悠人さんのblog句会「悠々自適」8月の結果発表があった。リブログしたのでご覧いただきたい。
がねの選句は以下のとおりである。
句会において高得点であった句の順に記す。敬称は省略させていただく。
15.朝顔や旋盤の音の跳ねる路地/さるぼぼ
またもやさるぼぼさんの句を選んでいた。つまるところ自分が好きかどうかで選句している。さるぼぼさんの句が好きなのだ。
47.こおろぎやかばんに入りきらぬもの/ひょうたん機
この句会においてさるぼぼさんと双璧を成すのがひょうたん機さん。がねのように古い世代の者には井上陽水「夢の中へ」
♪探し物は何ですか。見つけにくいものですか。鞄の中も机の中も探したけれど見つからないのにまだまだ探す気ですか(不正確かもしれないけど・・・)
を思い浮かべた。鞄に入れて運ぼうとしたものは何なのか。それは鞄に入りきらない。こおろぎの寂寥感がことさらに感じられる。
34.蜩や苔むす庭の影法師/みなみ
苔むす庭であるから湿気のある木陰、そこに何の影法師であるかは分からないが、何かが重なるように濃い影を成す。自分自身の影法師なのかもしれない。蜩が鳴いている。しみじみとした情感。
1.芒野や黄泉路の見ゆる針の穴/まるちゃん2323
針の穴を通してあの世が見える。肉体が消滅すれば容易に針の穴をくぐり抜けることができるのだが、今はまだそうもいかない。潜り抜けた先は茫漠とした芒野である。
13.花芒雲の言葉を聞いてをり/ゆみこ
「のんちゃん雲に乗る」のようなメルヘン、あるいは黛ジュン「雲に乗りたい」
♪望みが風のように消えていく・・・。
やはり茫漠とした芒の原に浮かぶ雲との語らい。
2.桔梗や庫裡のかげなる朽ち桔槹/ウロ
桔槹(きっこう)とははねつるべ。桔梗と桔槹、そしてカ行の音を並べた技巧的な句。桔梗のひっそりした佇まいとはかなげな薄紫の色が似合う。上級者でなければ詠むことのできない句。
7.撫子やルームミラーに写る紅/あ~すけ
草花にはイメージがあるという。撫子は楚々とした女性のイメージか。車を運転しているとルームミラーにルージュあるいは紅い服。色彩が鮮やか。
36.撫子や誰が投げ込みし軍鶏の籠/ウロ
おっと、またしてもウロさんの句を選んでいる。軍鶏の籠だなんて上級者なのだろうと思ってはいた。軍鶏の籠が投げ込まれる風景は山里であろう。里には毎年当たり前のように撫子が咲く。日本の原風景だ。
ついでにがねの句を以下に記す。
28.蜩や塩つけ喰らふゆで卵/がね
3句提出した中ではこの句がいいと自分では思っていた。それはモニカさんのブログに記してあった、「俳句はいま、ここ、吾」だったから。汗を流してようやくたどり着いた山中のポイント、蜩の鳴き声が響き渡っていた。ただし、月並な句である。
45.ヘビメタの重低音や大西日/がね
ここでの大西日は四畳半の部屋に差す西日。小部屋でヘビーメタルを聴けば、重低音が床をきしませる。西岸良平「三丁目の夕日」の懐かしさ、もの悲しいさを詠んだつもりだが、表現が稚拙。
7.撫子やS字カーブを漕ぐペダル/がね
北九州市小倉南区の平尾台、北九州大学自転車部の学生、特に女学生がS字カーブでペダルを漕いでいる様子を詠んだもの。
3句とも実景。
教科書通りに詠んだつもりだが、自分の表現の稚拙さを実感するのみ。





