MISA閉幕コンサート 余隆指揮上海交響楽団 | 上海鑑賞日記(主にクラシック)

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日時:2021年7月24日19:30~

会場:上海交響楽団音楽庁

指揮:余隆

演奏:上海交響楽団

チェロ:陳亦柏

ピアノ;張呉辰

曲目:

フィリップ・グラス:チェロ協奏曲

ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83

 

感想:

上海交響楽団による夏の音楽祭「MISA}の閉幕コンサート

この指揮者の演奏は現地の評価ほどには私はあまり好まないのだが、この時期にめぼしい演奏会も乏しく長期間音楽を聴けないよりはマシなので、開幕と閉幕の2つのコンサートを選んだ。

 そして前回の開幕の後、中間を飛ばして閉幕コンサートである。

一曲目は。アメリカの現代作曲家フィリップ・グラス氏のチェロ協奏曲。

 フィリップ・グラス氏はアメリカの作曲家で、まだ存命でミニマル・ミュージックジャンルとも言われるが本人は否定しているといわれる。

 今回の曲は2001年に作曲されたもので、もちろん私は初めて聴く曲である。

 演奏が始まると確かにミニマルと呼ばれる理由がわかるようなメロディ運びである。

 ミニマルミュージックとは小さなパターン化された音型を反復させるタイプの音楽で、コンテンポラリーなイメージのある音楽のジャンルである。

 淡々と静かな音楽の動きの中に心のざわめきのような音楽が続く。

 歌こそないが、チェロが人の心にゆったりと語りかけてくる音楽である。

 ただソリストこそまあまあ良い音を鳴らして頑張っているが、オケ側がこの曲の語り口を十分引き出しているとは言い難く、音運びが強すぎる印象である。

 フィナーレで音の振れ幅が広がり、クライマックスを迎えるが、このオケはちょっと吠えすぎていたような印象だ。

 初めて聴いた曲なので何が正解なのかはわかり難いが、指揮者の力加減さえよければもう少し魅力的に響いたような気がする。

 

 さて休憩を挟んでの後半はブラームスのピアノ協奏曲第2番である。

ソリストは若手の張呉辰さん。

 冒頭のホルンの入りは型どおりゆったりと入ってきた。

 ただピアニストの音の入り方がどこかぶきっちょだ。

 決してそんなに酷いわけでもないのだがどこかスマートではなく音楽が流れていかないのである。

 またそこを支えていくオケ側も、音として分厚さは得ているのだが、力点がおかしいのか変に力任せで音楽として響いていかない。

 この指揮者の演奏はいつもそうで、非常にパワフルではあるのだが、歌が音楽的ではないのである。

 指揮者・ソリストともども音楽のとらえ方がどこか西洋のそれとずれているのかもしれない。

 弦のアンサンブルとしてはかなり揃っているのに肝心な味付けがイマイチで、私が中国に来たばかりの頃にたくさんあったナンチャッテ日本料理のあの味の感覚に似ている。

 クラシック音楽には色んな解釈の基、色々な表現方法があっても良いとは思うのだが、いわゆるヒューマナイズ的な音の表現ができていない演奏はどうにも面白くないのである。

 結局そのまま演奏が終わる。

 またもや不完全燃焼で終わってしまったこの夜の演奏会であった。