安藤美姫 動画ニュース | フィギュアスケート研究本

フィギュアスケート研究本

フィギュアスケートの未来を考える同志が集う場所です



every Miki

安藤美姫 成功率10%跳んだ/フィギュア

<フィギュアスケート:東日本選手権兼ソチ五輪第2次選考会>◇4日◇群馬県総合スポーツセンターアイスアリーナ

 五輪への望みをつないだ。ショートプログラム(SP)で13位と出遅れていた元世界女王の安藤美姫(25=新横浜プリンスク)が、フリー1位の105・24点で合計147・21点として11人抜きの2位。上位5人が得るソチ五輪最終選考会の全日本選手権(12月、埼玉)への進出を決めた。今後は欧州で試合と練習を積む予定。4月の女児出産を経た挑戦は、いよいよ最終関門に進む。

 成功率は10%-。

 安藤は決断を迫られていた。不振だった3回転ルッツは「10回に1回降りられるかどうか」。前日のSPの直前まで、恩師の門奈コーチと話し合いを重ねた。「回避した方が良いんじゃないか」。その提案に思ったのは「次につなげるのが大事だけど、それだときちんと向かっていく姿勢になってないんじゃないか。自分に向き合いたい」。

 前日のSP。決意も固く跳んだジャンプは、回転不足になりながら何とか降りた。ただ、フリーは演技時間が2分50秒から4分に。冒頭のルッツで転倒すれば、体力的なダメージは計り知れない。ボロボロになってソチへの道が閉ざされる可能性もある。SPで13位と出遅れた落ち込みは激しく、リスクは大きい。

 「国内で最後の演技になるかもしれない。自分が決めたこと。弱気で逃げたくなかった」。決意した。「もう1度競技者として演技を見てほしい」と出産後に復帰を決めたのは自分。だから、攻めにいった。

 本番にかけるため、早朝練習を回避。演技直前の6分間練習でもジャンプは6回だけだった。体力を温存し、そして3回転ルッツを跳んだ。右手を少し氷に触れながらなんとかバランスを保った。「成功率10%」を勝負どころで決めた。さらに強気は続く。「逃げたくなったけど、3個ジャンプを後半でやる意味がある」。基礎点が1・1倍になる後半に3連続ジャンプも決める。「火の鳥」の音楽が盛り上がる最後のステップに、1500人超満員の会場から「ゴーー! ミキ」の声。「声援が後押ししてくれた」と感謝した。

 不安視された体力は「むしろ足の筋力の低下が問題だった」。持久力の低下が終盤のスピード感を奪っていた。10月の関東選手権後、陸上トレーニングをほぼ毎日1時間。氷上練習では、その分の筋肉痛、疲労の蓄積に苦しみながら調整を続け、「足の動き方が違った」と成果もつかんだ。

 これで全日本選手権に歩を進めた。ただ「五輪に出られるレベルにはない」。優勝が必要と考えているだけに、この得点では勝負にならないと理解する。今後は欧州で試合と合宿を張る。「いまのできる限りが出せれば満足」と話すにとどめた最終決戦まで、あと1カ月半。崖っぷちでつないだ希望を、力に変える。【阿部健吾】

 [2013年11月5日9時17分 紙面から]

$フィギュアスケート研究本

女子フリーで華やかな演技を披露した安藤(撮影・河野匠)




↓いつも、ありがとうございます。


人気ブログランキングへ