50代からの生前整理

 

生前整理コンサルタントのなぐらしゅうこです。

ご覧いただきありがとうございます。

 

78歳独身男性Kさんの事例

 

ある日、車で帰宅し駐車しようとしたKさん。

ブレーキとアクセルを踏み間違え、庭の倉庫にぶつかってしまいました。

幸いけがはなかったのですが、倉庫も車も、大きく破損しました。

 

それを機に免許を返納したKさんは、徐々に認知機能が落ちてしまいました。

 

Kさんは結婚歴はなく、一戸建てにずっと一人暮らし。

仕事は60歳で引退してからは特に何もしていませんでした。

 

このKさん、大変な節約家で、生活はとても質素でした。

家は傷んでボロボロ。床はところどころ抜けていいます。

衣類は最低限の枚数を徹底的に着倒しており、多少の穴は気にしない。

節約のためエアコンも使いません。

貧しいのではありません。資産は1億円を超えています。

趣味も人との交際もほとんどなく、コツコツお金を貯めるのだけが楽しみのようでした。

公務員だったようですが、自分の働きだけで、ここまで貯めたのはすごいと思います。

 

やがて認知症が進んだため、ケア付きの老人ホームに住むことになりました。

隣県にいる唯一の身内である妹さんが手配したものです。

入居頭金数百万、月々の費用は20万以上だったと聞いています。

Kさんの資産状況を考えたら、決して高くはありません。

 

入居してたった3か月で、Kさんは病気で亡くなってしまいました。

 

自宅で孤独死にならずに済んだことは幸いでした。

 

しかし、Kさんの人生を思うと、果たして幸せだったのかなと思うのです。

K さんの意思で選び取ってきた人生ですが、家族も友人もなく、

ゆったり老後を過ごすこともなく、最後まで「ケチ」と言われた人生でした。

 

葬儀はせず、直接焼き場へ運ばれたと聞きました。

その後自宅は更地にして売却。

Kさんの生きた痕跡は、もうそこにはありません。