今年6月から別府公民館(福岡市城南区)では毎月第2月曜日の13時から16時まで
地域住民の交流を目的とした「ボードゲームカフェ」が開催されています。
高齢者が中心ですが、お子さん連れや20代など多世代に親しまれています。
私はカフェに置くゲームの選定や遊び方のレクチャーなどのお手伝いを
させてもらっていて、定期的に講師としても呼んでいただいています。
これまで5月(スタート前のゲーム選考会)と9月に呼んでもらっていて、
今月も9日(月)に呼んでいただきました。
過去2回の別府公民館のブログはこちら↓
2024年5月20日(月)
福岡市別府公民館ブログ: みんなで作るボードゲームカフェ
2024年9月9日(月)
福岡市別府公民館ブログ: ボードゲームカフェ
入口の看板。今年で60周年だそうです。
「なぜ、ぞうがモチーフなのか」と主事さんに尋ねると、
別府の町自体がぞうの顔の形をしているからだそうです。
地図を見せてもらうと、本当にぞうの顔そのもので驚きました。
当日は20種類以上のボードゲームをお持ちしました。
13時始まりの会ですが、30分前から来られている方がいらっしゃいました。
その方は別の地区に住む男性で、毎月参加されているらしく、
ご自身でもたくさんのボードゲームを所有されていて、
そこからいくつかのゲームを持参し、皆さんと遊ばれているようです。
昔からボードゲームがお好きとのことで、今では手に入らないレア版も
複数お持ちでした。中でも、初代ドイツ年間ゲーム大賞(1979年)を受賞した
「ウサギとハリネズミ」には感激。昔のものはイラストが素敵ですね。
さて、会には20名近くの方が参加されました。かなり多い数だと思います。
途中参加、途中退出OKなので、一斉に20名というわけではなかったですが、
これだけの方が参加されることに公民館のスタッフさんの力を感じました。
満足度の高いボードゲームカフェをしっかり運営されているんだ、と。
月に1度、継続して開催されていることもあって、顔見知りも増えているようで、
前々回、前回に比べ、参加者さん同士の親密度がアップしているなと感じました。
初めての方もいらっしゃいましたが、受け入れる和やかな雰囲気もありました。
あと、ボードゲームに対するハードルが低くなっている印象を受けました。
例えば、以前なら「スティッキー」や「スピードカップス」など比較的わかり
やすいゲームを勧めていたのですが、少し難しいと思われる「ドメモ」や
「マラケシュ」なども抵抗が無く、勧められるようになりました。
これは皆さんがまずは理解してみよう、チャレンジしてみようという気持ちに
なってくれるからで、だからこそ、勧めやすくなったのだと思います。
前述の「ウサギとハリネズミ」なんて、
結構ハードルが高いと思われるのですが、
それでもルールを確認しながら楽しまれている姿からわかるのは、
「ちゃんと理解すればボードゲームは面白い」という
ボードゲームへの信頼が生まれたのだと思います。
継続していくことの力って凄いな、と改めて実感しました。
カードを積み上げるバランスゲーム「キャプテン・リノ」
手持ちのタイルの数字を推理する「ドメモ」
砂時計を使ったオリジナルの石取りゲーム「Amen-アメン-」
絨毯を敷く陣取り系ゲーム「マラケシュ」
サイコロを振らず、にんじんカードを使って進む「ウサギとハリネズミ」
それから、会で心に残っているのは素敵な国際交流が見られたことでした。
こちらの日本語教室に通われているフランス人女性は
何度かボードゲームカフェにも参加されているようで、
この日も参加されていました。
私はフランスの方には難しいだろうけど日本語の勉強になるのではと思い、
「ワードスナイパー」というカードゲームを勧めました。
例えば、「あ」が頭文字に付く「白いもの」がお題だったら、
それに当てはまる答え(「アイスクリーム」など)を
いち早く思いついた人がそれを言います。
その答えが皆が納得する答えだったら正解というゲームです。
スピード勝負のこのゲーム。フランス人にとっては当然不利です。
その点で不利なものをプレイすることにストレスを感じるのではないか
という不安もあったのですが、
私はきっと別府地区の皆さんなら大丈夫だと思ったので勧めました。
その期待は叶って、一緒にプレイする周りの方々は「辞書を引いて良いよ」
「ゆっくりで良いから」と優しく答えを待ってくれたのです。
そしたら、時間はかかってもちゃんと遊べて、正解もしていました。
会の終了後、そのフランス人女性は「どのゲームが面白かった?」という
主事さんの質問に対し、「ワードスナイパー」と答えていて、嬉しくなりました。
さらに他のテーブルにいたフランス人にもこのゲームの面白さを語られていました。
その方にとって、とても良い体験だったのだと思います。
ボードゲームは対面して遊ぶ温かみと面白味、それ自体が持つ楽しさがあるので、
このように地域に住む多くの人にその魅力を知ってもらえることが嬉しいです。
今後も私が力になれることがあれば、ぜひやらせていただきたいと思います。
ご依頼ありがとうございます。
60周年を記念して作られた「別府かるた」を特別にいただきました。
知らなかった意外な発見も多く、絵とともに楽しめました。