新・極楽日記 第6話~第9話 まとめ読み | ちょっと笑えるお話@しゅんちの極楽日記

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第6話「プールのおばちゃん達」

 

しゅんちはジムに通っている。
10代の頃は食べても太らない体質だったが、30辺りから食べた分はちゃんとお腹周りに肉が付くようになり、35を過ぎると食べた物量以上に体重が増える気がするようになり、40を過ぎた頃には


空気を吸うだけで太る気がする。


これは少し絞らなければライザップのCMのビフォアだけ出れそうな体型になってしまうと焦り始めたのである。

しかし、以前もジムには通っていたことがあり、それなりに痩せたもののその先に何かあるわけでもなく目標を見失いやめてしまったのだった。

今回の目的はとにかく続けるということである。
ガンガン鍛えて痩せるのではなく、緩めのトレーニングで健康維持が目標である。
そしてビールや唐揚げなどを罪悪感無く飲み食いできる事が最大の目的である。

こうしてしゅんちは以前も通っていた事のあるジムに入会をしたのだった。
会社から近く、通いやすくて料金が安いからという理由である。

スポーツジムというと、爽やかなスポーツマンか筋肉ムキムキのアスリート達がひしめき合っているイメージを抱くかもしれないが、

 

しゅんちの通うジムは



おじちゃんおばちゃんばかりである。



・・ある日、ジムも通いなれてしばらくしてから「はじめてクロール」というレッスンを受けてみることにした。

しゅんちの水泳レベルは平泳ぎが人並みにできるくらいで、クロールなんかはかろうじて泳げる程度で、背泳ぎやバタフライなどは全くできない。
ひょっとしたら今までのクロールは泳ぎ方が間違っているかもしれない。もしかしたら初心者から出直してみれば速く泳げるようになるかもしれないと思ったのである。
それに今回こそ長続きさせるためにも新しい試みを取り入れていく事にしたのだった。

水着に着替えレッスンが始まる19:30にプールに行くと、おばちゃん達がドリフ笑いでゲラゲラとたむろしていた。


※ドリフ笑いとは・・・昔やってたドリフの大爆笑という番組のサクラ役でバックで聞こえるおばちゃん達の笑い声の事である


あのおばちゃん達は雰囲気からして60代…


いや、
70代を超えてるだろうなぁ・・・。


明らかに自分の親よりも年上の雰囲気を感じるので70代は軽く突破してるのだろう。
最近のシニア女子はなかなか元気である。

おばちゃん達は「はじめてプール」となっているにもかかわらず
毎週受講しているらしく、顔馴染みの人達ばかりで集まっているようで、今日は誰々さんが来ないだとか、最近誰々さんが来ないのは体調が良くないからなどと話したりしてて、しゅんちはまるでどこかのシニアカルチャーに紛れ込んでしまったかのようである。


おばA「あら、ずいぶん若い人が来たわよ ヒソヒソ」


おばB「あら本当ねぇ~ ヒソヒソ」


おばC「よろしくね うふふ」


もはや
40代は若手らしい。



コーチ「でははじめてクロールはじめますよー」


おばA「今日は若い人がいるからはりきっちゃうわね」


おばB「若い人はおぼえがはやいでしょうからいいわね うふふ」


おばB「お兄さんよろしくねっ ウフッ」


おばC「頑張りましょうねっ うふふ」


コーチは女性だったのでコーチの事など見向きもしないおばちゃん達。
男はしゅんちだけである。


あれ?



まてよ・・・



もしかしてこれは・・・






モテ期来た?(ドキドキ)



シニア女子が色めき立ち、妙な盛り上がりを見せるはじめてクロール。


コーチ「ではーまずは息継ぎですがー・・・」


コーチの話を食い入るように聞くしゅんち。
するとおばちゃんが横から話しかけてきた。


おばB「お兄さんいいかい?息継ぎが重要よ」


おばC「どれだけ水の中で息を吐けるかよ」


しゅ「は、吐けるかですか?」


おばC「そう!吐いた分だけ息継ぎの時に吸えるってことなのよ」


しゅ「なるほど・・・!」


おばちゃんにレクチャーを受けるしゅんち。


コーチ「じゃあ、順番に泳いで行きますよ!はい!ピーッ!」


次々に泳いでいくおばちゃん達。
さすがに慣れているのかスムーズな泳ぎで次々に泳ぎ出す。

 

 

「はじめてクロール」じゃないのか?

