3つの峰を持つ傾山(かたむきやま)の前峰から少し歩いて本峰に向かうと、巨岩が目の前に現れた。
巨岩の間を縫い岩場を通り抜けると平らな場所があり、そこに傾山頂の柱が立っている。ここまでは何事もなく来ることができて安堵した。
山頂に来て初めて見る絶景に驚嘆の思いを抱き、かつ喜びが込み上げる。
適当な石の上に腰かけ、途中のコンビニで買ったおにぎりと持参したカップ麺を食すると、気持ちが弛緩してくるのと反比例するように身体は硬くなる。
食事を済ませると展望所に行ってみる。巨岩の上に立ち四方の山並みを改めて眺めると、九折越(つづらこし)から歩いて来た山並みが見える。また祖母山系の連なりも見える。
登山口まで4時間、登山口から2時間半かけてここまでやって来た甲斐があるというものだ。快晴ではなかったが、天気にも恵まれた。(続く)








