オペレーション:男気 オペレーション1<~男気持ち物チェック編~> | シュンタスの台本置き場 兼 日記帳

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自分の書いた声劇用台本を掲載していきます。
二次利用は許可なしでOKです(コメント・メッセージ等で感想など貰えるとすごく嬉しいです!)・・・たまに日記帳に化けます。



登場キャラ


♂2:♀1


修司      ♂:
和樹      ♂:
愛理・女生徒 ♀:


<人物紹介>

修司(♂):16歳。男らしくなりたいヘタレ男。あることがきっかけで、自分も男らしくなる決意をした。

和樹(♂):16歳。男らしさを語る馬鹿な男。男らしくなりたいと語る修司にいらないアドバイスをしまくる。

愛理(♀):16歳。男よりも男らしい。突っ込み役。

女生徒(♀):※愛理と被り。


※今回は出てこない

勇真(♂):17歳。男らしさを知る不良。真の男気とは何か、背中で語る男。
       背中で語るもんだから人にうまく伝わらない。



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修司「あっ・・あのぉ」


女生徒「あ、修司君。なあに?」


修司「き、今日の放課後・・空いて・・ますか?」


女生徒「空いてるけど・・どうして?」


修司「(頬を赤らめうつむく)あっ・・」


女生徒「(顔を覗き込む)・・ん?」


修司「(つばを飲み込んで)ほ、放課後!3階の踊り場に、ききっきっ来てくださいぃっ・・!」


<修司が走り去る>


女生徒「へ?・・あ、ちょっ・・なんなのよ・・まったく」




修司M「言っちゃった・・言っちゃったぁ・・!」




<そして放課後 3階の踊り場>



女生徒「・・で、どうしたの修司君」


修司「(モジモジ)あのぉ・・」


女生徒「あの?」


修司「(モジモジ)えっとぉ・・」


女生徒「えっと?」


修司「(モジモジモジモジ)僕ぅ・・」


女生徒「・・・何?」


修司「あ、貴女のことぅがちゅきれす!!(思いっきり噛んで)」


女生徒「・・は?」


修司M「か、噛んじゃったっ!めちゃくちゃ噛んじゃったぁ・・」


女生徒「数多(あまた)の孤島がチェキです?」


修司「(顔を赤くして)あっ・ちがっ・・・・あ、貴女のことが、好きです・・」


女生徒「あ・・・・ごめん、無理。だって修司君、ナヨナヨしてて女みたいだし。私、男らしい人が好きなの」


修司M「がーん・・・がーん・・・がーn(フェイドアウトしてく感じで)」




<翌日 学校>



和樹「へぇ・・そんなことがあったのか」


修司「(涙目で)うん・・」


愛理「まぁ、一回振られたくらいで落ち込むなよ修司!女なんて星の数ほどいるって!な!(肩をバンバン叩く)」


修司「ちょ、痛っ!洒落にならないレベルで痛いよぉ愛理っ・・」


和樹「しかしねぇ・・修司、顔もスタイルも悪くないのに。もったいねえな、その女子も」


愛理「いやいや・・もったいないのは顔もスタイルも良い修司の性格のほうだろ!」


修司「(涙声)うっ・・やっぱり・・そ、そうだよね・・僕、男らしくないからぁ・・」


愛理「お、おいおい。泣くなよ修司」


和樹「女が男泣かした」


愛理「黙ってろ和樹は!修司が泣き虫なだけだろ」


修司「(泣)ふえぇえぇ・・」


和樹「・・・いい加減にしろ修司!お前がそんなんだから、振られたんじゃないのか?!」


修司「ふえ・・?」


和樹「男が泣いていいのはなぁ!死んだお袋の墓の前とトイレの中だけって法律で決まってんだよ!」


修司「(びっくりして)そ、そうなのぉ・・?」


愛理「ねぇよ」


和樹「振られて悔しいなら・・男らしくなって見せろ!修司!」


修司「お、男らしく・・・(キリッ)うん。僕、頑張ってみるよ!和樹!」


愛理M「あ~あ。和樹が楽しみ始めた・・こうなったら碌(ろく)な展開にならない。・・早いところ退散しよう」


愛理「あー・・私、ちょっと用事思いだしたから・・行くね。頑張ってね~修司いいいいい?!(和樹に引っ張り戻される)」


和樹「(愛理を引っ張る)愛理!お前も修司の友達なら、協力するよなぁ?」


愛理「わ、私、用事・・」


和樹「するよな?(ニヤリ)」


愛理M「こいつ・・後でシメたる」


愛理「わぁったよ!協力するさ・・」


修司「(涙声)愛理、ありがとぉ・・」


和樹「その夕張メロンも真っ青な甘ったるい涙声をやめろ!メロン作ってる人に失礼だぞ!」


修司「あ・・ご、ごめんっ」


愛理M「・・意味がわからん」


和樹「すでに<オペレーション:男気>は始動しているのだ!・・よし、これから作戦会議するぞ」


修司「い・・・いえっさー?」


愛理「始動する前に作戦会議しとけよ」




<作戦会議>



修司「うーん。男らしくなるためにはどうすればいいんだろう?」


和樹「そうだなぁ。まぁ男の中の男である俺から言わせれば・・・」


愛理「それ、もちろん中の中って意味だよな?」


和樹「ぐっ・・下らん横やりを入れるでないわ!」


修司「・・僕、かっこいい男になりたいなぁ」


和樹「ふふふっ・・俺にドーンと任せるがいい修司!方舟に乗ったつもりでなぁ!」


愛理「大洪水でも起きるのか?それを言うなら大船・・」


和樹「(食って)修司!お前に足りないものは!それはなぁ!」


愛理M「押し通しやがった」


修司「そ、それは?」


和樹「それはだなぁ・・」


愛理「それは?」


和樹「・・・」


愛理「見切り発車かよっ」


修司「がっかりだよぉ・・和樹」


和樹「ち、違うぞ修司!

