学生時代、文法問題を詳しく勉強したけど、結局英語を話せるようにはならなかったという人は意外に多いのではないだろうか?
これは、文法問題が悪いわけではなく、英語学習におけるバランスのとり方が悪かったのだ。
むしろ、文法スキルは、英会話力を支える基底能力にとって、必須のスキルだ。
そこで、今回は、英会話力を身につけるための文法スキルがどの程度あるのかを試す問題を用意した。
私の経験上、この5題全て正解する実力があれば、最低限の基底能力は、備わっていると言っていいだろう。
それでは、早速取り組んでみてほしい。
問い
次の英文の空欄に入れるべき語として、ふさわしいものを一つ選んでください。
1. Courses in web design _ _ _ _ become very popular among today’s students.
(A) have
(B) is
(C) has
(D) to have
2. As reported in newspapers and magazines, the construction of th world's tallest building _ _ _ _ we monitored during the last eighteen month was spectacular.
(A) which
(B) what
(C) where
(D) whom
3. Because dining out with clients is a lot of fun, _ _ _ _.
(A) about twice a month I do it
(B) I do it about twice a month
(C) twice a month about I do it
(D) I do about twice a month it
4. After a reorganization within the firm, the chief executive let all the temporary workers _ _ _ _.
(A) to go
(B) gone
(C) going
(D) go
5. Many people _ _ _ _ her on her beautiful piano playing.
(A) complimented
(B) completed
(C) complied
(D) competed
解答
いかがだったろうか。
正解を、順に示す。
1.
正答は、(A) have
主語に適した動詞を選択することを意識することが重要だ。
練習段階では、とにかく動詞に意識の中心を置いてほしい。
ここでは、単数、複数の区別を問うたが、同時に忘れてはならないのは、時制だ。
現在形、過去形、未来形、現在完了形、この4時制は最低限、意味的なニュアンスも含めて区別ができるようにしておこう。
2.
正答は、(A) which 先行詞をbuilding とし、それがmonitored の目的語であることを示す。
英会話でキーとなるスキル、英文を組み立てるスキルを訓練するにあたって、英語特有の関係詞が大きな壁となって立ちはだかる。
後ろから修飾する仕組みを英語の言語感覚として飲みこめるか、この辺りがキーとなってくるだろう。
学生の時に「返り読み」をさんざんやらされた方にとっては、この壁を乗り越えるには、相応の努力を要すると考えられる。
3.
正答は、(B)I do it about twice a month
この問いも、英文を組み立てるスキルを問うた出題だ。
英語の語順には、日本語の助詞に相当する働きがある。
要するに、日本文では、語順を適当に入れ替えても、助詞のおかげでおおよその文意が掴めるのに対し、英文では語順そのものが変わると正しく意味が取れないといった状況が起こりうる。
これが英文を正確に組み立てるスキルが重要となるゆえんだ。
この正確さにスピードが加われば、英会話における最重要試練を乗り越えたことになる。
4.
正答は、(D) go
動詞letは、let + O + 原形動詞で使役の意を表す。 意味は、その目的語(人)に「特定の行為をするがままにしておく」といったニュアンスか。
日本語、英語双方に、使役動詞と呼ばれる、文法カテゴリーがある。
使役動詞、 つまり人を使って何かをさせること。
英語の使役動詞には、have, make, let, getなどのあるが、それぞれ会話でよく耳にする表現だ。
この使役動詞を意味も含めて修得することができれば、会話での表現力がより拡がるだろう。
5.
正答は、(A) complimented 文意から「褒める」のcomplementがふさわしい。
この問いは、単純に解答者のボキャブラリーの多寡をを試している。
文意に沿った適切な動詞を選ぶことができるか、この点も英会話上達の上でネックとなってくる。
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英会話力を支えるチカラの中でも、文法スキルを侮ってはいけない。
とかく邪魔者扱いされることが多い英文法だが、要は突っ込みすぎず、しかし浅すぎず、適度な濃さで文法スキルを保持していればよいのだ。
とりわけ、本日出題した、主語と動詞の対応、関係詞、英文の語順、使役動詞、ボキャブラリーの分野は押さえていてほしい。
正確な英文を作りだすスキルと正確に英文を聴き取るスキルの両スキルの向上に貢献するはずだ。