ということである。
もうガチガチに株が下がらないように、糊付けしてしまっているような感じなのだよ…
だから、「すこしはポジションをとるように」と言ったのだ。
しかし、それでも下方リスクはある。
来年にかけて、少しずつ悪材料が積みあがっているように私には思えるし、
12月に入ってから、外人は買っては来ているが、マザーズやジャスダックは売り越している。
小型新興株は、個人が買っているだけ……なのである。
12月に入ってからは、国内勢が年金を筆頭に売り越しており、どうみたって”手じまい”に入っている感じである。
そして、一番問題なのは、決算で企業の見通しが下方修正されていることである。
単純計算で1750円ほどあった日経平均のEPSが、1650円へと、100円も減っている。
景気回復が、それだけ遅れているということである。
このことで、日経平均の想定レンジが変化したので計算しておきたい。
ここまで、景気後退入りということで、PERは12~14倍で、売買されてきた。
しかし、EPSは自社株買いもあって、変わらなかったので…
1750×(12~14)=21000~24500……のレンジで動いてきた。
それが、景気後退懸念の後退でPER14倍以上でも外人の買いが入っている。
みなが「景気回復期」と思って買ってくるのなら、PERは14~16倍と想定されるので…
1750×(14~16)=24500~28000……のレンジが予想される。
さあ…しかし、ここでEPSが1650円に落ちてしまったし、本当にレンジが切り上がったのかどうかも定かではない。
それで、上の計算を修正してみると…
① 1650×(12~14)=19800~23100……
② 1650×(14~16)=23100~26400……
…のようになる。
レンジが①になるのか、②になるのか、確定していくのはこれからなので、注意深く市場を観察していく必要があるだろう。
「上値が、26400円くらいまであるかもしれない…」
この可能性に、いくらくらい掛け金を積んでおくかということである。