晴れ「朝日新聞」2009.12.20付けより。ウインク唇チョキ

一昨日はM1グランプリ決勝戦をテレビで観戦していた。視聴率も毎年かなり高いようだ。その決勝戦に残るコンビはいくら若手漫才とはいえ、結成してから1、2年では無理だろう。

8、9年も下積みで実践を積んだコンビが勝ち残ってくる。すでにテレビで頻繁に見られるコンビでも、今年は4629組が挑戦したのだから、決勝戦の舞台に勝ち残っているのはきわめて狭き門だ。

しかも極度の緊張感のなかで最高の舞台にするのは並大抵ではないはず。ほとんどの組が力を十分発揮できていなかった。芸人の技能はそうそう簡単には上がらないようだ。トレーニングあるのみかな。

最終決戦で満票を獲得して優勝したパンクブーブーに、テレビなどの出演オファーが20件以上も殺到したというウェブニュースがあった。このコンビも9度目の挑戦だった。ぜひ長く生き残ってほしいものだな。

毎日どのチャンネルをつけても、様々な番組にお笑い芸人さんは登場している。クイズやバラエティでは司会者もゲストや回答者もお笑い芸人であることもしばしばだ。

製作者側としては若手芸人ならギャラも安上がりで済むという台所事情もあるのだろう。もちろん人気が落ちればそのスペアーはいくらでもあるので便利かもしれない。当然ながら芸人さんは常に賞味期限を延ばす努力を怠れない。

木村(政雄)さんは最後に「仕事は、技術と個人の意識、その両輪があってこそ伸びる」と話している。もちろんそれはお笑いに限ったことではなく、日々のルーティーンワークにも当てはまるはず。

(蛇足)
そういえば、M1決勝戦の翌日、都内高円寺近くの公園では「人力舎」に通うメンバーが何と!6組もしゃべくりの稽古をしていた。ふだんは1組程度なのだが、やはりM1を見て刺激を受けたのだろうか。みんな頂点を夢見ているのだろうな。