   ・・・そうだなぁ、やっぱあれじゃね?まずは<形>から」


修司「形から?」


和樹「そうだ。まずは外見から男らしくするんだ。そうすれば、内面なんて後から付いてくるだろ」


愛理「所謂あれだな。髪型変えたら、なんか自分が自分じゃなくなったような錯覚に陥るやつ」


和樹「それだ」


修司「で、でもぉ・・僕、髪型はいじりたくないなぁ」


愛理「というか、髪型に関してはそこまで女々しくないと思うぞ」


和樹「ま、外見は髪型だけで決まるわけじゃないってこった」


修司「ど、どういうこと?」


和樹「ふふふっ・・!オペレーション1<男気持ち物チェック>だ!」




<オペレーション1 男気持ち物チェック>



愛理「なんだそれ」


修司「なんか怖い・・」


和樹「案ずるより産むがやすしだ・・・修司、お前の鞄持ってこい」


修司「・・・はい。も、持ってきたよ」


和樹「どれどれ・・むむっ?!」


愛理「(気になって覗く)どうした和樹・・んあ?!」


和樹「なんですかこれ・・」


愛理「じょ、女子だ・・・これは、紛れもなく女子の鞄だ!」


修司「そ、そうかなぁ・・今日は荷物少なめだからかも」


和樹「関係ないわぁ!見ろっ・・明らかにおかしいモノが入ってるだろが!
   なんで男の鞄にコスメポーチ入ってんだよっ!」


愛理「しかもピンクの花柄・・女子でも抵抗あるデザインだぞ・・」


修司「ちっ違うよ・・中身見て!・・ほらっ中身はハンドクリームとバンソーコーだよぉ・・!」


和樹「なんですかその斬新なマリアージュは!」


愛理「えっ・・私の女子力、低すぎ?」


修司「おねぇちゃんからのお下がりを小物入れで使ってるだけだってばぁ!」


和樹「それだけじゃねえぞ。・・今流行りの少女漫画、アイポッドシャッフル、なんかアレなアレ・・」


愛理「なんかアレなアレまで入ってるなんて・・すげえ」


修司「なんかアレなアレってなんだよぉ・・別に変なもの入ってないでしょお?」


和樹「修司・・」


修司「な、なに?」


和樹「・・ダメだわ、お前、女子だわ」


修司「(涙声)匙(さじ)を投げないでええええええ」


愛理「うーん。でも、ここまで修司が女子だったとはね。さすがに私も引い・・驚いた」


和樹「これは・・相当時間かかりますね。親びん」


愛理「おう・・って誰が親びんだっ!」


修司「やっぱり、僕が男らしくなるなんて・・・無理だったのかな」


和樹「ばーか。何のための<男気持ち物チェック>だ。
    現時点で、お前が果てしなく女子なのは分かった。だが、まだ変えられないと決まったわけじゃない」


修司「え?」


和樹「いいか。今から俺が紙に書くもの、明日までに全部一式揃えろ!
