曇「老いる覚悟」森村誠一著より。ラブリー温泉庭

この本の最後、“むすびの言葉”の部分で、出てきた言葉が「老いる覚悟」というもののようだ。そして覚悟なき人生は、時間に流されているということだった。

たしかに何も考えなくても時間はどんどん流され空費されていってしまう。そこで、それを捉えるために、昨日とは異なる今日を過ごすという心構えが必要なのだ。

平凡ななかにも、そんな覚悟が人生に活気と彩りを与えてくれるようだ。人間は生きている限り、常に途上だということでもあった。だからこそ可能性の狩人を意識すべきなのだった。

青春は未知数が多いが、歳をとるにしたがって、未知数が減ってしまう。しかし、それでも未来の予測は不可能だ。最後に、筆者の俳句があった。「霧立つや昨日を拒む今朝があり」、これが老いに対する覚悟なのだろう。