The RoomのHPに
一通のメッセージが届きました。
日本に行くので
DJをやらせて貰えませんか?
と。
店長の
冨永陽介から
Donna Leakeをブッキングした
と聞いたのは
丁度一ヵ月程前の事だったかなぁ?
色んな人に
彼女をブッキングしたのは
沖野さんですか?
と訊かれたけれど、
僕じゃないですw
彼女が自らを売り込み、
冨永が決断しました。
僕は
彼女の名前は知ってましたが、
会った事もないし、
DJを聴いた事もなかったのです。
だから
選曲を聴くのが楽しみでした。
プレイ前に一緒に
食事に行き、
話の花が満開w
何故ジャズにハマったかに始まり、
NYに移住の計画があるとか、
お互いに自然が大好きだとか、
今回の来日で
危機一髪‼️な目に遭った失敗談も
(ここでは書けませんw)。
京都の楽器店で、
試し弾きを断られたので、
店主を説得し
(弾かなきゃ買うかどうか
決められないと)、
最終的には
店にいたお客さん全員と
セッションした!
なんて
素敵なエピソードも聞けました。
しかも、
僕がトイレに行っている間に
彼女が会計を済ませるという
緊急事態が発生‼️
勿論僕、
その代金を返しましたよ。
それにしても
ゲストに食事代払われるなんて
前代未聞。
僕がこれまでに
リリースして来た
アナログを10枚程見繕って
プレゼントしたので
そのお礼にディナーを...
と思ったらしいです(涙)。
二人でThe Roomまで
歩いて移動したんですが、
レコードバッグ4箱で来日とは
気合いの入り方が半端ない‼️
そして、
4時間たっぷり
彼女のプレイを堪能しました。
僕が知らない曲ばかりでしたね。
見事に被ってないw
彼女が最後にかけた
コルトレーン位かなぁ、
僕が判ったのは。
とにかく、
マニアックな曲で盛り上げ、
お客さんも大興奮。
噂には聞いていたけれど、
衝撃でしたね。
基本は
ジャズ。
パーカッシッヴな
民族音楽調の曲を大量投入し、
自然な流れに
オーディエンスが
引き込まれて行きました。
歌モノは少な目でしたが、
とにかく
演奏のテンションが高く、
クレイジーで
エキセントリックな曲を
どんどん投入。
アフロビートや
レゲエも織り混ぜ、
様々なリズムを
縦横無尽に紡いで行くのですが、
ベースラインが特徴的でしたね。
シンプルで
インパクトのあるベースが
彼女の個性と言っても
いいかもしれません
(ジャズにハマったきっかけは
チャールズ・ミンガスって
言ってましたからね)。
パーカッションやドラムは
ダンサブルなモノを基調にしつつも、
ベースで踊れる曲を
意識的/無意識的に
選んでいるんでしょうね。
使われている楽器の種類にも
配慮が出来ていたので、
遊びに来ていた
僕の元プロモーター、
Chick-Dに、
「彼女、絶対沖野さんの
『DJ選曲術』読んでますよ」
と言われました。
英語版ないから読んでないでしょ(笑)。
とにかく選曲が良かった。
誰も知らない曲を
ミックスせずに、
しかも、
変わり際に
上手く重ねつつ、
テンポを上げたり下げたりして
グラデーションを描いて行く。
ちゃんと
選曲に対して''旅''という感覚があり、
移り変わる様を
聴衆に楽しんで貰うだけでなく
自分自身も楽しんでいた...
やっぱり、
DJが
ブースでダンスしてるのを見ると
こっちまで嬉しくなりますよね。
女性で、
エッジな曲を連発し、
ディガーで、
4箱持ち込む本気の人で
自由に
踊りながらプレイし、
人間的にも
とってもチャーミングだから
そりゃ人気出るよなぁ。
女性に対する、
若者に対する、
ミックスしないDJに対する、
そして、
マニアックな曲に対する
考え方が変わります。
まさに、
目から鱗。
盛り上がりも凄かったけれど
売り上げも凄かった!
あ、
冨永に
食事代精算してもらうの忘れた...。
PS
The Roomを32年前に作ったんだよ
と伝えたら、
私の年と変わらない!
と言ってました。
先輩から学ぶ事の多い僕も
昨夜は
ドナにインスパイアーされました。
あの曲も
いやあの曲も使えるじゃないか!
もっとチャレンジしていいんだ!
と。
いやぁ、
恐るべき若手ですね。
若者に、
勉強させて貰いました。
ドナ!
またThe Roomで回してね。
そして、
また何処かの国で会おう‼︎
PPS
彼女、
自分のDJを全て録音して
プレイを聴き直すそうです。
そして、同じ場所で回す時
前回かけた曲は
一切使わないようにするんだとか。
PPPS
ドナに会った翌日、
早速大阪のイベントで
彼女の影響を
プレイに取り入れてみました。
*普段かけない曲を積極的に投入
*早い曲→半分の早さにテンポ・ダウン
*敢えて厳密なBPM Mixを止める
*なのでDJ中のテンポは
一貫せずにバラバラ
*DJの初期にやっていた
なんとなくな曲の重ね合わせ
*パーカッシッヴな曲大目に
何が起こったと思います?
選曲の自由度が上がりました。
サウンド・バーでやる感覚に
近かったですね。
長年やって来た
同一BPM曲を探して
Mixを封印する事で
違う景色が見えました。
何だろう、
違うテンポを混在させる事で
シーケンス(潜在的テンポの連続)
によって
オーディエンスを誘惑するのではなく
(それはそれで有効なスキル)
一曲一曲の
個性をフロアーに提案して
同意を求める...みたいな。
決して前後の関連性を
疎かにする事なく
微妙なテンポの変動の中で
踊る人のモチベーションを
抱き抱えて
揺らして行く
とでも言えばいいのでしょうかね。
(セルメン特集タイムや
KJM曲連発タイムもあって
自分らしさは出しましたw)
後輩からも
学べる事はあるんだなと。