    んで、鞄の中になるべく無造作に詰め込んでくるんだ。ここ重要。・・わかったな?」


修司「う、うん・・わかったっ」


愛理「無造作に詰め込む理由はなんだ」


和樹「当たり前田のクラッカーよ!」


愛理M「古っ」


和樹「(某芸人風に)ワイルドさを演出するために決まってんだろぅ?」


愛理M「・・・ダメだこいつ」




<翌日>



和樹「よしっ!ちゃんと準備してきたな、修司」


修司「う、うん・・ちゃんと言われた通りにしてきたよ。
  
    ・・えっと、蓋が取れかけてるヘアワックス」


和樹「カバーが外れたヨレヨレのドラゴンボール27巻!」


修司「腕の外れたウルトラマンのフィギュア」


愛理「コードが絡まっててイヤーパッドが方耳外れたイヤホン・・」


和樹「飲みかけのコーラボトル!」


修司「異様に付箋だらけの車雑誌」


愛理「ぐちゃぐちゃに詰め込まれたマフラー・・」


和樹「そして極めつけは、何故か鉛筆の芯が刺さってる消しゴム!」


修司「・・僕、これで少し男らしくなったかな?」


和樹「マジ完璧じゃね?これぞまさに男子」


愛理「まぁ確かに、男子っぽくはなったけどさ。これって男らしいって言うのか?」


和樹「誰がどう見たって男子の鞄だろが。文句言う奴は、男が何たるかを分かってないね」


愛理「でもなんか、男っていうより男の子、じゃん?年齢低すぎっていうか・・」


修司「ウ、ウルトラマンはさすがに・・」


和樹「・・お前らさ、何甘っちょろいこと言ってんの?
   俺らはまだ16歳で、ただでさえガキンチョなんだぜ?いきなり大人の階段5段飛ばしで登れるかっての。
   それに加えて、修司は男どころか少年、否、少女みたいな男気レベルなんだぞ。
   少しずつステップアップしなきゃだろ。だから、少しくらいガキっぽくてもいいの!」


愛理「おぉ・・和樹が金八先生並みにまともな意見を・・」


修司「そ、そうだよね。僕はまだ、普通の男子にすらなれてないんだ・・」


和樹「で、どうだ修司。なんか変わったか?」


修司「え?な、なにが・・?」


愛理「男気を高めるためにその荷物持ってきたんでしょうが」


修司「あ!そうだったぁ・・」


和樹「で、どうなんだ!?その鞄を背負ってると、こう・・・
   体の中からフツフツと湧きあがるものがあるだろう!?」


修司「言われてみれば・・なんかっ・・!」


愛理「おおっ?」



修司「鞄重くて、汗出てきちゃったっ」



和樹・愛理「ズコー」


和樹「箸より重いモノは持てませんってか・・・」


愛理「女子じゃなかったね、姫だ、こいつ」


修司「てへっ」





愛理N「男気の道は険しいぞっ!次回に続く!!」



「オペレーション1~<男気持ち物チェック編>~」 



FIN