The Room25周年に寄せて | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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訳あって京都でくすっぶっていた僕は、

高校時代の友人に上京を勧められ、

ひょんなことから東京でクラブを始めることになった。

 

The Room誕生秘話その1

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11406913879.html

The Room誕生秘話その2 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11407193918.html

The Room誕生秘話その3

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11407925677.html

The Room誕生秘話その4 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11408163345.html

The Room誕生秘話その5 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11408175322.html

The Room誕生秘話その6 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11408211398.html

The Room誕生秘話その7 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11411875762.html

The Room誕生秘話その8 

https://ameblo.jp/shuya-okino/entry-11412608791.html

 

あれから25年。

色んなことがあった。

 

プロミスでお金を借りた。

契約を決めて1週間でオープンした。

Mondo Grossoの大沢君が最初のバー・カウンターを手作りしてくれた。

初めての大晦日はこともあろうに帰郷していて店に電話をかけたら来場者は8人しかいなかった。

だからもって1〜2年かなと思っていた。

来た人全員と友達になることを決意し売り上げが45度の角度で向上した。

週末のレジデントDJだった鄭秀和君を呼び出し土曜に200人じゃ少ない!なんてミーティングをしていた。

中国人の窃盗団に売り上げを盗まれたこともあった。

マリオ・テスティーノが遊びに来てくれたことがあった。

スカーレット・ヨハンソンを連れて行くのに店に電話したら休みだったこともあった。

ケニー・ドープが世界で一番好きなクラブだと言ってくれた。

600万で作ったけど10億は売り上げた。

10億売り上げたのに10億2500万使った。

一緒に店を作った友人が水死した。

もう一人の友人は行方不明に。

先代のオーナーが病死した。

開店時は出資者の1人だったけど10年前に買い取った。

それから10年間ずっと赤字だった。

あの立地で赤字出すって「お前商才ないな」と友人にバカにされたこともあった。

考え方を変えて趣味でやっていると言うようになると「お前偉いな」と尊敬されるようになった。

震災の後本気で閉店しようと思った。

それからずっと年末になると続けるかどうかを考えるようになった。

そして25年目の今年なんとかプラス・マイナス・ゼロにすることができた。

脱クラブ宣言してタマリバ化もした。

でもタマリバこそが僕の考えるクラブだと信じている・・・。

 

生きていれば色んなことがある。

嬉しいことも辛いことも。

 

ある日のことだ。

サイモン・リッチモンドというミュージシャンが遊びに来てくれた。

赤字で大変なんだ・・・という僕の弱音に対して、

彼はこう言ってくれた。

 

「シューヤ、続けられることが成功なんだよ」

 

成功。それは有名になったり大きな利益を産み出すことだと思われている。

しかし、僕にとっては別の意味を持つのだ。

 

既に、店長の佐藤に任せっきりになって随分時間が経つけれど、

最近は店に行く度に作って良かったなぁと思う。

 

店を守ってくれているスタッフに感謝。

かつて働いてくれたスタッフに感謝。

一緒に店を作ってくれた仲間に感謝。

The Roomで回してくれたDJに感謝。

そして、

The Roomに遊びに来てくれたお客さんに感謝。

 

僕はラッキーだと思う。

多くの人に支えられ、

The Roomを続けられている。

 

ありがとう。

本当にありがとう。

いつか終わりが来る時まで

この感謝の気持ちを忘れないようにしたいと思う。