「いちご白書」挿入歌

Down by The River

Composed and Sung by Neil Young

Courtesy Warner Bros. Records

 

サイモンはコロンビア大学の学生であり、ボート部員。コロンビア大学といえばニューヨーク市マンハッタン区に本部を置く、アイビー・リーグに属する私立大学で、世界屈指の名門大学である。ボートは白人しかできないエリートのスポーツである。

 

サイモンがハドソン川でボートを漕ぐシーンから「いちご白書」が始まる。

 

サイモンが居住するアパートの壁にはロバート・ケネディの写真が貼ってある。ロバート・ケネディはJFケネディがアメリカ大統領のとき司法長官である。兄が暗殺された後、次の大統領にと嘱望されたが、こちらも暗殺される。

 

サイモンはコロンビア大学とボート練習をするハドソン川とアパートとを移動する毎日であるが、大統領リチャード・ニクソンのペインティングのある舗道を歩いていた。サイモンは無意識にリチャード・ニクソンを足で踏みつけて通り過ぎる。サイモンのヘアーはマッシュルーム・カットだが、ボート部の学生の割合としては短髪が多い。

 

ある日、ストライキ中のコロンビア大学構内にいるリンダを見初めたサイモンが、ポリスに囲まれた封鎖中のフェンスの向こう側にあるキャンパスに入り込み、スト学生たちと行動を共にするようになる。

 

占拠しているキャンパスでは演説を行う者の周りに人垣ができており、あるいは即興劇が演じられ、解放区の様相を呈している。人が集まってできた形を見ると、ピースマークである。学内では主導権争いのようなものも垣間見ることができる。

 

教室では学生たちが食べ物や飲み物を分け合いながら泊まり込みを続けている。男女学生の共同生活のようなものであり、一体感がある。その様子を見たサイモンはリンダと街の食料品店に出かけて、店主をうまいこと言いくるめて大量の食糧品を手に入れる。うまくいって笑い転げながら学内に食料品を運びこんだ2人の気持ちは近づいていく。

 

さらにボート部内で部員から殴られたときに鼻から血を出したサイモンはシャツに血を塗ってスト中の学内に戻り、ポリスにやられたとアピールすると、サイモンは広報の被写体になる。このことによりサイモンに対する評価が高まり、スト中の学生たちや指導者からの信頼を得る。

 

サイモンはアパートの部屋に貼ってあるロバート・ケネディのポスターをはがし、スト中のキャンパスから持ち帰ったチェ・ゲバラのポスターを外部に誇示するように窓ガラスに貼り付ける。そのようにしてサイモンとリンダの仲はさらに深まる。