くもり「選ぶ力」五木寛之著より。ニコニコ

すでに80歳をいくつか過ぎた大作家がこういうのだから、それは誰にもあることだ。選ぶということで思い出すのは、学生時代の試験の問題だった。そこには選択せよという設問が必ずある。

あまり勉強していなければ、どちらとも取れそうな選択肢ばかりのようにも見えたものだ。それでもどれかを選ばなければならない時は、鉛筆や消しゴムを転がすということもあったかもしれない。

筆者の五木氏は大学も中退せざるを得なかったようだが、氏の作家仲間には授業料も払えずにそうなった人も多いようだ。ちゃんと大学を卒業できた人には、堅気のコースを歩んだ人が多いらしいが、五木氏はそれができなかったので、物を書いて生きる道を選ぶしかなかったという。

その後の努力と才能と素晴らしい出会いがあったからこそ、作家として成功したのだろう。しかし、競馬などの勝負ごとには向いていなかったと振り返っている。