昨日で池袋演芸場の披露興行が千秋楽を迎えました。これで都内定席四席の興行が終わった事になります。残る披露興行は国立演芸場だけとなりました。

 報道でご存知の通り緊急事態宣言発出に伴い寄席にも休業要請が出ましたが、寄席は社会生活維持に必要であるとして要請を拒否しました。しかし政府と都から改めて要請に従うようにとの事で(それ要請なのかしら?)寄席はこれに従い5月1日から臨時休業ということになりました。

 色々思うところはありますが、なんとかギリギリ定席の千秋楽までは興行が続けられる事になりました。寄席と事務局と理事会が踏ん張って死守してくれたものだと僕は思っています。本当に感謝しています。大初日と千秋楽が緊急事態宣言期間にかかってしまいましたが、考えてみれば僕達の興行は休む事なく開催でき、千秋楽を迎えることができたわけです。ある意味ではラッキーでした。天気も僕の主任日はここまでほぼ雨でしたが快晴です。最後に来てものすごいラッキーパワーが働いてる気もします。




 初日の24日には一蔵さん、志ん松さん、彦三さん、一花さん、小はださん、小痴楽兄さんが。千秋楽の30日は小んぶさん、朝之助さん、市弥さん、圭花さん、ふう丈さん、一花さん、ときん兄さん、こみち姉さんが、お手伝いと応援に駆けつけてくれました。もちろん人数制限は守って感染症対策はバッチリ!池袋演芸場はなにせ楽屋も狭いのです。密になりやすいので気をつけなければいけません。
 


 24日は「三枚起請」を。30日は「甲府い」を演らせてもらいました。披露興行のお客様は新真打の門出をお祝いに来てますので、空気は常に温かい状態で保たれています。しかも大入満員。何を喋ってもちゃんとついてきてくれますし、よく笑ってくれます。未熟ですがとりあえずお客様に乗せて頂いて力は出し切った気がしました。

 特に30日の「甲府い」は先代の柳枝師匠が得意にされていたネタです。僕なりに善吉の素朴さを際立たせる為に新しい演出も加えて、コロナ禍においてのメッセージも含めて喋らせてもらいました。「甲府い」は大きな事件も起きませんし、スペクタクルも無いどちらかと言えば地味な噺です。でも温かくて優しい味わいは落語ならでは。心が荒むことばかりの今日この頃、温かい噺を語れたらと思って選びました。



 サゲを言ってお辞儀をして大きな拍手を頂くと目から涙が落ちました。不意にポロッと落ちたので僕が一番驚きました。ここまで来た充足感と感謝の気持ちからなんでしょうか?自分でもわかりません。知らぬ間に感極まってたんでしょうか?でも知らぬ間になら感極まってではない気もします。とにかく気づいたら少しこぼれてました。恥ずかしいからすぐに拭いましたけど。

 幕が閉まると今回の新真打五人揃って高座の上で楽屋一同から三本締めでお祝いをしてもらいました。幕の向こうの客席からも一緒に三本締めをしてくださってる音が聞こえてきます。お客様と仲間からのお祝いの気持ちを全身で受け止めて幸せを味わいました。これにて定席四席の披露興行は無事にお開きとなりました。

 残るは12日からの国立演芸場の披露興行だけとなりました。11日は緊急事態宣言と重なってるので残念ながら中止となりましたが、どうか解除になって開催できることを祈念いたします。ぜひ遊びにいらしてください。

 そして今日から僕達とバトンタッチで披露興行が始まる予定だった芸術協会の新真打(小笑、昇々、昇吉、羽光)、秋から披露興行が始まる落語協会の4人の新真打(志ん吉、小んぶ、緑君、花いち)、今日発表された来春昇進予定の新真打(美るく、ぴっかり⭐︎、八ゑ馬、はな平)の応援とお祝いもどうぞよろしくお願いします。柳枝披露目の名番頭ぴっかり⭐︎さん、昇進決定おめでとうございます!!

柳枝