――連続ドラマの主演は約4年半ぶりになります。オファーがきた時はいかがでしたか?
本当にしばらく機会がなかったので、お話をいただいた時は驚きました。でも、(演出の)水田伸生さんとご一緒できるということや、完全オリジナルの脚本でやるっていうこと、制作チームの情熱みたいなものを感じて、参加できることがすごくうれしかったです。
――スタッフの情熱というのは?
まず第1話では給付型奨学金の話とか出てくるんですけど、台本を読めば読むほど、これ相当取材されたんだろうなぁっていう感じがいろいろあるんですね。現代の学校が持つ問題点だったりとか、生徒たちの悩みだったりとか、授業の仕方とか。
実際に脚本の福田靖さんとお話ししていても、北海道に実際こういう学校があって、そこでお話を聞いてとか、どこどこの学校に行ってこんな話を聞いて、というお話を伺ったので、台本から伝わる情熱みたいのをまず感じましたね。現場に入れば入ったで、水田監督を先頭に活気のある現場だったので。熱っていうのは常に感じました。
――報道番組「NEWS ZERO」でキャスターを務め、実際に取材にも行かれています。そういう経験が影響した部分はありましたか?
アイドルグループ嵐のメンバー、俳優、ニュースキャスター、バラエティーの出演者……。多方面で活躍するが、気持ちの切り替えを意識したことはあまりないという。
「明るいポップなセットに行けばバラエティーの言葉遣いに、スーツで報道フロアに行けばピリッとした空気に。環境がそうさせてくれる」
今回のドラマでも、特別な役作りはしなかった。
14日に始まる「先に生まれただけの僕」(日テレ系、土曜夜10時)で、商社マンでありながら私立高校の校長を命じられ、学校改革に挑む鳴海涼介を演じる。
台本を読んでまず感じたのは「情熱」だったと話す。給付型奨学金などの教育問題、生徒の悩み、授業の仕方など「読めば読むほど、相当取材されたんだろうなあ、というのが色々あった」。20ページに及ぶセリフを長回しで撮るシーンは緊張もしたが、共感する言葉も多かったそうだ。
自身の学校生活で心に残っているのは、「歴史を学べ、旅に出ろ」という高校1年の担任の言葉だ。今、年に1回は意識的に海外へ行っているが、「先生のその言葉が頭の片隅にあるのかもしれない」。それは見聞を広げるだけでなく「ゼロに戻るリセットボタン」になっているとも。
今後やってみたい仕事を尋ねると、「ないですね」ときっぱり。少し面食らっていると、こう続けた。「今いただいている仕事を現状維持することで精いっぱい。現状維持って、常にプラスでないと維持にはなってないから」
柔らかな表情とは裏腹に、その言葉には強い信念がにじみ出ていた。