行列に並ぶ心理 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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昔、
友達と老舗のお好み焼き店に行った時の事。

創業、うん十年とかで
行列が出来てた訳ですよ。

なんと、
1時間半待ち。

僕、
行列に並ぶの嫌いなんですけど、
凄く騒がれてた有名店だったのもあったし、
やっぱり
関西出身なんで
どれ程のものか確かめてみたかったんですよね。

店舗は古い日本家屋で
その店構えからして
タダモノ(人じゃないけど)じゃない雰囲気。

ようやく
僕達の番がやって来た。
靴を脱いで
一段高い畳の部屋に上がる。

ところが、
そこには
驚くべき光景が・・・。
































































なんと店内が静まり帰っているのだ。
超満員なのに、
誰一人
言葉を発していない。


それどころか
困惑の色を隠せず、
皆が
他のお客さんの顔色を伺うように
店内を見回している。

僕は、
頼んだお好み焼きが
テーブルに運ばれ、
一切れ食べた時、
このおかしな状況がもたらされた
理由を即座に理解した。

不味い!

あんなに不味いお好み焼きは
生まれて初めて食べた。

おそらく
皆がそう思っていたのだろう。

でも、
メディアが大々的に取り上げ
何十年も繁栄しているのだから
不味いと思ってるのは
ひょっと自分だけ?
という不安に襲われる。

いや、
これが本当のお好み焼きの味で
自分の味覚が間違っているんじゃないか・・・。

これを美味しいと思えないと
せっかく来た意味がないじゃないか。
1時間半も待って、
高い金を払って・・・。

そんな事考えると
誰も喋る余裕なくなるよね。

それに、
静かなもんだから
「これ、ダメじゃない?」
なんて言おうもんなら
皆に聴こえてしまう。

そこで、
又、
皆に感覚疑われるのも怖いし・・・。

殆ど
相互監視の世界(笑)。

えっ全部食べたか?

勿論
残しましたよ。

そして、
とっとと店を出ました。

その時の
皆の顔が忘れられません。

呆気に取られ
僕達の行方を
大勢の視線が追いかける様を。

なぜ
僕がこんな話をするのか?

行列に並ぶ心理は理解できるけれど
本当にそれでいいんですか

皆さんに問いかけたいからです。

騒がれてるから
凄いに違いない
って考え方でいいの?


自分で判断しようよ。

誰もいいって思ってないものの中に
お宝が眠ってたりするよ。

少なくとも、
騒がれてる理由は何かと興味を持つのは
いいと思うけど(僕も結構そうなんで)、
自分に合わないと思ったら、
拒否しようよ。
皆はいいと思ってるけど
自分は認めない、
ってアリでしょ。

無理して他人に合わせる事ないし。


人と違う事が不安なんでしょうけど。

何か
持てる人はさらに持ち、
持たない人はさらに奪われてる気がするんですよね。

インターネットって
世界をフラット化するとか
価値観を更に多様化させるなんて言われてたにも関わらず。

でも、
そういう風潮に拍車をかけてるのは
実は
その状況を望んでない人だったりする。

売れてるから凄いとか
お金持ってるから凄いとか
フォローされてる数が多いから凄いとか
数でしか価値を判断できないって
淋しくないですか?

そのツケは自分に回ってくると思う。

不味いお好み焼き喰わされるみたいに(苦笑)。