宇治と言えばお茶。
その宇治にて茶道具を作り続け、茶文化の発展に多大な貢献をし続けている「朝日焼」。

その歴史は古く、慶長年間に朝日山の麓にて開窯したと言われております。
小堀遠州の指導を受けたことから「遠州七窯」のひとつに数えられ、熟成された宇治の土と松割木の炎が繊細な風合いをもたらす美しい焼き物で人々を魅了しています。

その朝日焼の工房が宇治神社のすぐ側にあり、先日見学に伺いました。
実は訪れたのは2回目。



以前も色々とお話を伺い、何となく朝日焼についてわかった気でいてたのですが、、、
全くもって甘かったです。

朝日焼の特徴は窯に入れた焼き加減だそうでして、商品にするには窯に入れた内の8割使えないこともあるんだとか。
凄いロス率!!
しかも一回焼いてしまうとリサイクルは難しいらしく、粉々に砕いて土に埋めるとのこと。
埋めた後、完全に風化して土に戻るのは1000年位かかるんじゃないかというお話でした。

しかし、ロスが多く出たとしても、同じ模様が毎回出来ないからこそ一つ一つの物を大事にしようとする心が生まれるのでは無いかと私は思います。

そして、火に関するとても興味深いお話を伺えました。

人間が出来る部分にベストを尽くし、それ以外のところは火の神様の力に頼って作られるのが朝日焼だそうで、登り窯を使うときは必ずろうそくに火を灯し、お祈りをしてからその火を窯に入れるそうです。

正月もちゃんと火の神様にお祈りを捧げてからじゃないとお雑煮が食べられないんだとか。
小さい頃にはさぞかし苦痛だったことでしょう。

弊社も紐の神様をもっと大切にしないといけませんね。なむなむ。

登り窯


朝日焼は宇治で取れる土を使って、手や足でロクロを回して(もちろん電動式ロクロも使いますが)作られております。
その地道に長年培われた技術によって、美しく呑みやすい器が出来上がります。

陶芸体験もされてますし、お近くの方でしたら教室も開かれております。
宇治の思い出にいかがでしょうか?

最近はお茶の道具のみならず、コーヒーカップやマグカップなど新しい取り組みも始められております。
是非、お立ち寄りください!!
帰りには隣の福寿園さんでお土産を買って、宇治神社でうさぎのおみくじを引いて帰ってくださいね。