 

 

そしてしゅんちが泳ぐ番になり、みんなの前で泳ぐ。
やはり息継ぎがうまくできず無酸素運動に近い状態になるしゅんち。
酸欠状態になり、走るよりも苦しい状況に追い込まれる。


プハー!ゼハゼハ・・・


おばA「なかなか上手だったわよ!」

おばB「やっぱり若いからすぐに上手にできるのねっ うふっ」

 

しゅ「す、水泳ってハードですね・・・」


おばC「ね?運動になるでしょ?」

 

 

しゅ「そ、そうですね・・・ぜはぜは」


おばC「水泳をバカにしちゃいけないわよ 」

おばA「また来週も来なくちゃね ウフッ」


・・・なんだろう

 

 

この・・・

 

 

 

 

 

止まらないときめき感は。



こうしてシニア女子に囲まれ少しずつ泳ぎが上達するしゅんちであった・・・。

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

第7話「単位の宿題」

 

長女カホ(4年生)はしゅんちに似て勉強が苦手である。
最近は算数の単位が大の苦手らしい。

ある日の休日。
嫁タカコがカホの宿題を見ていたのだがおさらい問題なのにあまりの理解できなさっぷりにサジを投げてしまった。

ここは類は友を呼ぶ・・・毒を以て毒を制する・・・
とにかく勉強出来ない同士なら理解し合えるかもしれないと嫁と交代するしゅんちであった。

 

 

しゅ「どれどれ、お父さんに宿題見してみ?」

カホ「う、うん・・・」


■問題 次の長さの空欄を答えよ

 

 

 

 

1cm=  mm

1m=   cm

1km=   m

 

 

 

 

 




超難問。


 

 

しゅんちなら今でも軽く間違えそうな難問である。
 

 

タカ「カホ!もうこういうのは頭に叩き込むしかないの!2年生で覚えることだよ?」

 

 

しゅ「よ、よし 実際の長さをちゃんと理解してみよう。」
 

 

単位の文字だけを眺めていては理解は深まらないと思うしゅんち。
感覚で覚えるしか無いと思い、ふでばこから15cmのモノサシと工具箱から5mのメジャーを取り出すしゅんち。

 


しゅ「いいか・・・?1mmって長さどのくらいかわかるか?指でやってみ?」

 

 

カホ「このくらい?」


カホは手で1cmくらいの大きさを示した。


しゅ「だぁ~~・・・やっぱりわかってない!」

カホ「えー・・・急に言われてもすぐに出てこないよぉ」

しゅ「だから、パッとイメージできるくらいじゃなきゃダメなんだよ」

 

 

しゅんちはモノサシを取り出し目盛りを読ませる。
 

 

しゅ「1mmってのはもっと小ちゃくてな、この一目盛りが1㎜なんだよ。めっちゃ小っちゃいの」

カホ「本当に小っちゃいね」

しゅ「このちっちゃい目盛りが10個集まって1cmって感覚で覚えるんだ」

 

 

1㎜の次に1㎝の長さを指で示して見せる。
 

 

しゅ「じゃあ次の問題。1mは何㎝でしょうか?」

カホ「えーっと…1000?」

しゅ「はい正解…あー!!!いやいやいや違う違う違う!」



 

怪しいしゅんち。


 

しゅ「1cmの大きさが…1000個もないよな?ほらちゃんと数えてみ」


メジャーを伸ばし1mの長さを作って見せる。

 

 

しゅ「1㎝が何個あるか数えてごらん」

カホ「・・100個?」

しゅ「そう!1mは100㎝な!そのイメージを忘れるな!」


(次は1㎞か・・・)


