フルショットとアプローチの決定的な違いは左手首の使い方。
最も簡単に言えば、フルショットは左手を掌屈して使い、アプローチでは左手を背屈して使う。
フルショットでは左手グリップを掌屈しやすいよう、アドレスではややスクエア気味に握る。一方でアプローチでは左手グリップを背屈して構えられるよう、グリップはややストロング気味に握る。
フルショットのテイクバックは左手の掌屈から始動し、トップでは左手首がダスティン・ジョンソンやコリン・モリカワのように大きく掌屈するか、少なくとも左腕と左手がフラットな関係になる。
アプローチのテイクバックはアドレス時にできている左手背屈の形をキープしながら、手首は何もせずにクラブヘッドは上がっていき、トップでも左手首は若干背屈したままになる。
ダウンスイングからインパクトに欠けても、フルショットでは左手を掌屈したまま、ハンドファーストに打つが、アプローチでは左手を背屈したまま、ソールを滑らせるように動かしてインパクトを迎える。
フルショットとアプローチの左手の使い方は言葉にするとこのように全然違うのだが、ただ見かけは左手を手のひら側に折るのか甲側に折るかはわずか数センチの違いでしかないので、多くの人はその重大な違いに気がついていない。
もちろんフルショットで左手を背屈して使う打ち方もあるし、アプローチで左手を掌屈する打ち方もあるが、どちらも現代ではポピュラーな打ち方としては評価されていない。