9月27日(土)9時30分~12時、地域交流型シェアオフィス「そらや」(福岡県久山町)で開催された「ひさやまてらこや+2025」(久山町経営デザイン課×福岡デザイン専門学校)に講師として呼んでいただきました。

 

「ひさやまてらこや+(プラス)」とは、デザイン思考で創造力(生きる力)を育むことを目指す、久山町独自のプログラム。国内外で活躍するデザイナーやアーティストなどが講師となり、ワークショップ形式で提供します。デザイン思考の側面から、子どもたちの生きる力を育み、将来への可能性を広げることを目的に令和4年度から始まったそうです。

 

4年目となる今年。私は「デザインは社会の役に立つ!」編として実施される、9月27日、10月25日、11月22日、12月20日の全4回コースの講座(対象は小学4年生から中学生)の中で【ボードゲームのお師匠】として「"遊ぶ"をデザイン」コースの講師を務めることになりました。私にとっては初めての連続講座、一つのチャレンジとなります。

 


それで、具体的に何をするかというと、子どもたちにはオリジナルすごろくを作ってもらうことにしました。以下、案内文。

 

「誰かが作った遊びを遊ぶのも楽しいですが、自分で作った遊びを遊ぶのは一味も二味も違う楽しさがあります。どうすれば、もっと楽しんでくれる?面白いって何だろう?そんなゲームデザインの視点に触れながら、オリジナルすごろくを作ってみよう!」

 

ゲーム作りを通じて、創作の喜びを体感してもらい、その中で粘り強く工夫を重ねることの大切さを知ってもらえたらと思っています。「どうすれば、もっと楽しんでくれる?」そのために頭を捻り知恵を絞ることこそが「ひさやまてらこや+」が目指す、デザイン思考を育てることに繋がるのではないか、と。

 

「ぽよんすごろく」「しろくまさんすごろく」

 

さて、当日初めて訪れた「そらや」は古民家を改装した、雰囲気のある素敵な場所でした。

 

久山町経営デザイン課の赤島さん、有泉さん、株式会社環境デザイン機構の佐藤さんの挨拶から講座は始まりました。続いて、講師紹介で秘密基地コースの尾方さん(エムオーアーキテクト設計事務所)と私から挨拶をしました。

 

受講者は全11名。秘密基地のコースが8名。私のボードゲームのコースが3名。もう一つあった演劇のコースは希望者が無かった、とのことでした。表現という意味で演劇は重要な学びがあると思うので、この結果は仕方ないことですが、ちょっと残念に感じました。

 

第1回目の講義では、まずはボードゲームの楽しさを存分に体験してもらおう、とボードゲームで遊ぶ時間をメインに。

オリジナルゲーム「Amen-アメン-」、私がデザインした「さくらの大冒険」(つみきや)、定番バランスゲーム「スティッキー」、小学生が原案のカードゲーム「音速飯店」、これまた小学生が原案の戦略すごろくゲーム「海底探険」という5種類のゲームをプレイ。小学生が原案のゲームを2つ入れたのは、子どもたちの刺激になれば、と考えたからです。どのゲームも趣向が異なるため、それぞれに違う面白さがあり、子どもたちのリアクションもさまざまでした。初めて遊ぶゲームが多く、その世界に夢中になってくれたようです。進行の都合上、同じゲームを遊び込む時間がなかったので、その点は申し訳ないという気持ちです。

 

オリジナルゲーム「Amen-アメン-」

 

ボードゲーム体験の後は、オリジナルのキャラクターを作って戦わせる「サイコロバトル」の時間に入りました。創作の入門編として企画しました。こちらは以前から行ってきましたが、実に10年振りのワークショップです。

 
今回は小学4年生以上が参加するということで、キャラクターシートなどのデザインを大人っぽく一新。以前は低学年でもわかるように平仮名を中心にした可愛らしいデザインだったのですが、これくらいの年齢だと大人っぽいものの方がテンションが上がるよなぁ、と作り直しました。以下、以前のデザイン(星模様)と比べてもらえたらと思います。
 
 
 
私が見本として新たに作ったオリジナルキャラクターが「サイノメゾウ」です。相変わらずのユルさです(笑)
 
 
今回、子どもたちのキャラクターは完成しましたが、技までは完成しなかったので、宿題としました。三者三様のキャラクターが出来上がっていて、それらがどんな技を繰り出すのか、今から楽しみです。
 
参加してくれた子どもたちは、さすがゲーム作りを希望してくれただけあって、集中力が凄いです。時間をかけて、じっくりアイデアを練っていました。2時間半という長めの時間の講座にも関わらず、集中が途切れることはありませんでした。
 
キャラクターの技を考える子どもたち

 

次回はサイコロバトルで遊ぶところからスタートし、すごろく作りの導入をする予定です。

 

こうして好きなことで社会から求められるのはありがたいことです。