明けましておめでとうございます。本年もブログ書きます。どうぞよろしくお願い申し上げますm(__)m
さて私はテレビを持っていませんので、普段テレビ番組を見ることはありません。例外はホテル宿泊時と、年末年始に親元にいる時でして、大晦日に紅白歌合戦を見ておりました。
なかなか楽しいっすね。ざっと一年の世相を把握できて便利な番組です。きゃりーぱみゅぱみゅの配色や衣装が好きです。それはそれとして、圧巻だったのが日本最古のシンガーソングライター美輪さん。
御年77歳で初の紅白出場でしたが、その美輪さんが歌ったのが、自らが作詞作曲した「ヨイトマケの唄」。
https://www.youtube.com/watch?v=p3WTKaaL7nI
蛇足を承知で分析すると、4つ特徴的なことがありました。
(1)黒髪に黒一色の地味な男装(コート、セーター、ズボン、靴)
いつもは黄色い髪に華美な女性的服装の美輪さんですが、この歌を歌う時はいつも地味な男姿。紅白の晴れ舞台で皆さん過剰なほど着飾っているなか、よほど自身の唄に自信が無いとできないことです。
(2)ほとんど動かずに、その場の身振り手振りだけのパフォーマンス
EXILEやももいろクローバーZに代表されるように、高い身体能力での激しいダンスパフォーマンスは魅力的ですが、美輪さんはもう77歳というお年もあると思いますが、ほとんどじーっと静かにされています。しかし印象としては、むしろ過剰なほどに激しく身体表現している感がありました。身体能力を凌駕する、芸の力ってやつなのでしょうねぇ。ただその場でヨタヨタ一周りするだけで、長い時の流れを表現するわけですから。
(3)社会の魂を表現している
貧しさから、工事現場で肉体労働をしている働く女性とその子の物語を唄いあげているわけですが、そんな歌は世の中にほとんど無いですよね。豊かな現代社会でも、社会は様々な正負の側面を持っています。が、それらを全てひっくるめてひとつの唄にする力を持った作詞作曲家は、美輪さん以外に誰がいるのか?地獄を体験し、それでいて決して絶望せずに、光を見出せる人にしかできないことですよね。
集合性無意識にアクセスできるというのは、こういうことだと思います。
(4)歌というよりお芝居
これは歌ではなくお芝居のようです。曲の中に時間軸のある物語があり、登場人物を美輪さんが唄いながら演じています。
4つの特徴だけでは表現しきれていないと思いますが、美輪さんの唄は、アーティストとしてオリジナリティ(その人だけの個性)を表現した、究極的な見本のひとつだと感じた次第です。
開拓者・美輪明宏はまだまだ健在ですね。というより、今だ進化中で若い人との差をどんどん広げているのかもしれません。