ホームページや報告書など30社全て見て、その企業の姿勢や取組や反省やら、一番表現しているのはCEOメッセージだと気付きました。

ということで、主に環境面になりますが、CEOメッセージのみを比較しながら、再度見ていこうと思います。

評価の基準はレスター・ブラウンさんの「企業が環境問題に取り組む4つの段階」を参考にしてみたいと思います。(基準も評価も20年以上前のものではありますが、まあ今も変わっていないでしょうと言うことで…)

 

レスター・ブラウンさんの4つの段階というのは、

1、環境に対する行動よりも広報に重点を置く。

2、自社の稼働状況の環境影響を考え、エネルギー効率、紙の再使用、廃棄物などを考慮する。さらに目標を立て、一定期間での達成に努力する。

3、環境的に持続可能な世界経済のためのビジョンを考え、それに基づき製品の持続可能性などを検討する。

4、企業の個別的利害を超え、経済全体の視点に立って、環境的に持続可能な世界経済の実現こそ企業にとっての利益になる、その未来に賭けよう、その実現こそが我々の義務との考えのもとに、環境問題を社会に訴え、政治的に行動する。

 

これらの段階は下に行く程レベルが高く、ブラウンさん曰くは、企業の大部分はレベル1、ごく一部がレベル2、先進的な企業でレベル3との評価でした。(大部分:10点未満、優秀な企業:10点以上、先進企業:30点以上)

この各段階を参考にして以下の基準を私が作成し、評価してみました。

 

A.環境認識(40)

B.持続可能ビジョン(30)

C.環境影響を考慮した自社取組(20)

D.信憑性(10)

E.自身の取組(20)

120点満点です。

 

本来はAからDで100点満点にしようかと思ったのですが、CEOメッセージとしてはEの評価も追加使用と考えました。

ブラウンさんの段階で言えば、レベル4がA,レベル3がB,レベル2がC、レベル1がDに対応しています。

もう少し具体的に内訳を言いますと、以下になります。( )内の数字は配点です。

 

A.環境認識(40)

・現状と未来の社会認識20

・自社以外をリードする本気度20

 

B.持続可能ビジョン(30)

・製品サービス企画15

・実行性15

 

C.環境影響を考慮した自社取組(20)

・コミット強度10

・反省やフォローがある10

 

D.信憑性(10)

・実務的なコメント5

・華美過ぎる表現がない5

 

E.CEO自身の取組(20)

自然体験の記載10

社会面の課題認識5

・外部の意見を取り入れる姿勢5

 

さて、この基準により売上上位の50社を評価してみました。

 

結果は、

50社の平均は18.7、流石に全社10点以上でした。

最高点はトヨタ自動車(豊田会長、佐藤社長)で49点、

2位は、パナソニックホールディングス(楠見社長)で31点、

3位は、三菱UFJフィナンシャルグループ(亀澤社長)で29点、

4位は、東京海上ホールディングス(小宮CEO)で26点、

5位は同点で、本田技研工業(三部社長)で25点と

スズキ(鈴木社長)で25点となりました。

 

好事例だと思いますので、ご参考ください。

次は、ではどういうメッセージが欲しいのか?考えてみたいと思います。