浅田真央の強さ 全日本選手権優勝 | フィギュアスケート研究本

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2011.12.26. news every. 浅田真央 mao ASADA

フィギュアスケート】全日本選手権優勝で見せた浅田真央の本当の強さ

[2011年12月26日(月)]

辛仁夏●文 text by Synn Yinha
中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

「今回も一番近くに(母が)いるような感じがしたので、何も報告しなくてもわかっていると思います」
 12月9日に急逝した母、匡子さん(享年48歳)にどんな報告をしたいかと問われると、浅田真央はこう答えた。ショートプログラム(SP)2位からの逆転で、2年ぶり5度目の優勝。悲しみを抱えて出場した全日本選手権で、亡き母に最高の贈り物となる結果を残した。
 
葬儀翌日の13日から、全日本に向けて練習を再開。母危篤の知らせにGPファイナルを大会直前に欠場して急遽カナダから帰国してから、わずか4日間しか休まずにリンクに戻った。
「試合が近づくにつれて、毎日練習で忙しく、ご飯を食べて練習して、という繰り返しで、余計なことを考える時間もなく、試合に向けて”やらないと、やらないと”という思いが強かった」
 
深い悲しみを受け止めながらも、沈む気持ちを奮い立たせてくれたのがスケートだった。「スケートをやることで、気持ちをしっかり持つことができた。スポーツ選手としては、今やるべきことをしっかりやろうと思った」と、トップアスリートとしてのプライドをのぞかせた。
 
「今回はいつもとは違う状況だった」と心境を吐露した浅田にとって、見守ってくれるファンの応援や励ましも背中を後押ししたに違いない。

佐藤信夫コーチも、予想以上の演技内容に、「今まで経験のない様々なプレッシャーのかかる中で、急激に練習を再開して筋肉痛になることも。焦る気持ちからくる練習量の増加を調整したりしてきた。私も正直どうなるかなと心配していたが、日ごろからあれだけコツコツ、真面目にたゆまぬ努力を継続していたから身体が動いたのだと思います」と、フィギュア界に君臨し続ける浅田にあらためて脱帽していた。

 この全日本でも、武器であり代名詞でもあるトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を封印した。公式練習ではこれまでになく調子が良く、浅田自身も「回転も入ってきた(回るようになってきた)」と言うが、「まだ完璧な状態にはなっていないので、今のルールでは減点対象になるから、総合的な判断でダブルアクセルでいくことにした」(佐藤コーチ)という。

 SPは「やるべきことはしっかりとできてフリーにつながる」及第点の演技で、1位の村上佳菜子に0.16点差の2位につけた。迎えたフリーでは、スケーティングにスピードもあり、ジャンプにもキレがあった。後半は、苦手なサルコーと得意なループで3回転が2回転になる「すごく悔しい」ミスをしたが、最後まできっちりとまとめた。
 観客のスタンディング・オベーションの中で演技を終えてフィニッシュ・ポーズで天を仰いだ浅田は、静かに目を閉じて息を吸い込み、そしてふーっと吐き出した。その姿は「真央はやり遂げました」と、亡き母へ語りかけたようにも見えた。
 
誰よりもそばにいて、よき理解者であり、厳しいコーチであり、あらゆる面でサポートをしてくれるマネージャーであった母の死から2週間。浅田真央を小学生のときから取材してきたが、あらためて感じるのは、芯の強さを持った女性だということだ。

幼いころから注目され期待される中、驕ることなく、謙虚な姿勢でスケートに取り組み、メディアに対しても態度を変えることなく受け答えをしてきた。スケート選手としてはもちろんのこと、人間としてもここまで人々から愛されるのは、両親や指導してきたコーチら周囲の大人たちが厳しく愛情を持って育ててきたからだろう。

 今大会は最後まで笑顔を忘れず、ミスなく滑ることを目標に掲げたという。佐藤コーチとともに地道に積み重ねてきた練習の成果も少しずつ表れてきた。その結果が、今回の優勝に繋がった。
「いつもと違う状況の中で、フリーはいつも通りの演技ができたかな。2011年を優勝で締めくくれてすごく嬉しいし、(母も)喜んでいると思います」
 
匡子さんの体調が悪くなっていった昨年から今年にかけて、20歳になった浅田は、母から促され、そして自分からもすすんで独り立ちの時を迎えていたようだ。運転免許を取得して自ら運転して1人で練習場に行くようになり、コーチの言うことに耳を傾けて「最大の武器であるトリプルアクセル」にもこだわらなくなった。病状が悪化する母の負担を少しでも減らし、しっかりと大人に成長しつつある姿を早く見せたかったのかもしれない。
 
21歳と、まだ大人の入り口にいる浅田真央は、これからどんな成長を遂げていくのだろうか。

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フリーで表情豊かな演技を見せた浅田真央

浅田選手の強さが、一段と際立った大会となりました。

本当に、よく頑張りました。(^∇^)

頑張っているのは、いつもですが、今回は特にですよね。

来年も素敵な演技を見せてくれると思います。



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