9月8日(日)本のあるところajiro(福岡市・天神)で「第5回 津村修二のボードゲームジャーニー」を開催しました!

今回は大人の男性2名、女性1名合計3名のご参加でした。ありがとうございました。

第5回のテーマは「造形美のアブストラクトゲーム」。伝統的なものから最新のものまで造形美の視点でセレクトしたアブストラクトゲーム(将棋やチェスのような運要素のない戦略型ゲーム)を5点紹介しました。






①「MUHLE<ミューレ>」(アルビスブラン/スイス)



「ナインメンズモリス」「ウィンドミル」とも呼ばれる、エジプト起源の伝統ゲーム。互いに9個の駒を置いていき、直線上に自分の駒が3個並ぶ(ミル=水車小屋と呼ぶ)と相手の駒を1個取れます。相手の駒を2個以下にしたら勝ち。印象的な赤が美しい木製盤はアルビスブラン社製。

遊んでいくと1個の駒を毎ターンごとに動かすことでミルが完成する必勝法があることに気付きます。その状況をいかに作るか、または作らせないかが勝負の鍵を握っていて、今回二組に分かれてそれぞれ遊びましたが、やはりその必勝パターンを作れた方が勝っていました。
紀元前1000年頃からあった(諸説あり)とされる伝統ゲームだけに、やり込むことで色々と戦略が見えてくる深い味わいがあります。


②「squadro<スクアドロ>」(ギガミック/フランス)



5個の自駒のうち4個を対岸から折り返して自陣に帰還させた方の勝ち。行きと帰りで駒の移動歩数が異なるのは斬新です。ボードや駒のデザインも秀逸。シンプルで奥深い、良質な木製のアブストラクトゲームで定評のあるギガミック社の最新ゲーム。

相手の駒は飛び越えることができ、その駒はスタート地点に戻せるというルールがあります。それ故に相手の駒を牽制しながら、慎重に、時に大胆に進めていく必要があります。
パスはできないというのがミソで、双方が駒を進めたくない状況の時、いかに相手の手番に回して駒を進ませるか、一番の考えどころです。
また、5個のうち4個を帰還させるということは1個は進めなくてもいいわけで、その1個は守備役に徹することができます。その1個をどれにしておくかもゲームのポイント。
たいてい1手差くらいの接戦になるので、良いゲームデザインだと感心します。


③「CUBOID<キューボイド>」(idontknow.tokyo/日本)



立体思考を巡らせ、自駒を縦のラインでつなげていきます。白と黒の直方体ブロックにグレーの盤面。モノトーンで構成されたスタイリッシュなこのゲームはデザインユニットidontknow.tokyoが手掛けています。これまで東京で世界大会が3回開催されています。

これは頭の柔らかさが物を言うなぁと思いました。「こっちがダメならこっちはどう?」みたいに様々な可能性を考えられる人が強い。その上でダブルリーチの状況をどう作っていくかですね。
ゲーム終了後の造形が、その時の対戦でしか現れない一回性のアートのようで、鑑賞したくなる美しさがあり、写真に撮る方も多かったです。勝った人はこれを部屋に飾っておくと勝利の余韻に浸れますが、負けた人は逆に悔しさが募ります。「次こそ勝つぞ」とリベンジを燃やすのには良いかもしれませんが。


④「NOCCA×NOCCA<ノッカノッカ>」(ンダノガ/日本)



乗っかったり、乗っかられたりしながら、自駒のうちどれか一つが相手のゴールに侵入すれば勝ち。驚くほど簡単なルールで気軽に遊べます。駒を収納する台紙に駒の動かし方が図解されているのは優れもの。視認性の高いデザインにセンスを感じます。

いやぁ~、単純なルールなのに実に面白いです!こっちで乗っかって相手を封じておいて、あっちでゴールを目指して・・・と考えていても、想定外のところから相手に乗っかられて、急にピンチになったり。形勢逆転が起こりやすいので、ハラハラドキドキが繰り返し訪れる。よくできたゲームです。誰もが遊べるという点でオセロ並みに優れていると思います。


何とも珍しい、相手の駒に全部乗っかる勝ち方です。


⑤「Qubism<キュービズム>」(デバッグモンキ-ズ/日本)



駒を動かす、キューブを置く、キューブを動かす。いずれか1つのアクションを繰り返して、対岸に自駒を先に到達させた方の勝ちです。矢印の付いたキューブをどう使うが勝負の分かれ目。ボードやキューブに作者の木製へのこだわりが感じられます。

このゲームは、数多くの戦略が考えられるので、そこが良いところだなと思います。キューブを置く行為一つでも、矢印をどの向きを上にして置くのか、複数の選択肢があります。ここに置いたら、相手はこう来るだろうから、こう返そうというふうに先を読む力が問われます。
「コリドール」(ギガミック)への敬愛から生まれたという今作からはコリドールイズムというか、コリドールのゲームデザインに対する敬意が十分に伝わってきます。


会を終えて、皆さん、楽しくて時間が足りないとおっしゃっていました。とても楽しまれていたようですが、アブストラクトゲームは頭脳戦なので「頭使った~!」と少々お疲れだったようです。でも、それはスポーツの後のような心地良い疲れではないかと思います。

以下、参加者のアンケート回答です。

◆今日の感想は?
「とっても楽しくて2時間があっという間でした。何時間でも何回でもやってみたいし、ゲーム好きな方とゲームができたのがとても嬉しかったです」(女性)
「単純そうで、考え方のポイントがまるで違うゲームが色々あるものだと感心しました。意外とシンプルなものでもまだまだたくさんありそうです」(男性)
「アブストラクトゲーム、作るの難しそうで作る気なかったんですが、魅力に触れてしまったので、どうせ作りたくなると思います。キュービズムを大学生が作ったとは驚き・・・」(男性)

◆一番面白かったゲームとその理由は?
・「ミューレ」
理由 相手の作戦にハマってしまいましたが、「あっぱれ!!」って感じで楽しすぎました。
・「キュービズム」
理由 ブロックの置き方で色々変わる部分。
・「スクアドロ」
理由 コンポーネントの材質が心地良く、動かすだけで気持ち良い。


次回は10月20日(日)開催予定です。
テーマは食欲の秋ということで「スイーツ系ゲーム」をご紹介します。美味しそうで思わず食べたくなるものばかり。お腹を空かして来られないようお願いします(笑)
ご参加お待ちしています!