鈴木明子 来季、有終の美を飾る……。 | フィギュアスケート研究本

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鈴木明子、「悔しさ」実感で蘇る4年前の記憶
GPファイナル・女子シングル


2012年12月13日(木)スポーツナビ

■鈴木だけが違った、GPファイナルの位置付け

 1年2カ月後に冬季五輪が行われるロシア・ソチの「アイスバーグ・スケーティング・パレス」。今回、その五輪会場を舞台に行われたグランプリファイナル2012は、多くの選手にとって、五輪のプレ大会の位置付けだった。本番に向け、会場の雰囲気、氷の質、ウォーミングアップの場所などを確認し、練習でイメージできるようにするためだ。

 しかし、鈴木明子にとっては違った。
「五輪までの現役をはっきりと宣言していない私にとって、ソチの会場に行ってみて、自分に何らかの変化があるのか、何も感じないのか、分からない。どんな気持ちになるのか楽しみだし、感じたことを大切にしたい」
 そう心に秘め、ソチの氷へと降り立った。

 今季の前半は、ショートプログラム(SP)に手を焼いていた。映画「キル・ビル」のテーマ曲を使った、力強さを前面に押し出すプログラム。「強い女を演じたい」と振付師に曲選びをお願いし、決まった曲だったが「まさか私がキル・ビルをやるなんて思ってもみなかった」と鈴木。映画の主人公は女性だがフィギュアスケート界では、男子選手が選ぶことはあっても女子選手が使うことのあまりない、硬質な力強い曲調だ。「曲の強さに自分が負けてしまうところがある。自分の強さと曲の強さが合わさったときに、本当の強さが際立つプログラムになると思う」と言い、素のままではキル・ビルの世界観を創り上げることができず、難しい挑戦だった。

 結局、シーズン前半のスケートカナダ、NHK杯は、2戦ともに、ショートはジャンプミスがあり5位発進。NHK杯のビデオを見返すと、鈴木は自分の演技が、自分が感覚で思っているのと違って見えていることに気付いた。
「何だか自分から出ているもの、目線などに自信のなさがある。自分のやろうとしている演技と、お客さんから見た演技にズレがあるという感じ。ファイナルはお客さんをよーく見て、強い気持ちでいこう」

■工夫が実ったSP「自分らしく滑ることができた」

 その決意の効果は、SP当日の6分間練習で現れた。このプログラムで一番の見せ場は、やはりステップシークエンス。途中、ジャッジ席に向かって立ち止まりにらみ付けるシーンは、目ヂカラをふんだんに使いたいところだ。すると、6分間練習でステップをして、「さあにらみ付けよう」と止まったところ、目の前にいたのは、時間を計測する係員だった。

「ジャッジの目の前だと思ったらあらって感じ。そこでアピールしても何にも点が変わらないじゃない、って。それで本番は調整して、ジャッジの前で止まってアピールしました」
 なんとも可愛い、そして、したたかな工夫! 結果、鈴木は力強い演技で、首位の浅田真央と2点差以内の僅差で3位発進となった。

「2試合ともショートで出遅れて、自分でも苦手意識が高くなっていたんです。でも、NHK杯でジャンプに大きなミスをしてしまって、もう吹っ切れた、怖いものはない、攻めようって思ったら、自分らしく滑ることができました」
 と笑顔を見せた。

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今季苦しんでいるSPだが、NHK杯の失敗で「吹っ切れた」と話す鈴木。GPファイナルの出来には笑顔を見せた【坂本清】

■悔しさが残るFSも「次につながる」演技に

SP好調で迎えたフリースケーティング(FS)。冒頭の3連続ジャンプや「ダブルアクセル+3回転」をクリーンに決め、最高の出だしを切った。ところが3回転ルッツが1回転になってしまうと、そこから歯車が狂う。滅多に転ぶことがないフリップ、ループともに転倒し、力を発揮しきれなかった。結果としてはFS3位に踏みとどまり銅メダルを獲得したが、笑顔はなかった。

「悔しい、の一言です。ミスを引きずらない練習をしてきたはずなのですが、ルッツが1回転になってから、気持ちの切り替えができずに焦ってしまい、修正ができませんでした。もう1回滑りたいくらいの内容……。でもこれが次につながるんだと思います」
 と唇をかんだ。

 実はこの時、同じような体験の記憶が、鈴木の脳裏に浮かんでいた。バンクーバー五輪のテスト大会として、五輪会場で行われた2009年の四大陸選手権。やはりどの選手も五輪の準備として臨んだが、鈴木はSP9位、FS8位で総合8位。納得のいかない結果がバンクーバーへの置き土産になり、悔しさをバネにして五輪出場をつかんだのだ。
「なんだか、バンクーバー五輪前の四大陸選手権とかぶってますね。ふふふ。でも多くは言わないでおきます」
 4年前と同じく五輪宣言! とまではいかなかったが、心に何かしらのインスピレーションはあった様子だった。

■五輪を目指すかは「内緒です!」

 翌朝、エキシビションの公式練習で再び五輪会場の氷に乗った鈴木。滑る喜びで心がいっぱいになったという。
「やっぱり私はスケートが好き。まだまだ滑りたいって思ったんです。悔しさを感じているから、まだ現役を続けられるんだな。悔しさを感じなくなったときこそ、自分が辞める時なんだな、と。だから自分らしく進んでいくステップの試合になりました」

