~ジョニー自伝より~
↓この記事の続きです。
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ジョニー自伝 ペアの話
ジョニーは、スケートを始めて6か月で、ダブルジャンプの練習をしていました。
他の母親が、ジョニーが上手すぎると感嘆し、習い始めたばかりだとは信じてくれませんでした。何か秘密があるのではと疑ってしまうくらいでした。
9月には、ピッツバーグで行われる、全米ジュニア選手権の予選に出る予定でしたので、3か月の間に、スケート連盟が規定する8つの試験にパスし、試合に出る資格をとらなくてはなりませんでした。
戦いに備える為に、地元の小さな試合には出ていました。いつも大差で勝っていました。
しかし、ジョニーは大きな試合で、いつもと同じように滑れるだろうかと心配していました。
それは地元では、数少ない男子スケーターでしたので、みんなに大事にされていたからです。
そんな中、全米ジュニア選手権の予選に出る為に、ピッツバーグに向かいました。
ペアの相方ジョディ・ルデンと一緒に、うち合わせ通り、色違いのタートルネックセーターを着て、車の中で、はしゃいでいました。
本格的な遠征――大人みたいにホテルに泊まり、食事をできる事が楽しみで仕方がありませんでした。
しかし、楽しかったのは束の間、会場に着くと、人の多さに唖然としてしまいます。
今までの試合の2倍以上の人数が参加していました。実力もレベルの高い選手が集まる場所で、最難関でした。
また自分より体格の良い男の子を目にして、気分が下がってしまったようです。
ジョニーが参加したジュブナイル部門は、幼い子供ばかりでしたが、運の悪い事に、滑走順が最終グループの一番最後となってしまいました。
これが拷問以外の何ものでもなかったと、ジョニーは形容しています。
それは、次から次へと滑る選手を見て、観客の嵐のような拍手、また失敗した時の声などを聞き、震え続けていなくてはいけないからです。
自分の滑る最終グループの6分間練習が終わるころには、吐き気がしていました。
ジョニーはリンクから上がると、ロビーに向かい、母親にアイスクリームが食べたいと言いました。
母は直ぐに売店を探し、バニラアイスを買ってきてくれました。ジョニーは、一口、二口、アイスを食べると、リンクに戻りました。
プリシラコーチにリンクに連れて行かれたジョニーは、青ざめたままでした。
最悪の気分で、何でこんな事をやりたいと思ったのか……、また愛馬を売ってしまったので罰があたったのだとか……、6か月しか練習していないのに、こんな試合に出させるなんて……等、頭の中がぐるぐるとしていました。
我に返ったのは、パートナーのジョディの声援でした。
我に返ったジョニーは、観客席を見ました。ジョディといつものスケート仲間、その親たちが、自分を応援してくれていました。
曲が流れ始めたので、ジョニーは自分にできる事をしました。
全てを無事にこなし、ジョニーは1位となりました。(ジャッジ全員が1位を付けてくれました。)
そして、ジョディと出たペアでも、ジャッジが全員1位を付けてくれ優勝しました。
こうして、二人とも、全米ジュニア選手権の出場権を手に入れる事ができました。
ジョニーは、この試合で勝てた事で、自分も思っていた、またみんなが言う通り、自分がスケートが上手いのだという事を実感できたそうです。
ジョニーは、この先も、こんな風に順調に、もの事が進むと思っていました。
しかし、ジョニーもこう表現していましたが、待っていたのは不快な現実でした……。
こちら、1997年、ジョニーとペアパートナー、ジョディとのツーショットです。
ジョニーと彼女は良く似ていたそうです。
頑固な性格や、やる気旺盛で、思った事は口にする所も……。
そして、黒髪に、色白で小柄と、容姿も似ていたと、ジョニーは書いています。
確かに、写真を見ると、よく似ていますよね。(^∇^)
ジョニーの才能ぷりには、関心させられます。
しかし、実力とは裏腹に、ジョニーは、その力を最大限に発揮できませんでした……。
それは、また続きで……。
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