 

 

しゅ「じゃあちょっとおいで」

そういうと窓から外を眺める。

しゅ「あそこに見えるセブンまでが多分200mくらいかな」

カホ「うんうん」

しゅ「1kmっていうと大体・・・お父さんの好きな焼鳥大吉の辺りかな」

カホ「結構歩くと遠いね」

しゅ「そう!1㎞は車じゃ直ぐだけど、歩くと割と遠いって覚えるの」

カホ「この前遠足で10㎞くらい歩いたけど、めっちゃ遠かったよ」

しゅ「そう!距離を体で覚えるのが重要なんだよ」

カホ「なんとなくわかってきたかも」

しゅ「じゃあ1kmは何メートル?」

カホ「1000m!」

しゅ「そう!正解正解」

 

 

カホ「じゃあさ、お父さんの松本のアパートまで何㎞くらい?」
 

 

しゅんちは平日は松本のアパートで単身赴任をしているのである。
 

 

しゅ「お父さんのアパートは松本だからたぶん50kmくらいじゃねえかな?」

カホ「なるほど。かなり遠いってわけね」

 

 

単位を並べて覚えるだけでは忘れてしまうものである。
なるべく体の感覚で身をもって覚えさせる方法が良さそうだ。

 

 

しゅ「じゃあ、次の問題は?」
 

 

カホ「次はこれ・・・」


 

■問題 次のカサの空欄を答えよ
 

 

 

 

1000ml=   L

1dL(デシリットル)=   mL

500mL=    dL(デシリットル)

 

 

 

 

デ・・・

 

   

 

 

デシ・・・リットル?

 

 

 

デシ・・・

 

 

 

デシ・・・



 

 

 

デシって・・・



なんデシたっけ?



しゅ「いいか!牛乳1000mLは1Lでしょ?」

カホ「うん それはわかる」

しゅ「1Lは・・・100dLなわけだ」

カホ「えー・・・違うんじゃない?」

しゅ「いやいやいや10か!?」

カホ「お父さん大丈夫?」

しゅ「500のペットボトルは50デシリットル?」

カホ「ん?」

しゅ「いやいやいや5デシリットルか!」

 

 

 

しゅんちが勉強教えるの無理みたい。

 

 

 

・・小学校の難問に頭を悩ませるしゅんちであった。

 

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

第8話「外国人と居酒屋」

 

最近、松本の駅前には外国人観光客がかなり増えてきた。
長野オリンピックで一躍有名になった白馬のスキー場目当てで外国人観光客が多いのは知っていたが、ウインターシーズン以外でも観光客が増えているのである。

・・ある日、4人家族で松本の居酒屋に行った。
しゅんち一家は居酒屋好きで、酒の飲めないカホマオもおつまみ好きなので居酒屋が大好きなのである。

今回のお店は松本駅前にある「串揚げ夢屋」という二度漬け禁止を打ち出す本場大阪風の串揚げ店である。


店員「いらっしゃいませーっ!!」


ガラガラと戸を開け店内に入ると威勢の良い店員さんがしゅんち一家を出迎える。

 

店員「奥の小上がりの方へどうぞ!」


小上がり席に行くと隣の席に外国人観光客の夫婦が座っていた。
元は金髪だっただろうシルバーヘアーで青い瞳の西洋人だった。

結構年配だったが2人とも上品な雰囲気を漂わせており、まさに英国紳士と淑女という感じ。
日本には純粋に観光に来たのだろうと想像できた。
ちょうど店員とやり取りしていて、日本語がほとんどできないらしく注文で苦労している様子だった。

