鎌倉 懐石料理「阿寓(あぐう)」(懐石料理)
由比ガ浜「松原庵」(蕎麦)
 
訪問日:2017年-02-06,07
 
 
江島神社参道途中の旅館「岩本楼」は鎌倉時代から同神社の元別当を務めた由緒ある神社で、当時から数えて約740年、明治初年旅館になってからも既に百数十年という長い歴史を誇る旅館です。

現在は鉄筋三階建ての観光旅館になっていますが、旧施設の意匠を巧みに取り入れて往時を偲ばせるリフォームがなされていています。
 今回は実に35年ぶりの宿泊です。
 
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入り口
 
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ロビー
 
観光地らしく通常はそこそこする宿泊料ですが、狙い目は閑散期の1月2月。食事・部屋は通常と同内容で平日約三、四割引(しかも夕食時にビール付き)のプランがあり、今回はそちらを利用させて頂きました。

大手の近ツリ経由の手配で年間契約枠があったためか、安価なプランにも関わらず14畳・6畳・3畳の一番広い部屋を用意していただきました。なんでもパンフレットの写真に使った部屋ということで、眺めも宿一番、正面に富士山が望まれます。
やはりこうした観光地において大手代理店の影響力は絶大のようです。(逆に小規模な宿ではオリジナルHPによる予約の方が、マージンのない分サーヴィスが良いことが多いようです)
 
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部屋
 
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部屋からは富士山が
 
風呂も特徴的で、一つは古式ゆかしい「ローマ風呂」。ステンドウグラスがふんだんに使われた歴史を感じさせる造りです。
 
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ローマ風呂入り口
 
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ローマ風呂
 
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ローマ風呂天井
 
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ローマ風呂とライトアップされた中庭
 
もう一つは昔寺院だった時代、稚児の折檻に使われたという洞窟を改造した「弁天洞窟風呂」。長い洞窟に沿って造られた風呂と洗い場がライトアップされている中で入浴するのは何とも不思議な雰囲気です。
温泉ではありませんがPH値の高い天然水の沸かし湯でなかなかの入り心地。
途中男女入れ替えがあって終夜入用可能です。
 
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弁天洞窟風呂入り口
 
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弁天洞窟風呂1
 
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弁天洞窟風呂2
 
歴史を誇る宿だけあって、風呂の近くには資料館も。
 
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岩本楼資料館1
 
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岩本楼資料館2
 
料理は湘南の海の幸を使った会席膳が部屋に運ばれてきます。それほど際立った献立ではありませんが、まあ一般的な観光旅館の料理では中の上くらいの部類か。
 
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小鉢と前菜
 
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凌ぎ(そぼろと椎茸の飯蒸し)・野菜湯葉巻き梅ソース
 
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造り(真鯛松皮・金目・鮪)
 
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小鍋・栄螺つぼ焼き
 
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摺身挟み揚げ・松笠慈姑
 
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ご飯・蛤清し汁・香の物
 
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甘味(人参羊羹・バナナバター)
 
夜は部屋の正面に月がみえてムーンロードが美しく、しばし見とれました。
 
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深夜のムーンロード
 
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部屋から見た早朝の富士
 
朝食は海の見える広間で。煮魚、野菜と海の惣菜中心のヘルシーな献立でした。
 
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朝食膳
 
 
チェックイン後に見た江ノ島イルミネーションの写真もどうぞ。
 
冬季の江ノ島は江ノ島シーキャンドル(旧江ノ島展望台)を中心にイルミネーション・ライトアップが行われ、多くの観光客で賑わっています。
今年で19年目、「2012年関東三大イルミネーション、翌年には日本夜景遺産に選ばれるなど自然一体の光の演出が全国的に評価されている」(パンフレット)ということです。
 
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江島神社参道
 
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エスカー
 
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江島神社参道(中津之宮)
 
午後5時ちょうど、カウントダウンと共に点灯、シーキャンドルと庭園全体が色とりどりのイルミネーションでライトアップされます。
同時にあちこちから「ヤバイ」「ヤバイ」とギャルたちの声がww
 
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午後5時に点灯
 
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ライトアップされたシーキャンドル
 
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シーキャンドルからの夕景
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園1
 
シーキャンドルに登って日没を待ち、暗くなってシーキャンドルを降りるとイルミネーションは一層美しさを増していました。
平日の夕刻というのにまだまだ大変な人手で、このイヴェントによる集客効果はかなりのものと言えるでしょう。
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園2
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園3
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園4
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園5
 
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ライトアップされたサムエル・コッキング園6
 
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ライトアップされたシーキャンドル遠景
 
翌日は鎌倉へ観梅にでかけました。
まずは最近当地で評判の和食処「阿寓(あぐう)」で昼食です。
鎌倉宮近くに四年前に開店、西の名料亭「吉兆」で修行した板長さんが腕を振るう新進気鋭の人気店です。

 
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鎌倉宮近くの店舗
 
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入口
 
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店内
 
コースは¥4,000から¥12,000(税別)まで四コース、品数は一緒ですが食材で内容が替ります。高価なコースは和牛ステーキなどが加わるので、年配者はかえって軽めのコースの方がいいかも。
今回はランチということで一番安価な「豊楽」コースを選択しましたが、調理は突き出しから窯焚きご飯、デザートまで一切の手抜きなし。椀の出汁、造りの包丁も見事。
またどれも素晴らしい中で鰆のちり蒸しと海老芋の炊き合わせは、さすが「吉兆」出身面目躍如の出来栄え、評判店にふさわしいお味でした。
ノンアルコールしか飲めないのが残念です。
 
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突き出し:生湯葉・菜の花・菊子のお浸し
 
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御椀:筍土佐煮
 
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造り:太刀魚炙り・尼鯛・平目
 
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蒸し物:鰆と白菜のちり蒸し
 
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炊き合わせ:海老芋・南京・小松菜・人参
 
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御飯:芹と地鶏の炊き込み御飯(窯焚きを目の前で取り分けてくれる)
留椀:甘鯛出汁の味噌汁
香の物:鎌倉野菜しそ漬け
 
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デザート:ブルーベリー・ラズベリー・苺ジュレと牛乳プリン
甘味:芋羊羹
 
食後はまず瑞泉寺へ。
「花の寺」の異名をとるだけあって、いつの季節も古刹を囲む美しい花が見られます。入り口付近では紅梅が、風情ある石段で本堂のある丘に上ると黄梅・水仙が見頃。
 
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瑞泉寺1
 
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瑞泉寺2
 
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瑞泉寺3
 
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瑞泉寺4
 
次は浄智寺へ。
茅葺き屋根を背にした水仙と黄梅が立春らしい風情です。
いずれも紅梅の開花には若干早かったですが、春本番一歩手前の何とも言えない高揚感を感じさせてくれました。
 
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浄智寺1
 
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浄智寺2
 
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浄智寺3
 
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浄智寺4
 
もう二軒、鎌倉の食事処を。
一軒目は由比ガ浜の名店蕎麦処「まつばら庵」です。
閑静な住宅街の古民家を改装したもので、デッキで頂く酒菜と蕎麦が旨い。
 
今回は前菜七品と旬の野菜天麩羅、せいろ蕎麦のコースを頂きました。
夜は酒場になるだけあって、バラエティーに富んだ前菜はなかなか楽しめました。
新蕎麦は挽きぐるみの固め、出汁は濃い目ですが良いお味でした。
 
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由比ガ浜処「まつばら庵」
 
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「まつばら庵」前菜
 
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野菜天せいろ
 
(江ノ島「岩本楼」了)