 そして、五輪への気持ちは変化したか? と聞くと、こう答えた。
「いろいろ感じるものはあります。でも自分の中にしまっておきます。内緒です! 今年は自分のプログラムをすごく好きと言ってくれる人が多くて、それが励みになっています。だからまずは、このプログラムをもっと良いものに育てていきたいんです」

 来季の五輪を目指すかどうかは、今はまだ分からない。ただひとつ言えることは、今季が最後にしろ、五輪が最後にしろ、鈴木が悔しさを感じないくらいに心の底からやりきったと思える、最高のパフォーマンスが現役最後の演技になるということだ。

<了>

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五輪への挑戦について言及を避ける鈴木だが、ソチでのGPファイナルに出て、何かしらのインスピレーションはあった様子 【坂本清】

明子、来季で引退 ソチで有終の美…フィギュア

 フィギュアスケート世界選手権代表となった鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=が24日、14年ソチ五輪の行われるシーズンを最後に第一線を退く意向を示した。今月上旬にロシアで開催されたGPファイナル(ソチ)に出場した際に決断。「やる価値のある挑戦だと思った」と、ソチ五輪を現役最後の舞台に決めた。

 これまでは厳しい練習に耐えられるだけの覚悟がなく、五輪を目標に掲げられなかった。それが、五輪の舞台に行って「またここに戻ってきたい」と思い立った。長久保裕コーチ(66)には「あと1シーズンやってスパッとやめます」と、コーチの誕生日の14日に手紙で決意を伝えた。

 全日本選手権はSP首位もフリーを失敗し、4位と表彰台を逃した。試合後、大泣きして気持ちを切り替え「ジャンプが跳べないと自分の滑りができないと感じた」と基礎から見直す考え。目指すはソチで最高の演技をすること。そのために一歩ずつ歩を進めていく。

 ◆鈴木 明子(すずき・あきこ)1985年3月28日、愛知・豊橋市生まれ。27歳。名古屋経大高蔵高から東北福祉大を経て、邦和スポーツランド所属。6歳から競技を始め、09年中国杯優勝。10年トリノ五輪8位、世界選手権11位。11年NHK杯優勝。全日本選手権の最高成績は09年の2位。161センチ、48キロ。血液型A。

(2012年12月25日06時03分 スポーツ報知)

明子 来季の引退を表明…ソチ五輪へ「やる価値がある挑戦

 フィギュアスケート女子の鈴木明子(27)=邦和スポーツランド=が24日、ソチ冬季五輪がある来シーズン限りで引退すると表明した。「現役はあと1シーズン。(五輪は)最後のチャンスと考え、やる価値がある挑戦だと感じた」と語った。

 ソチで開催されたグランプリ・ファイナルを経験して「ここ(ソチ)に戻りたい」と決意し、長久保裕コーチにもう1シーズンの指導を依頼する手紙を渡したという。全日本選手権は4位だったが、来年3月の世界選手権代表に決まり「一つ一つ基礎から見直したい」と後半戦に向けて修正を誓った。

[ 2012年12月24日 18:50 ]スポニチ

明子 ソチ五輪を集大成に…来季限りでの現役引退表明

エキシビション「メダリスト・オン・アイス」

 大ベテランの覚悟は決まった。全日本選手権4位だった鈴木明子(27=邦和スポーツランド)が、来季限りでの現役引退を表明した。今月上旬のファイナル後に、14年ソチ五輪を目指すことを決意。長久保コーチの66歳の誕生日だった今月14日に、プレゼントとともに「あと1シーズンでやめます」と書いた手紙を送っていたことを明かした。

 今季は練習でジャンプの不安を解消できないまま試合に臨み、好不調の波が大きい。昨季は銅メダルだった世界選手権では、さらに上位を見据える。「プログラムの完成度を高めて、もっともっと魅せられるスケートをしていきたい」と気合を入れていた。

[ 2012年12月25日 06:00 ]  スポニチ

鈴木明子、来季限りでの引退表明

2012年12月25日デイリースポーツ

 フィギュアスケートの全日本選手権の女子で4位に終わった鈴木明子(邦和スポーツランド)が24日、来シーズン限りでの引退を表明した。前日の会見で14年ソチ五輪挑戦を正式に表明。長久保コーチには「あと1シーズン、付き合ってください」と話した。28歳で迎える五輪に向け「葛藤はあったけど、やる価値がある挑戦だと思う」と、完全燃焼を誓った。

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エキシビションで演技する鈴木明子


あっこさんはソチ五輪を目指すと決めたと同時に、引退も決意してしまいました。

ソチ五輪を目指してくれるのは嬉しいですが、少し寂しいですよね。

年齢的な事を考えると、最後の挑戦をし、そしてやり切っての現役最後は妥当であり、見ている者にとっても、納得できる結果だと思います。

ラストまで、後少しです。

悔いのないように、全力で駆け抜けてほしいと思います。



↓素敵な演技を最後まで、魅せていただきたいです。o(^▽^)o


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