うちで管理しているオートロックのマンションの1室。
インターフォンの調子が悪いとのこと。
ピンポーンと鳴ってモニターを確認して「どうぞ」と鍵を開ける訳ですが、その開錠ボタンがたまに反応が鈍いということで。
この赤丸部分が開錠ボタンです。
接触がちょっと悪いのかなあぐらいの話で、とりあえず修理に来てもらおうと思い業者へ電話すると「それはメーカーでないと修理できない」と言われ、メーカーへ連絡することに。
インターフォンって大体2つの会社のどっちか製で、うちに付いてるのは世界的に有名なリンゴの会社の電話機と同じ読みの方。
「オートロックのマンションでインターフォンの開錠ボタンの調子が悪いのでみてもらいたいんですけど」
「そちらは築何年ですか?」
「17年です」
「あ、じゃあ修理はしません」
その機種の生産終了から6年(だったかな?)は修理用の部品を置いておかないといけないけど、それ以降は処分しても良く、うちの機種はとっくに修理部品がないから修理はしないし、後継機種は一切互換性が無いように作ってあるので一つだけ入れ替えることもできませんとのこと。
「え?じゃあどうなるんですか?」
「マンションすべてのインターフォンを入れ替えてもらいます」
えええええ!!!!
オートロックのマンションの管理をするのが初めてだったのですが、そんな仕組みになってるとは全く知りませんでした・・・。
修理がダメなら新品に入れ替えて2~3万ってところかなってな具合に軽く考えてたんですが、最低150万ぐらいの話になりました。ちなみにこれ戸数によるので、10戸のうちの場合の金額がそれです。
でも言うてもボタン1個の話ですよ。接点復活剤をシュって吹くか、摩耗している部品を交換すれば問題なく使えると思うんですよ。ただ、街の電気屋さんも業界のルールがあるのか修理しないってことなのでどうしようもありません。
そのインターフォンだけ新しくしたところで集中制御盤に繋がらないことには意味がありませんよね?新しいインターフォンには新しい集中制御盤が必要なんですよ。互換性が無いから(というか無いようにしときましたから)。でも集中制御盤を新しくしたら他のインターフォンはどうなります?全部新しくしないといけませんよね?
そういう仕組みです。
いけず過ぎる・・・(T_T)
たった1個の部品の不具合でまだまだ使える10台のインターフォンと集中制御盤がゴミとなることが確定しました。
SDGsの世の中ちゃうんか・・・。
その会社のHPを見ると「我が社のSDGsの取り組み」って書いてるやないか!
あ!でも良く見たら12番目の目標の「ゴミを減らし資源をムダにしない」ってところはスルーしてる!
自覚はあるのか・・・。
集中制御盤はいかにも高そうで(定価で40万ぐらいらしいです)、これが壊れたらヤバいなと思ってましたが、なんのことはなかったです。どれか1個の部品が壊れただけで総とっかえだったんですから。
納得はできないですが、仕方がありません。
「じゃあ、入れ替えます」
「数カ月かかります」
どうなってんねん・・・。
コロナと半導体の問題がインターフォン業界はまだ引きずっていて、まとまった台数を確保するのが大変らしいです。じゃあ、古いのを修理しましょうよ・・・。
あと、入れ替えるにあたっては集中制御盤を真っ先に代えて、工事が終わったところから使える感じらしいです。工事は1日3~4件しかできないらしく、うちで3日かかるとのこと。2~3日目の世帯はどうなるんですかって聞くと「使えません」とのこと。つまり、全部の世帯が交換できるまでオートロックは開けっ放しになり、「〇〇号室から〇〇号室までは工事がまだなので呼び出しもできません」みたいなことに。
こんなに大勢の人に迷惑をかけてまで売り上げが欲しいんですかねえ。個別で3万とまるごとで150万。地球の環境と自分の営業成績。そりゃまるごと売る方になっちゃいますか・・・。
SDGsをほんとにやるんだったらこういうところを変えないと実現はムリだと思います。
実はこの総とっかえシステムに対抗する手段があります。
1戸づつ直通のインターフォン!
これはたまたま知り合いの物件で、当初は変なことしてるなあとしか思わなかったんですが、このことだったのかとようやく分かりました。おそらく施工会社に教えてもらったんでしょう。これだと壊れたインターフォンだけを最新のものに変えることができそうです。物理的に開錠する線が15本それぞれに繋がってるんでしょうねえ。
まさしくSDGsなオートロックシステム!
ただ、戸数が多いとエラいことになりますが・・・(^-^;