上海高島屋 土曜日のミニコンサート | 上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海生活の合間に聴いた音楽や見たスポーツなどの記録を残します。

日時:2020年10月24日(土)17:00~18:00

会場:上海高島屋東南口エントランスホール

ヴァイオリン:掃部彰子(かもんあきこ)

ピアノ:太田瑞希(おおたみずき)

 

曲目:

エルガー:愛の挨拶

リムスキーコルサコフ:熊蜂の飛行

ドボルザーク:ユモレスク

バッハ:ガヴォット(パルティータ第3番 BWV1006より)

パガニーニ;24のカプリス

葉加瀬太郎:情熱大陸

バッハ:G線上のアリア

ヴェルディ:女心の歌(歌劇「リゴレット」より)

マスカーニ:間奏曲(「カヴァレリア・ルスティカーナ」より)

サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン

中国民謡:茉莉花

 

感想:

上海のオケに参加されている日本人の方が上海高島屋のミニコンサートに登場するというので聴きに行ってきた。

会場は特に大きく用意された空間ではなく、エントランスの一部に形だけのステージを置き、その上に電子ピアノとヴァイオリンの組み合わせで行われた。

 基本的にはヴァイオリンを主にした小曲のミニコンサート。

 さて、演奏が始まってみると流石にプロのステージに立っているだけあって、良い演奏をする。

 一つ一つの音の中にきちんと変化を付けて、色や深みがきちんと表現されている。

 まああえて言えば「情熱大陸」はクラシック畑のテクニックだけは捌くのに苦労していたようで、リズムがややぎこちなかったが、それ以外は申し分なかった。

 ただ伴奏の方は流石にヴァイオリニストには同じレベルに無いようで、水準は保っているが一生懸命ヴァイオリンについて行っているような印象だった。

 つまりその差を感じてしまうほどに、ヴァイオリンが良い音を鳴らしていたということになる。

 惜しむらくは、空間が音楽専用空間ではないため、PA(電気音響)で増強されており、その音がやや割れ気味に響いていたということである。

 理想を言えばPAを加えるにしても、極力アコースティックに聴こえるように抑えるべきなのであるが、届くことを優先したのか機材の幅が無かったのか、少し下品気味に音響増強されていたのが残念だった。

 そのくらいかのヴァイオリニストにとっては、百貨店の片隅で演奏は役不足なのである。

 まあ恐らくそんなことは本人もある程度わかっているだろう。

しかし何故ここで演奏する気になったかを考えると、中国でのオケの一員としての演奏、しかも中国人指揮者の下ではかなり勝手が違うので、自由に演奏できる機会が欲しかったのではないか、そう想像する。

 そんな裏事情の真意は分からないが、無料であのレベルに演奏を聴けたのはラッキーであった。

 時々このミニコンサートを聴いている人によると、今回のように人が多く集まることは珍しいらしく、それだけ魅力のあった演奏ということだろう。

 次は、しっかりとした空間で演奏を伺いたいものである。