毎日毎日10本の爪楊枝を使ってはいるが、

年々歯のスキマが空いてきて、

年々そこに食べカスが詰まり始め、

ニンニクの欠けらやネギの繊維やで、

年々息も臭くなり、(息と臭いって字が似ている…)

年々誰も近づかなくなり、

年々うちのネコも近づかなくなった。

 

しかし、ある日、

シューって息を吐いてみたら、

その瞬間、白っぽいカスが口から飛び出た。

口から、細かい光があふれて、

小さな髪の長い少女が現れて言った。

 

「私はバラの精。今日から、私があなたの歯クソです。」

 

それからというもの、

吐く息はバラの香りとなり、

ネコはわんさかすり寄ってきて、

なんなら、イヌも寄ってきて、

子供もギャルも賑やかに寄ってきて、

幸せに暮らしましたとさ。(おしまい)