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NHK NEWS WEB
人気グループ、嵐のメンバーで、歌手に俳優に司会業とマルチに活躍する櫻井翔さんが、映画「神様のカルテ2」で、再び医師役に挑戦しました。
実は演技には苦手意識が強いという櫻井さんですが、取り組むなかで「難しいことに向き合うことでしか新しい自分は見つからない」と考えたということです。
続編への不安
映画「神様のカルテ2」は、地方の中規模病院を舞台に、櫻井さん演じる医師の栗原一止(いちと)がさまざまな問題に向き合い苦しみながら成長していく物語で、3年前に公開された映画の続編です。
前作では悩める主人公の演技に大変苦労したということで、続編の話があったとき、「ちょっと、ちゅうちょしたというのが正直なところなんです。
前作がすごい自分の中でも大切な作品だったので、その続編ということでそれが傷ついてしまったりとか、崩れ落ちてしまったりしたら嫌だなと。監督およびスタッフと細かく積み上げてやっとできた、プラモデル組み立てていったような感覚だったので、2年たってまたやりましょうと言われても、『そんなすぐにできるかな』と不安でした」(櫻井さん)。
それでも、前作で自分が成長できたと感じたことが、続編への挑戦につながりました。
「いろんな俳優のかたがおっしゃると思うんですけど、深川監督の耳元でささやくようなディレクション(演出)は、催眠術じゃないですけどだんだん気持ちが監督の世界に引っ張られていくような感じなんですね。
だから撮影期間中は重たい気分といいますか、悩み、苦しみというようなことが前作でした。ただそのときに思ったのが、自分にとって難しいこと、やりづらいことに向き合うことでしか『新しい引き出し』が出てこないというか『新しい自分』が見つからないということですね」(櫻井さん)。
この役は「今でしょ!」
櫻井さん演じる主人公は前作より成長し、病院でも責任のある立場になりましたが、そのぶん、同僚や上司、そして自分の妻との間での悩みも深くなりました。
その姿は、現在32歳の櫻井さんには等身大に演じられる役だったということです。
「年齢的な部分で感じられることの幅が、やっぱり今でないとできなかったかなと思っています。同級生も、家庭を持ちながら仕事をする人が増えましたし。そういう仲間と触れ合っていることで感じる、見えてくることというのも今回の作品にはすごく詰まっていました。まあ『今でしょ!』っていうやつですかね(笑)」(櫻井さん)。
意外な役で幅を広げたい
これからどんな役を演じたいか。
「うーん、ないんですよね。前作のときに強く思ったのですが、やっぱり自分がこうなりたい、こういう役柄をやりたいというもののチョイスだけだと、自分の手の届く範囲内のことしかできないんですよね。だから前作の栗原一止役も、『いやごめんなさい。ちょっとできません』ってよけることもできたと思うんですけど。でもそうしなかったことで広がったものがきっとあると思うので、お話をいただくなかで、自分にとって意外だと思うものであればあるほどやってみたいと思います」(櫻井さん)。
インタビューの中で「自分はまだ演技のことを語れる立場にない」とも話していた櫻井さん。
悩みながらも前に進もうとする医師の姿は今の櫻井さんと重なるようにも見えます。