居酒屋“どんこ舟”に行くと、雨読さん、朱判さんがいて、しのぶたけさん、ホタクボンヌさんがやがて到着。


雨読さんが京都清水寺の紅葉を見てきた話をすると、しのぶたけさん夫妻も清水寺に行ったという。

「京都の紅葉は格別にきれいですね」

とがね。

これに対して

「作られた美しさだね」

という、しのぶたけさんの反応。


そういわれれば、自然というよりも造園家が計算しつくして作り上げた人工的な色なのかもしれないと思う。雑じり気のない単色の紅が目に襲い掛かるような印象がある。それはそれで一見の価値があるのだけど、京都が古都としてかつては政治経済の中心にして、文化芸術が凝縮していた時代の名残を今に留めていて、その反面、貴族社会の退廃の匂いをも醸し出す。


それはともかくとして、雨読さんが、清水寺で詠んだ歌を披露した。


きよみずの箏うるわしきもみじ坂


清水寺に向かう坂を歩いていると、どこかで箏の演奏が行われていてかすかに聞こえる。いい音色だなと心を奪われていると、歩く坂道には真紅のもみじ葉が敷き詰められている。周囲は紅葉に囲まれている。


そういう情景を捉えた歌である。

「もみじ坂というのが見事にはまった佳作だと思うが、“まんま”では観光案内パンフレットに載るような歌ではないか。奥さんのK子さんに内緒の女性と二人、息をひそめるようにもみじ坂を歩くのでなければ、この歌には余韻がない」。

がねがそのように茶化すと、ホタクボンヌさんが

“ほほほ・・・アハハハ・・・”

と愉快そうに笑った。

先日のゴルフでの雨読さんとがねとのバトルが再び勃発したかという感じで。