訪問日:2009-05-27,28
 
 
箱根湯本温泉「あうら橘」(旧「旅館 橘」)は湯元の旧道沿いに建つ老舗ですが、昨今のニーズに合わせて全面改装し、現代風の温泉宿に生まれ変わりました。
「あうら」とはギリシャ語で「そよ風」のことだということです。
 
まず2009年に改装された棟は「風の館(たち)」と呼ばれ、本館四階が同館一階という造りで最上階の九階は湯元の旅館中最高の高さを誇ります。
本館「風の館」も2014年に改装され、全面リニューアルが完了しました。
 
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外観
 
宿泊したのは「風の館(たち)」最上階の「あうらスイート」と呼ばれる露天風呂付きの和洋室で、開放的なテラスからは湯元の町並みが一望の元に俯瞰できます。
 
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あうらスイート
 
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デッキと部屋付き露天風呂
 
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部屋からの眺望
 
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部屋付き露天風呂
 
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ベッドルーム
 
大浴場は打たせ湯など3つの湯船と露天風呂、サウナも備えた現代的スパといった造りですが、47度のアルカリ性単純泉は加水・循環・消毒と泉質重視の温泉ファンには何とも味気ない内容です。
また部屋付き露天風呂は温泉ではないということで、こちらは温泉を楽しむというよりは眺望の良い部屋でリラックスして、ゆっくりと食事を楽しむ宿と割り切った方が良いでしょう。
 
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大浴場
 
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露天風呂
 
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屋上テラス
 
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屋上テラスからの眺め
 
ダイニングで頂く「べっぴん料理」と称する「和風創作和膳」は、質・量共に充分満足できる内容でした。
こちらの料理はよくある基本もができていない調理人が作る思い付きの「創作料理」ではなく、きちんと和食の基本を心得た板前が作る「和風ヌーベル」といった趣で、美食家・健啖家も納得できるものと思います。 
 
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山桃酒と前菜
(春菊豆腐と白魚・トマト冷製茶碗蒸しとふかひれ
・稚鮎酢漬と土佐酢ゼリー・鳥貝とうるい等)
 
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御椀(赤魚葛打ち・子持ち白魚黄身染め・金時草)
 
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御造り(鮪・鰹叩き・鯛松皮造り・甘海老)
 
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利き酒セット(銀盤・銀峰月山・秩父錦)
 
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蒸し物(自家製蒸し蒲鉾)
 
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焼物
(甘鯛若狭焼き・小柱と大根の実の掻き揚げ・こしあぶら・蛤・空豆・針セロリ)
 
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火の物「蕨と東坡肉のコラーゲン鍋」
(山独活・水菜・ヤングコーン・牛ロース)
 
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揚げ物「馬鈴薯盛り」
(帆立はさみ揚げ・車海老・揚げ餅・タラの芽)
 
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煮物「冬瓜と穴子の博多」
(鮑塩蒸し・五三竹・若布)
 
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香の物四種・赤出汁・釜炊き小田原産キヌヒカリ
 
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デザート「グランマニエアイス」
 
朝食はやはり盛りだくさん。
刺身や卵焼きの他、小皿に並べられた惣菜が見た目にも楽しい 献立です。
 
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朝食膳
 
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造り・クスクスとトマトのサラダ・玉子焼き・海藻麺・デザート
 
こうした老舗が現代風にリニューアルするのも時代の流れですが、温泉宿の競争の激しい箱根にあって一頭地抜きん出るには大変なこと、願わくばありきたりの改装に終始せず、その宿ならではの魅力的な特徴を打ち出してほしいものです。

こちらも予約サイトを見ると集客にはなかな苦戦している様子。このエリアで人気宿になるには、食事以外にもう一つ何か他にないセールスポイントが必要な気がします。
 
「あうら橘」公式HP
 
(箱根湯本温泉「あうら橘」了)