・3時の深い眠り ーグローバリゼーションと個人


 食糧はほぼ工業製品のようになり、地球の裏側からも届くようになった。

 先進国では、第一次産業に従事しているヒトの比率が5パーセントを切った。

 昔、第一次産業に従事していた者は、居住地を変えられず、地域の協力も必要であり、地域の環境保全も必須で、地域活動の暦年行事を維持することも必須であった。そういう地域、そこに住む家族としての協力関係で成り立っていたのが「個人」だった。

 第一次産業の消失とともに、そういう個人のベースも消失したのは確かだ。