CEOのメッセージを見て前述の評価基準で評価してみたところ、

マイクロソフトのスミス氏のメッセージは59点になりました。

日本のトップがトヨタ自動車は49点でした。

やはり取組の対象が広いように見えます。

 

それは、自社の歴史や保有資産(技術、設備)からみた社会課題ではなく、

まずは、社会課題を情熱を込めて、専門的に調べた結果であるように思います。

そのための交流としての寄付や慈善活動の存在があるように見えます。

 

社会課題を広く、深く検討すると、自社だけではどうしようもない、むしろ、自社活動とは正反対のネガティブな課題もあげられることもあるでしょう。自動車メーカーにおける渋滞、交通事故、道路補修などの社会課題にも、その二次課題(遺児、渋滞解消)にまで課題として取り上げるなど、広く深く課題を取り上げて、その解決に向けて、自社だけでなく業界や産業界などを広くリーディングしようとするようなことが求められるのでしょう。

 

今のところ、そこまでは自社とは関係ないというスタンスである企業が多いのも事実でしょうが、それを拡大しようとするCEOメッセージは先行して市場拡大検討のためにあってもいいのかなと思います。

 

経営マネジメントの重要な仕事って、企業の方向性を出していくことであり、そこにはCEOの個人的な体験や思いがあってもいいし、それをサステナビリティ情報開示の中で提示してみるのもいいんじゃないでしょうか。

自社の取組に反するものであっても構わない、これまで全くみていなかった市場であっても構わない。CEOの熱い思いを提示してみると、ステイクホルダーにも響く情報となるのではないでしょうか。

 

よって、CEOメッセージ案としては、以下のようになります。

 

1、まずは、個人的な環境体験、社会体験を述べる

2、社会で問題となっている課題について、認識を示す。また、取り組んでいきたい課題を挙げる。

3、自社で優先的に取り組むマテリアリティを挙げる。外部専門家の提案や社内提案や自身の思いを挙げる。

4、自社の歴史、保有資産(技術他)から解決しようとする社会課題を挙げる。

5、自社が推進したい施策を提示する。その実現性、先進性、効果を約束する。

6、社外に求める案を提示する。

7、求める未来を提示する。

8、リーディングする未来を提案し、約束する。

 

仮想の自動車メーカーでCEOメッセージを作ってみます。(ご笑読ください)

 

こういうメッセージを見たいなあというものにしてみました。

 

CEO ○山 △太朗 (顔は正面から、じっと見つめる写真のアップ、加工あり。個人的に腕組みは何となくイヤ笑)

 

サステナブルな社会のために、私たちは何をできるのか?その答えは、どこにもありません。誰も教えてくれません。だから、私たちは汗をかいて探すことにしました。

今あるのは、現時点での私たちの考え方で、もっと高いレベルを要求される方もいるでしょうし、ちょっと違う方向を指す方もいるでしょう。ご意見を伺いながら、共により良い社会のために協力できれば、これに勝る喜びはありません。

 

私は、雪深い、新潟県柏崎市で生まれました。

曽祖父の代から、米作りを生業としていて、父は協同組合に勤めており、米作りも手伝う兼業農家という家庭でした。母は市役所勤めでしたが、やはり田植えや稲刈りの時期には米作りを手伝っていました。私も幼い頃から米作りの手伝いをしていて、よく祖父や父や母の運転する軽トラックの助手席に乗って田んぼに出ていました。高校生の頃には、部活の朝練に間に合うようにするため、やはり母が軽トラックで最寄駅まで送ってくれました。

我が家の全ては軽トラックと共にありました。業務用のモビリティが我が家の支えとなっていたことが、私が大学を卒業するときにこの会社を選択した理由の一つでした。

 

そう、私たちは幸せを運ぶ会社でありたい。

ヒトを幸せにするモビリティを提供したい。

それが私たちの存在理由です。

 

もちろん、モビリティがヒトを不幸せにすることもあるかもしれません。

だから、私たちは、「低価格、高性能、低燃費」のモビリティを目指します。

また、交通事故死亡者ゼロを目指します。さらに、従来のモビリティがない場所での乳幼児や高齢者のためのモビリティを考えます。

 

これを議論したのは、昨年の秋でした。

有識者や全取締役や参加を希望した従業員で9月23日から25日の三日間でした。(参加者の一覧は別途記載)抽出した優先するマテリアリティには、少子高齢化社会、地域経済活性化、教育の振興、自然保護、気候変動対応、働き方、ジェンダーなどがありました。

それらを念頭に、私たちは「ヒトが幸せになるモビリティ」を目指して、企業活動を実践しますし、従業員もそれを目指します。より良い未来が少しでも早く到達できるように、一つ一つの施策をしっかり進めていくことをお約束します。

 

共にベストを尽くしましょう。ご指導ご鞭撻をよろしくお願いします。

 

 

一例ですが…笑