カホマオは外国人を近くに見る機会があまりなく横目でチラチラと見ながら緊張した面持ちである。


マオ「ねえねえおとう・・・」


しゅ「ん?」


マオ「隣の人外国人だよ ヒソヒソ」




知っとるわい。


しゅ「あんまり見ちゃ失礼でしょ!自然にしてなさい・・・ヒソヒソ」
 


しゅんちは店員を呼び手慣れた感じでオーダー済ませた。

ほどなくしてしゅんち一家のテーブルに枝豆とビールが運ばれて来た。


店員「お待たせしました~!ビール2つ、水2つ、枝豆とお通しになります!」


さっそく皆で乾杯し、宴会を進めていくしゅんち一家。


店員「おまたせしましたー!」


すると隣のテーブルにもオーダーしたものが運ばれて来た。


届いたものは・・・





ライス





白ワイン

 

 

 

 

 

 

 

以上。

その夫婦は戸惑いながらテーブルの真ん中に置かれたソースをごはんにかけ、それをつまみにしながらワインを飲み始めた。


嫁タカ「ねえねえ・・・」


しゅ「ん?」


嫁タカ「隣の人、ごはんにワイン頼んだよ・・・ヒソヒソ」




ブルータスお前もか。



しゅ「お、おう・・・俺も気になって仕方なかったところだ」


想像するに・・・
注文時に「食事を軽くしながらお酒も飲みたい」とでも言いたくて


食事=ごはん


ごはん=ライス


となってしまったのではないだろうか。
きっと不本意なオーダーだったに違いない。


ああ・・・こんな時に・・・



もし英語を使えたのなら・・・


ヘイメン!俺がジャパニーズ文化をおしえたるよーHey YO!


まずはこの店は肉や野菜に衣をつけて一口大で食べる串揚げっていうソウルフードの店だぜYOYO


大阪新世界ってとこの名物だよマジ新世界っ


でも、絶対破っちゃいけないルール 俺が言う規則~


壺のソースは二度づけ禁止だぜYOYO


試しに俺が出すオーダー店が出すメニュー マイクチェックワンツー


豚カツ、うずら、ハンペン、赤ウインナー、レンコン チェキラッ


でも始めはすぐ来る枝豆頼め!Yeah!すぐ出るスピードYeah!


枝豆はすぐ来る Yeah!クセになるリピート Yeah!


・・・とでも説明してやれたのに。(なんじゃこのラップ)

すると、奥から賢そうな店員が飛んで来て急に英語で話し出す。
恐らく信大生のアルバイトかなんかで英語が達者なのだろう。
ポークやビーフという言葉が飛び交っているので肉系の串揚げを一通り説明したのだろう。
そしてしばらくして英国紳士テーブルにいよいよ串揚げが登場した。
どうやら二度づけ禁止のくだりも説明したらしく、隣のテーブルも串揚げ屋ムードが漂って来た。

2人はようやくありつけた串揚げとワインの酔いが相まって気分が良くなってきたのか、英国紳士は店員を呼び止め話しかける。


英国紳士「Hey!」(ちょっといいですか?)


店員「What’s up?」(なんでしょうか?)


英国紳士「Very good!」(とってもイイよ!)


店員「Thank You!」(ありがとうございます~!)




か、かっちょええ・・・。


ああ・・・俺も英語が話せたのなら・・・



カホ「ねえねえ おとお・・・」


しゅ「ん?」


カホ「お隣さん串揚げ食べれてよかったね・・・ヒソヒソ」




もうね、うちの一家は隣のテーブルに釘付けね。

 


こうしてしばらくお互いに串揚げを楽しむ小上がりの人々。

すると、急に英国紳士が近寄って来た。
顔も赤くなり、気分よく酔っている様子だった。

 

そして、急にマオに話しかけて来た・・・!

 


英国紳士「What’s Your name?」(お嬢ちゃんお名前は?)



マオ「・・・!?」


しゅ「ま、マオ・・・な、名前は?って聞いてるんだよっ」


マオ「え、え、え、え・・・」


しゅ「マイネームイズってやつだ!」


マオ「あ!そうか!」


どこかで自己紹介英語を習ったのだろう
マオは急に堂々と話しはじめた。


マオ「マイネームイズマオ!」


英国紳士「Wao!My Name is bloom」(わお!ちゃんと言えるね!私はブルームだよ)


英国淑女は2人のやり取りを見てニコニコしている。

フト、日曜8時からやっている世界の果てまでイッテQという番組の出川を思い出すしゅんち。

外国でほとんど英語が喋れない出川がめちゃくちゃな英単語と日本語とジェスチャーで何とか目的の場所を聞きだし目的地に辿り着くという内容である。
通じなくても適当に色々言えば気持ちは伝わると出川プロは語っていた。

 

 

出川英語使いたいっ・・・!

