・5時の善悪 ーヒトの心の問題
主に第一次産業が盛んであった時代、住民は地域に貢献することで生き延びてきた。
地域のご意見番の意見が「善」であり、それを守ることが「道徳的行動」であった。守らなければ、厳罰が待っていた。
日本では、工業化が始まった明治時代以降、地域での活動より役所や会社での労働が優先されるようになった。その優先具合は第二次大戦後さらに加速され、必須であるはずの地域社会からの承認は不要となり、工場の新設に併せて従業員は転居し、地域での気心の知れた関係性は消失した。ダンバー数程度(150名程度)の「ご近所さん」という、いきものとしてのヒトの人間関係のベースがなくなった。
その代わりに、孤立したヒトたちは自らの承認欲求を膨らませた。誰もが、テレビを見て、アイドルになりたいと思い、アイドルを推したいと思うようになったし、教室で仲間を作ったり、敵とみなしたりするようになった。あるいは、生涯恋愛して「自分探し」をし始めた。
