UFCの集団訴訟 / EXTRA 4: 現在 | SLEEPTALKER - シュウの寝言
 
今は、ほんの少しですけど、業界全体の状況は明らかに良くなっています。
 
それは、UFCよりいいファイトマネー、条件の出せる、5から10年以上継続してきたMMAのプロモーションが他にもがあるからだと、私は思っています。
 
歴史を見ればお分かりになると思いますけど、5年から10年もったMMA団体って、本当に稀なんです。
 
エリートXC(Elite Xtreme Combat)、IFL(International Fight League)、ボードッグ・ファイト(Bodog Fight)はスタートから約2年で消滅しました。
第三回大会のキャンセルを機に休止したアフリクション(Affliction)に至ってはたったの1年。
ストライクフォースは1985年にスタートしてますけど、初めはローカルのキックの大会でMMA進出は2006年。
その5年後の2011年に、結局40億円以上の赤字を出したままUFCに買収されています。
日本のDREAMも4年ちょいで終わっています。
マイケル・ビスピング選手、アンデウソン・シウバ選手、ビクトー・べウフォート選手、ムリーロ・ニンジャ選手、今成正和選手らが参戦したイギリスのケージ・レイジも(Cage Rage)だけは6年持ちましたけど、2007年にプロエリート社に買収されて、そのまま消滅しました。
 
 
それと比べると現在はかなり良くなりました。
 
2008年に設立され2011年にバイアコムに買収されたベラトールMMA。
ファイトマネーという点でも、トップの選手、そして若手でも期待されている選手たちの契約条件は、UFCにいる、同じ戦績、実績、認知度の選手と比べても、かなり良いと言えると思います。
 
日本でもファンの多いレイ・セフォーが社長を務めるPFLも、2012年にWSOFとしてスタートしているので、もうそろそろ10年です。
皆さんもご存知の通り、PFLのフォーマットだと、一年でマックスで5試合できて、優勝したら確実に1億2000万円ぐらい稼げる訳なんで、これはどこからどう見ても、UFCの新規契約より良い、ということになると思うんです。
 
ONEも2011年にスタートし、始めはほんのごく一部の選手にしかUFC以上の条件は提示していなかったですけど、ホジャー・グレイシー選手やベン・アスクレン選手らと契約し始めた頃から徐々にそれも増え、エディ・アルバレズ選手、デメトリウス・ジョンソン選手、セージ・ノースカット選手を大型契約で獲得したあたりから、確実に、選手によってはUFC以上の条件を提示できる団体、というポジションになったと思うんです。
今はコロナ禍のお陰で動きが滞り、1試合も組まずにべウフォート選手をリリースしたり、アンバセダー的な役割で契約したミーシャ・テイト選手もUFCに復帰しましたが、これはもう致し方ないことであり、コロナが落ち着いてきたら、またONEも色々と動くのは明らかだと思うんです。
 
 
そして、2015年10月8日に設立会見を行ったRIZINも、6年目に入ってますし、選手によっては、UFCよりいい条件で契約できる団体であることは間違いありません。
 
他にもポーランドのKSW、ACB時代と比べるとややスケールダウンしまたいけど、ロシアのACA、アブダビのUAE Warriors、バーレーンが本拠地のBrave CF、韓国のRoad FCなどが、そのやや下あたり、選手によっては、UFCの新規契約よりもいい条件を出してくることもある団体もあります。
 
今年の終わりには、どの国でも大体ワクチン接種がそれなりに行き渡り、各MMA団体もそそろそろアクセルを踏んでくると思いますし、この集団訴訟の影響もあり、少しですけど、選手たちの方にいい状況になりつつあるので、今年の終わりから2022年にかけて、ファンが興奮することがちょくちょく起きるのでは?と、私は予測しています。