 

 

しゅんちも勇気を出し英語を話しはじめた。


しゅ「え、えーと・・・カムフロム・・・どこからってなんだっけ?」


タカ「どこからはウェアーだよ!」


しゅ「ウェアーカントリー?国?クニ?ウェアー?」


ブルームおじさん「??」


しゅ「カントリー・・・ウェアーフロム・・・ウェアーウェアー」



上着か?


しゅ「カムフロム・・・」


英国淑女「Australia!」(オーストラリアよ!)

しゅんちの言わんとする事を理解した豪州淑女はブルーム紳士の代わりに答えてくれた。

 

 

しゅ「オーストラリアからきたのか!!」

 

 

英国じゃなかった。

 


タカ「すごいあんなので通じた・・・」


しゅ「えーっと・・・観光の目的を聞いてみたいな・・・」


観光って・・・サイトシーンだっけ?


しゅ「あーートラベルの 目的・・・サイトシーン?カンコー?」


タカ「カンコーって日本語だよ!」



もはや学生服である。


しゅ「マツモトキャッスル?グルメ?ハクバ?スキージャンプ?」


ブルーム「I'm going sightseeing to Matsumoto Castle tomorrow.」(明日松本城に観光に行くんだ)


タカ「わわっ 明日松本城行く予定だって!」


ブルーム「You are going sightseeing to Matsumoto Castle?」(君たちも松本城の観光に来たのかい?)

タカ「君たちもその予定かと聞かれてるっぽいよ!」

しゅ「いやいや ノーノー!」


ビールを飲むジェスチャーをするしゅんち。


しゅ「ファミリーエンカイ!カンパイ!マツモトDEファミリーカンパイ!」


ブルーム「HAHAHA Yeah!」


なんだか通じてる。

 

 

 

 

のか・・・?



そして宴もたけなわとなりしゅんち一家が先に席を立つ。
この後も松本を楽しんで下さいと言いたいが英語でなんと言っていいかわからなかったので、日本語で言ってみる


しゅ「それじゃ松本を楽しんでってください!」


深々と頭を下げるしゅんち。


ブルーム「Thank you!」



なんか気持ちは通じた。


するとタカコが話しかける

 

 

嫁タカ「Have a nice travel!」(よい旅行を!)

豪州淑女「Wao!Thank you!」(わお!ありがとう!)


感激して口を覆う豪州淑女。


しゅ「お、おい!タカコ英語話せたんか!」

タカ「い、いやいやしゅんちゃんだって知ってる英語でしょ!」

しゅ「なんかめっちゃ喜んだぞ!」


それにしてもしゅんちって・・・




英語力無さすぎだって。



こうしてオーストラリアの紳士淑女とコミニュケーションを、楽しんだしゅんち一家。

やっぱり人間同士、言葉は違えど気持ちは伝わるものである。
話そうとする姿勢や向こうも理解しようとする歩み寄りに優しさを感じたのだった。

オススメの日本の食べ物を紹介できるくらいら英語を話せるようになりたいと思うしゅんちであった。

 

 

・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

第9話「マクドナルドの愛称は?」

 

親会社から新たな上司が転勤してきた。
年齢は40代中盤で若いながらも向こうではかなりのやり手だったようである。

皆から呼ばれていた異名は


ミスターパーフェクト。

 

 

 

 

 

何かの能力の使い手かと

 

悪魔の実でも食べてそうである。

4月から来て以来、会議の席などで業務の問題点や会社の改善点などをズバリと言い当てるその能力の高さに驚き、日々勉強させらているしゅんち達。
言うことは常に正論で本質を見抜いており、言われた事にはぐうの音も出ない感じなのである。

