日めくりカレンダーのようにページを開く本が、もう一冊ある。

最近手に入れた。

 

イラストで彩る1日1語「365日で味わう美しい季語の花」

監修金子兜太

 

 

例えば10月9日 季節―秋

「稲」の起源は諸説ありますが、東南アジア原産といわれています。イネ科の一年生植物で、縄文時代には日本に伝わっていたようです。ご飯として炊くものを「粳(うるち)」といい、餅にするものを「糯(もち)」といいます。「稲」の古名は、『古事記』では「志泥(しね)」、『万葉集』では「伊那(いな)」とされていました。現在の長野県「伊那」の地で作られたから「稲」など、名前の由来も諸説あります。仲夏に田植えをして、初秋には青い穂に白い小花が咲き、秋になると稲穂が黄色に実ります。この時季の稲が秋の季語となります。収穫を迎えるばかりの穂を垂らして黄金色に輝く稲穂も、風にたなびく一面の稲田も絵になる風景で、多くの句が詠まれています。

 

稲稔りゆっくり曇る山の国/廣瀬直人

 

関連季語

稲の花/稲田/稲穂/うるち/もちごめ/陸稲(おかぼ)/稲刈/稲干す/稲扱(いねこき)

 

 

「稲」については以上のように記述されている。

 

 

金子兜太監修による句は、素人にも分かりやすく、優しい表現のものが採用されている。さりげなく、味わい深い句ばかりである。

 

「これなら自分にも詠めるかな」と勘違いしそうであるが、これがなかなかどうしてそうは問屋が卸さない。なにしろ金子兜太の選である。品よく、さらりと流れるような言葉づかいの句ばかりで、じっくり読ませてもらった後で「参りました」と脱帽させられるのである。

 

 

 

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