発言は大体こんな感じある。

今年の売上目標を決める時の場面である。
 


「売上目標は昨年度実績を参考にするの?」



「そもそも他社を含めて市場の全体規模がどのくらいか把握してる?」



「目標立てる前にまずは頑張ろうとしている市場がどれだけの規模かを知らないとね。」

 

 


「自分のやろうとしてる事のノビシロも把握できてないのに頑張りようなんてないよね?」

 




ぐうの音も出ない正論。



ペキペキの実とか食べてそう。


正論というのは、誰もがよくよく考えれば分かることなのに、言われてみると納得せざるを得ない事だと思う。

・・そんなある夜、MP(ミスターパーフェクト)と一緒の飲み会に参加した。

※マイケルジャクソンをMJと呼ぶ風にMPとお読み下さい。

しゅんちはどんなぐうの音も出ないようなダメ出しをされるのではとビクビクしていたが意外にもフレンドリーな雰囲気なMP。
仕事の話などはせずに、長野は湿度が低くて快適だとか、近所のスーパーデリシアは夜行くと同じようなサラリーマンが居て切ないだとか、コンソメスープを作ってみたら美味かったけど4日も食べる羽目になったなどどなかなか好感度の高いエピソードを披露してくれたのだった。


MP「ところでさ・・・マックとマクドの話ってあったよね」


しゅ「ああ!よく関西の人たちと盛り上がる話ですよね?」


マックとマクドとは・・・
ハンバーガーチェーンのマクドナルドの愛称が関東と関西で違うという話である。

関東は「マック」と呼ぶのに対し、関西は「マクド」と呼ぶのである。

この論争はかなり前から話題になっていて、関東と関西で口論する光景が全国であったようだ。

そして2017年8月に、ついにマクドナルドで愛称をバーガーのおいしさで決めるイベント

「マックなのか? マクドなのか? おいしさ対決!」

というものを公式キャンペーンとして催した。

そして結果は、なんとマクドが勝利しホームページ上の社長のコメントが一定期間関西弁になったという事で更に話題になり、マクドナルドの売り上げもかなり伸びたらしいのだ。

MP「俺はさ、マックとマクドって議論の余地無いと思ってるんだよね」

しゅ「え?そうなんですか?」

MP「最初に言っとくけど、俺は別にマック派ってわけじゃないからね」

しゅ「はぁ・・・」

 

 

MP「そもそも、マックとマクドが争う事自体おかしいんだよ」

しゅ「え?でもよく関西の人とか口論してますよね」


MP「メニューみてごらんよ。

 

 





ビックマックってあるよね?」




しゅ「・・・あ!」

 

 

 

 

MP「創業当初から店側が商品名に「マック」と愛称を語ってる時点でマクドは無いって話だよ。」
 

 

 



正論。


MP「まさか関西の人たちはビックマックをビックマクドって呼んでるの?」

しゅ「い、いやあ~呼んでなさそうですよね・・・」

 

 

 

MP「仮にさ・・・本当にマックとマクドが争うなら関西のメニューは全てビックマクド、マクドシェイク、マクドポテトにして初めて対等な立場で争えるってもんだよね」

 

 

 

 

 

MP砲発射。



MP「でもさ、マクドポテトってなったら、もはやうまそうには聞こえないよね。中国のパクリ商品みたいだよね?」



もうね、ぐうの音も出ないわ。



MP「しかしさ、マクドナルドの経営陣もそれを百も承知で、話題が盛り上がるからあえて煽ってるわけなんだよね。」


しゅ「ほ、ほお・・・」


MP「おかしいと分かっていながら、あえて盛り上げる材料にするっていう企業姿勢は我々も見習うべきだと思うんだよ。」

 

 

 

なんなのこの人は?



なかなかのパーフェクトぶりに興味と恐怖をおぼえるしかないしゅんちであった・・・。

 



まとめ読みお疲れさまでした
笑えた方は応援お願いします!

 

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